マンガの持ち込みは怖くない!大手出版社3社にマンガの持ち込みをしてみた結果……

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 当サイトにもマンガを提供してくれている伊藤ロイ氏による作画、および、わたくし山中勇樹が原作を考案して制作したマンガを、大手出版社3社に持ち込んでみました。ジャンルはズバリ「ホラーギャグ」。絵のタッチはカワイイ感じです。

 過去に持ち込み経験のあるロイ氏から聞いていた話によると、それはもう“ボロクソ”に言われたとのことだったので、営業なれしているボクもさすがに緊張しました。でも、結論から言うと、持ち込みを恐れる必要はまったくありません。むしろ、どんどん活用するべきだと思います。

 そこでこちらの記事では、マンガ持ち込みのレポートとともに、「持ち込みが怖い!」と思っているマンガ家予備軍の方々に向けて、持ち込みの意義についても考えていきたいと思います。投稿して悶々とするよりも、ガンガン持ち込んでいち早くデビューを勝ち取りましょう。

原稿完成!電話でアポをとる

 ロイ氏が得意とするのは「カワイイ系の絵」「ホラー」「ギャグ」の3つ。それらの要素を盛り込み、ボクがストーリーラインを考案。ラフまで描いて、残りの仕上げをロイ氏にお願いするというカタチで作品を仕上げました。これぞリアル『バクマン。』!(よく知らないけど)

 原稿が完成したので、さっそくいくつかの出版社に電話することに。「どうせ載るなら大手だよね」との安易な考えから、いくつかの青年誌を購入。持ち込みに関するページを探し、電話でアポをとりました。とりあえず4社。対応は普通の会社と変わりませんでした。

 最初はネットで問い合わせ先を探したのですが、なかなか見当たらず。わざと載せてないのかもしれませんね。まあ、これから載せてもらおうっていう雑誌を買ってもいないというのは失礼な話だと思うので、持ち込みをするなら対象の雑誌を買いましょう。

持ち込みレポート1:大手出版社S社

 まずは1社目。当初は12時からの予定でしたが、前日に電話があり、11時に変更になりました。最寄り駅に着いたのは15分ほど前。エレベーターであがり、受付へ。受付には3人ほど受付嬢が。大手出版社の場合、だいたいそのくらいはいるようです。

 受付の人に「11時から◯◯様とお約束させていただいております山中です」と言うと、「それでは、あちらの紙に必要事項を記入してください」とのこと。「日時」「名前」「住所」「電話番号」「約束している相手の部署名と名前」を記入し、再度、受付へ。

 「かしこまりました。それでは、あちらにお掛けになってお待ちください」。受付横のフロアで待つことに。10分後、編集者さん登場。「お待たせしてすみません。それでは、あちらのブースで拝見させていただきます」と言われ、ブースに移動。

 「ではさっそく、マンガを見せていただけますか?」。「実はボク、原作を考えていまして、作画は別の者がしています」などの事情を説明。もっと驚かれるかと思いましたが、「そうなんですね」といった感じでした。多いんでしょうかね、分業。

 そしていよいよ、マンガを見てもらうことに。「くすっとぐらいしてもらえるかな」と思っていましたが、くすりともせず、読み終えていました。そして、さまざまな観点からダメ出しをいただきました。言及内容をまとめると、おおむね次のとおり。

・賞を狙うなら続き物っぽくしない。読み切り風にする
・なるべく完成物をもっていく(完成原稿は1枚だけでだったので……)
・キャラクターに感情移入できるよう、しっかりとつくり込む
・読者にとってストーリーはどうでもいい
・雑誌に合うことを狙うよりも、自分が好きなものを描く

 いやね、いずれも的確なアドバイスですよ。これらを踏まえて、次回作をつくり込んでいこうという気持ちになりました。これを「ボロクソ言われた」だけで終えちゃうのは、実にもったいない。面談時間はトータルで正味20分ほど。いやはや勉強になりました。

持ち込みレポート2:大手出版社K社

 続いて2社目。お約束は14時から。その前のS社で「完成原稿じゃなきゃ評価できない」と言われていたので、少し気持ちが重かったものの、とりあえず時間どおりに参上。S社同様、受付で受付シートを記入し、エレベーターで階上へ。

 通されたのは、編集部の横にあるスペース。大仰なファイルに原稿を入れて、なにやら熱心に編集者と話している女流マンガ家もいれば、いかにもマンガ家っぽい男性の方、あるいはグラビアの営業っぽい女子高生とマネージャー(推測ですが)もいて、にぎやかでした。

 10分ほど待っていると、編集者さん登場。なんと、となりで女流マンガ家さんと話していた方でした。しかも、名刺のやりとりをしていたようなので、きっとデビュー間近なんでしょうね。さて、ボクらのマンガを見てもらった結果は……。以下、いただいたアドバイスです。

・もっと絵の良さを生かすべき
・話の展開が飛びすぎている
・ストーリーではなく、絵を中心に描く
・線をキレイに描く(見ていて気持ちのいい線を目指す)
・カワイイ系の作家さんを研究する

 ボクがぼんやりと考えていた問題点と合致した部分もありつつ、さらに的確な指摘。先ほどのS社の編集者さんとはまた違った観点からアドバイスをいただけて、またもや勉強になりました。次回作の構想についても、この段階でぼんやりと浮かぶほどに。

