読まれる文章には、共通点があります。それは「書き出しがうまい」こと。
どんなにタイトルが魅力的でも、最初の数行で読者の心をつかめなければ、すぐに離脱されてしまいます。特に、ブログやメルマガ、広告コピーなど“レスポンスを目的とした文章”では、書き出しが命といっても過言ではありません。
あなた自身も、つまらない冒頭のせいで最後まで読む気が失せた記事や本が、きっとあるはずです。
では、どうすれば「続きを読まずにいられない書き出し」が書けるのか?
今回は、伝説的コピーライター、ジョン・ケープルズの著作『ザ・コピーライティング』を参考に、効果的な書き出しの“型”を7つご紹介します。
効果的な書き出しに共通する特徴
まずは、優れた書き出しに見られる共通点を確認しましょう。
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具体的である
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簡潔で読みやすい
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事実をベースにしている
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形容詞が少ない
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好奇心をかき立てる
この5つを意識するだけでも、冒頭の質はぐっと上がります。
書き出しに使える7つのテクニック
ここからは、ジョン・ケープルズが提唱した「効果的な書き出しの型」を具体例とともに紹介していきます。
1. ハッとさせる
読者の意識を引き寄せるには、冒頭に「意外性」や「ユニークさ」を持たせるのが効果的です。ちょっとした驚きで、「お?」と思わせたら勝ちです。
例:
・今この瞬間も、あなたの体内では数十兆の細胞が働き続けている。
・“味覚”が、いま世界最大の産業を動かしているとしたら──?
2. ギョッとさせる
「ハッとする」よりさらに強いのが「ギョッとする」書き出し。思わず二度見したくなるような衝撃的な事実や数字を提示しましょう。
例:
・今朝、アメリカでは昨日より8,000人多くの赤ちゃんが生まれた。
・ある詐欺師は、犯罪を犯す前に必ず弁護士に会っていた──。
3. ニュース風の書き出し
人は「最新情報」に本能的に反応します。ニュースっぽい書き出しにするだけで、関心を引くことができます。
例:
・突如として、10億ドル市場がミシシッピ川沿いに誕生した。
・ある大学で起きた、心温まる出来事とは──?
4. 予告する
冒頭で「これから何を語るか」を提示する方法です。「自分に関係あるかも」と思わせることで、読者の興味をつなぎとめます。
例:
・15年前、マネコガネを駆除する手段は存在しなかった。だが今では──。
・夢には、あなたの深層心理が現れているかもしれません。
5. 印象的な引用を使う
有名人の言葉や格言には力があります。書き出しに引用を使うことで、文章全体に説得力を持たせることができます。
例:
「もし財産と能力のすべてを失い、1つだけ残せるとしたら、私は“言葉の力”を選ぶ」
──ダニエル・ウェブスター(米国政治家)
6. エピソードを語る
人はストーリーに引き込まれる生き物です。実話やエピソードから始めることで、自然に読み進めてもらえます。
例:
・真夜中のシカゴ、サウスサイド。警察署に一人の男が現れた。
・ある神経外科医が、7時間の手術で見た“脳の神秘”とは──。
7. タイトルと連動させる
タイトルで惹きつけた読者に対し、その続きとして書き出しを配置します。ベネフィット(得られるメリット)を端的に伝えるのがポイントです。
例:
タイトル:「公務員という選択」
・ストライキも不況も関係ない。安定収入を求めるなら、公務員という道がある。
まとめ:書き出しの力を侮るなかれ
書き出しが弱いと、どんなに良い内容も読まれません。
反対に、冒頭さえ読者の心をつかめれば、文章全体をしっかりと読んでもらえる可能性は高まります。
今回紹介した7つのテクニックをうまく活用し、あなたの文章を“最後まで読まれる文章”へと進化させてください。
参考
文章力を磨きたい方は、ぜひ一度読んでみてください。
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