書籍出版によってブランディングしたいとは考えているものの、自分には「本になるようなネタなどない」「原稿を書いている時間がない」などの理由で躊躇している方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし実は、「ネタがない」「時間がない」というのは、書籍を執筆するライター(ブックライター)を使うことで簡単に解消できる課題なのです。
そこで今回は、経営者・個人事業主を助けるブックライターの仕事と存在意義について、解説します。
誰にでもコンテンツはある
まず、基本的な考え方ですが、人は誰でもコンテンツを持っています。まったく同じ人生を歩んでいる人などいませんし、同じ出来事でも生まれる感情や思いは十人十色なので、誰もがオリジナリティのあるコンテンツを持っているはずです。
自分の顧客やターゲットは何に困っていて、何を知りたいのか。それを解決するにはどうすればいいのかという答えの提示方法も、一人ひとり違うはずであり、こだわっているポイントがあるはずです。そこに一経営者であり、一個人事業主の方々が出版する意義があると考えられます。
加えて、本というのは、本質的には同じことを、違う言い方で伝え直していることが多いものです。エピソードや言葉の表現方法が違うだけで受ける印象は違い、読者への響き方が違うため、どのように伝えるかが非常に重要です。
ブックライターとは何者なのか
ブックライターとは、著者のコンテンツを引き出し、著者に代わって文章化する人のことです。構成やインタビューは編集者と一緒に行うことが多くなりますが、具体的に本になる文章を書くのはブックライターです。出版社の方は単にライターと呼ぶことが多いですね。
一般にゴーストライターと呼ばれたりもしますが、作曲家のゴーストライターなどと違うのは、コンテンツはすべて著者が考えていることだということ。ライターが勝手に創作するわけではありませんので、何かに違反しているわけでも、ずるいことをしているわけでもありません。
ビジネス書の多くはブックライターによる執筆ですが、「ゴーストライター」という名前のあやしさゆえか、この存在はあまり知られていないのが実情でしょう。
多くの経営者がブックライターを活用する3つの理由
では、なぜ多くの経営者がブックライターを利用しているのでしょうか。主な理由は次の3つです。
1.文章力や構成力
作家やコンサルタントなど一部の職種を除き、経営者の仕事は文章を書くことではありません。メルマガやブログなどをご自身で書いた経験のある方なら、理解していただけると思いますが、良い文章は、日頃から書く習慣がない人が突然書けるものではありません。
「さあ、書こう!」と思っても、なかなか文章が前に進まないのが普通なのです。
ライターであれば文章化には慣れていますし、文の前後を違和感なくつなげていくことも得意です。また、これまでの経験から、出版までのプロセスや書籍内容の構成も良く知っており、スムーズに執筆することができます。
2.原稿を書く時間がない
経営者には、本業に時間をとられ、そもそも原稿を書く時間がないことも少なくありません。本業をおろそかにするわけにはいきませんが、原稿がなければ本は出せませんし、本は出すべきタイミングで出せないと、本業にとっても大きな機会損失になります。
そのため多くの経営者の方々は、ライターに依頼してすばやく執筆してもらうことを選んでいます。
3.インタビューによる引き出し効果
培ってきた知見を書籍化したいと思ったときに、自分だけで出そうとするより、人に聞かれたことに応えるやり方のほうが、多くのことを引き出せます。
またインタビューでは、編集者やライターが第三者的な目線で質問するため、自明の理と思っていたことでも、言葉にしてみるとうまくまとまっていなかった、ということを発見することができます。
中には原稿を自分で書く場合にも、コンテンツ出しのために編集者にインタビューしてもらう著者の方もいます。そのくらい、他人に質問されることは自分の考えをまとめるのに効果的なのです。
活躍するブックライター
上阪徹さんのように、ブックライターとして活躍している方もたくさんいます。そもそも「ブックライター」という名前が広まったのは、上阪さんの著書である『職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法』から。本書にはブックライターという仕事の内容や心構えがあますことなく書かれています。
ちなみに、ブックライターとして書籍にかかわった人の名前は、書籍内のどこかに「編集協力」「構成」などの形で載っています。気になった本があれば、誰が書いたのかチェックしてみると良いと思います。
まとめ
本になるネタは誰でも持っているものであり、それをインタビューで引き出し、文章化してくれるライターもいます。
多忙な中で出版する経営者の方々は、ぜひ優秀なライターと協力して、一番良いタイミングで出版を実現してもらいたいと思います。
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