過去に書いた記事、
■マンガの持ち込みは怖くない!大手出版社3社にマンガの持ち込みをしてみた結果……
が、ロングテールで読まれているようで。ありがたい限りです。そこで今回は補足記事を。
マンガの持ち込みを検討している人の中には、出版社の編集者から、痛烈に、辛辣に、ボロクソに批評されるのを恐れ、尻込みしている人も多いかと思います。
ただ、間近でマンガ家デビューを果たした人を見た経験上、これだけは言えます。マンガ業界は、持ち込みをあきらめた人だけが損をする仕組みである、ということ。
その真意について、詳しくお話します。
マンガの持ち込みとはなにか?
そもそも、マンガの持ち込みする意義は、「①特定の雑誌に」「②自分が描いたマンガを」「③掲載(連載)してもらうこと」にあります。
それはイコール、マンガ家としてデビューすることにつながるわけですが、出版社への持ち込みが、その一歩であること間違いありません。
まず、この目的意識を持つことが大切です。目的意識がないと、「自分の作品が否定された」という点にばかりフォーカスしてしまい、メンタル的にキツくなる一方です。
持ち込みと応募の違い
同様に、マンガ家としてデビューする方法には、新人賞に応募して入選し、読み切りなどでマンガ家生活をスタートさせることもできます。
賞を受賞すれば賞金ももらえる(ことが多い)ため、「賞金+マンガ家デビュー」で一石二鳥ですが、競争が激しく、入選できる人は限られているのが現状です。
加えて、賞に応募することは、「作品への評価が得られない」「雑誌の現状をヒアリングできない」「編集者との出会いがない」などのデメリットがある点も見逃せません。
最大のポイントは「編集者との出会い」
このように、それぞれメリット・デメリットがあるわけですが、私は、あきらめることなく持ち込みすることこそ、マンガ家デビューの最短距離であると考えています。
その理由は、マンガ家デビューにおける最大のポイントが、「編集者との出会い」にあるためです。
マンガ家が「マンガを描くプロ」である一方、編集者は「マンガを読むプロ」です。優秀な編集者は、作家の力を何倍にも引き上げてくれるものです。
つまり、1を10にしてくれたり、2を20にしてくれたり、場合によっては3を100にしてくれることもある。そこに、編集者と出会うべき理由があります。
そもそも編集者ってなんだろう?
持ち込みしたことがある人からすると、出版社の編集者は、「自分の作品を批判する悪いヤツ!」などと思っているかもしれません。
ただ、よく考えてみてください。そもそも編集者というのは、その出版社に勤務する、“ただの社員”です。そしてその多くは、“マンガ好きのインテリ”です。
つまり、自ら作品を生み出すことはできないけど、作品を批判する頭脳があり、分析力があり、批評力がある。また、たくさんの作品を見ているため、視点も鋭い。
それが編集者という生き物なんですね。
なぜ作品を批判されても落ち込むべきではないのか?
しかし、この記事を読んでいるマンガ家の卵さん(あなたのことですよ)。あなたは、マンガを“描くプロ”を目指しているのであって、マンガを“読むプロ”ではないはず。
だとしたら、自分の作品を評価してもらう前に、読むプロである編集者(とその意見)をリスペクトするのは、当たり前のことではありませんか?
編集者は、持ち込まれたマンガを適切に批評するのが仕事です。その仕事に対して、ただただ落ち込むだけというのは、明らかに、間違った反応なのです。
そうではなく、プロはどのような視点で自分の作品を見るのかしっかりと聞き、メモし、それを可能な限り自らの作品に活かすことこそ、プロへの近道だと思いませんか?
出会いは「運」と「タイミング」が左右する
さらに重要なのは、編集者にもいろいろな人がいるということ。端的に言えば、「当たり外れがある」ということです。
この場合の「当たり外れ」とは、能力や人間性ではなく、単純に、作家との相性と考えてください。そして、相性がいい人と出会えるかどうかは、運とタイミング次第です。
その点、持ち込みは合コンのようなものかもしれません。確実に“出会い”はあるものの、それが必ずしも“良い出会い”とは限りません。だからこそ、出会えるまで続けることが大事なのです。
いっそのこと、持ち込みを固く考えず、「いい編集者と出会えればラッキー」「いい編集者と出会えるまで続けよう」と考え、合コンに参加するかのように、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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