 ちなみに、S社の編集者さんも、K社の編集者さんも、帰りがけ、ちゃんと見送ってくれました。最後のS社の編集者さんだけ、「じゃあ、よろしくお願いします」と言ってすぐに帰っちゃいましたが、ぞんざいな対応はされませんでした。しかも、K社ではお茶までだしていただいて……。

持ち込みレポート3:大手出版社S社

 そして3社目。先ほどK社にいた女子高生とマネージャーに遭遇。あらためて、日本は狭いなということを実感しました。受付でのやりとりは前2社と同様。ただ、S社の場合はブースが1階にあったので、受付からの移動距離は少なくて済みました。

 5分前ぐらいには着席していたのですが、編集者さんはなかなか来ません。その間、となりで同じく持ち込みをしていた方のやりとりに、耳をそばだてていました。マンガ家志望の方はかなり寡黙みたいで、編集者さんにかなり“詰められていた”ようです。

 曰く「これじゃ普通すぎるよ」、曰く「話と絵がマッチしていない」。マンガ家志望の方が黙っていたので、編集者はまくし立てる一方。ショックだとは思いますが、話の内容をしっかりと持ち帰り、次回作に生かしてもらいたいですね。じゃないと意味ないですよ。

 20分ほど経過し、編集者さん登場。これまでの2社と同様に、原作と作画のことについて簡単に説明し、マンガを見てもらうことに。これは3社とも同じですが、読んでもらっているときの間は、なんとも耐え難いものがありますね。でも、みなさん、本当に真剣に見てくれますよ!

 そして、S社の編集者さんからいただいたアドバイスがこちら。

・現状、「作家が描きたいもの>読者が読みたいもの」になっている
・狙いを明確にする(ほっこりしてもらいたいのか。怖がらせたいのか)
・話に脈略がないと、20〜30代のターゲットは納得しない
・ユルい絵でいくのなら、内容を突き詰めるべき
・同じような絵で、売れているマンガについて分析してみること

 いよいよ、やるべきことが見えてきました。

持ち込み時の注意点

 この日の持ち込みは3社で終了。すでにアポをとっている1社は別日なので、追加でレポートを加えるかもしれません。まあ、言われそうなことは想定済みなので、こちらからすこし捻った質問をしなければと、いろいろ考えているところです。

 さて、とりあえず3社に持ち込みをしてみて、注意点としては以下のことが挙げられます。

・大手は受付で「来社シート」を書く必要がある。現地には早めに入ろう
・編集者は遅れてやってくる(10~20分)。いちいちカリカリしないように
・周囲には他にも持ち込みの人がいる。聞き耳を立てて参考にしよう
・編集者の人たちはいかにも「インテリタイプ」が多い。鋭い指摘に耳を傾けよう
・「これ載りますか?」ではなく、「どうやったら載りますか?」を聞こう

 やっぱり、マンガもまたビジネスなんですよね。雑誌に載せるということは、それが雑誌の売上げに貢献しなければならない。そのためには、一定のクオリティを確保していることは当然として、読者に読まれるマンガである必要がある。そのように考えれば、持ち込みの意義は大きいです。

 なぜなら、持ち込みによって、現場の人からナマのアドバイスをいただけるチャンスは、他にないからです。『ドラゴン桜』で有名なマンガ家の三田紀房氏は、親戚にマンガ家の方がいたためにアドバイスをもらえたそうですが、ふつうの人はそんなチャンスありません。

 では、どうすればいいか。持ち込みですよ、やっぱり。門戸は開かれています。どの雑誌を見ても、大抵は「持ち込み歓迎」となっていますし、やはり雑誌が売れなければ困るわけですから。新人発掘も重要な仕事なんですよね。そのために、ボクらはどう貢献できるのでしょうか。

持ち込みで心が折れてしまう人の特徴

 マンガ持ち込みの意義についてはすでに述べたとおりですが、最後に、持ち込みで心が折れてしまう方の特徴について言及しておきます。これ、なんとなく「就活で企業を逆恨みしてしまう人」と同じ発想のような気がするのです。

 もちろん、マンガ家にもいろいろな人がいると思います。ただ、共通しているのは、自分のマンガに絶対の自信を抱いていること。じゃなければ、人に見てもらおうなどと思わないはずです。その絶対的な自信が、持ち込みによって打ち砕かれてしまう。その結果、「ボロクソに言われた」となってしまうのです。

 大切なのは発想を変えることではないでしょうか。企業が人を採用するときでも、出版社がマンガを評価するときでも、考えているのは「自社のプラスになるかどうか」ということ。必ずしも、絶対的な(人格や画力そのものの)評価をしているのではないはずです。

 もちろん、社交辞令を真に受けてしまうのはどうかと思いますが、読者(顧客)のことを第一に考え、先達の作品を真摯に研究し、どうやったら読まれるかを突き詰める。その先にはじめて、目標達成(採用や連載獲得)があるのではないでしょうか。

 だからこそ、ボクは持ち込みをやめるつもりはありません。「持ち込み歓迎」をフルに活用させていただき、優れた作品を生み出す努力をしてまいる所存でございます。マンガ家志望のみなさん。マンガの持ち込みは、デビューへの最短距離だと思いますよ!

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