レポートの書き方をマスターすることは、「情報化社会」の現代において、非常に重要なことです。なぜならレポートの作成能力は、情報を扱うスキルそのものだからです。
レポートの正しい書き方を熟知していれば、氾濫する情報の中から正しいものだけを取捨選択し、まとめ、他人に伝えることができます。
しかし、レポートの書き方を知らなければ、間違った情報を得てしまい兼ねないばかりか、煩雑な情報の波にのまれてしまうことも少なくありません。
そこで本稿では、本書『レポートの組み立て方』で紹介されている“欧米式レポートの書き方”について学んでいきましょう。コツをつかめば、誰でも書けるようになります。
レポート教育の重要性
本書で紹介されているのは、欧米諸国において、研究レポートの授業が進んで行われているということ。欧米では、レポートを書かせる授業が多いのですね。
それと比較して、日本の学校では、レポートを書かせることが少ないとのこと。もちろん、現代では事情が変わっているものの、欧米並みの水準までは到達していないでしょう。
レポートを書くことは、文章力を高めることはもちろん、論理的思考を養うことにもつながります。そしてそれらが、社会人にとって重要であることは言うまでもありません。
その点、レポートの書き方を学べるレポート教育は、とても大事なのですね。
欧米式レポートの書き方
それでは、本書で紹介されている欧米式レポートの書き方について見ていきましょう。具体的には、「O嬢からの便り」に記載されている、以下の手順となります。
1.話題を確定する
2.主題文を書く
3.参考文献を集める
4.最初のアウトラインをつくる
5.ノート・カードをつくる
6.決定版のアウトラインをつくる
7.レポートそのものを書く
8.文献表と参考書目録
9.仕上げ
それぞれの詳細について見ていきましょう。
1.話題を確定する
設定したテーマ(与えられた課題)をもとに、より詳細な話題へと絞り込みます。話題が大きすぎることのないよう、できるだけ、話題を絞り込むのがポイントです。
2.主題文を書く
次に、主題文を書きます。主題文とは、このレポートがどのような話題についてどういうことを書くのかを明示した文のこと。この主題文がレポートの書き出しになります。
3.参考文献を集める
次に、主題に関連する文献を集めます。書籍は図書館や大型書店にて、論文や雑誌記事はインターネットからも入手できます。また、集めた本の情報はカードにまとめておきます。
4.最初のアウトラインをつくる
次に、アウトラインをつくります。アウトラインとは、「序論」「本論」「結論」というようなレポートの骨組みのことです。この段階では、大ざっぱなアウトラインで構いません。
5.ノート・カードをつくる
次に、レポートを書く準備として、ノート・カードをつくります。カードには、「書名」「記事の中身(要約、原文等)」「項目」などを記入し、項目別にまとめておきます。
6.決定版のアウトラインをつくる
カードづくりを終えたら、レポートの詳細な組み立てを示す、決定版のアウトラインをつくりましょう。主に本論の詳細な中身を設定していきます。
7.レポートそのものを書く
決定版のアウトラインができたら、実際にレポートを書いていきます。ノート・カードを活用し、情報を配列・連結させます。事実と根拠を提示することで、資料に語らせましょう。
8.文献表と参考書目録
レポートでは、引用した記事の出所を明記しなければなりません。文献表をつくり、引用番号順に列記します。また、利用した本は、参考書目録として最後に付けます。
9.仕上げ
最後に、できあがったレポートを読み返します。誤字脱字のチェックはもちろん、必要があればさらに手を入れて、最終的に完成させます。
まとめ
あらためて、本書で紹介されている欧米式レポートの書き方は次のとおりです。
1.話題を確定する
2.主題文を書く
3.参考文献を集める
4.最初のアウトラインをつくる
5.ノート・カードをつくる
6.決定版のアウトラインをつくる
7.レポートそのものを書く
8.文献表と参考書目録
9.仕上げ
もっとも、これらの手順は、本書で木下是雄先生が提唱しているレポートの書き方とは、若干、異なっています。それぞれを比較してみるのもおもしろいでしょう。
その他にも本書では、レポートを書くためのヒントがたくさん紹介されています。ぜひ、興味のある方は、手にとってみてはいかがでしょうか。
コメント
[…] 欧米式レポートの書き方 […]
[…] 欧米式レポートの書き方 […]
[…] 欧米式レポートの書き方 […]