出版を考えはじめたら知っておきたい、企業出版の流れとは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

書籍を出版することによりブランディング効果を狙うことを、出版業界では「企業出版」「ブランディング出版」などと呼んでいます。

書籍を扱う出版社に専門の部署がつくられている場合、専門の子会社がつくられている場合など、形態はさまざまですが、出版したい企業や経営者を助けてくれる存在です

出版を考えはじめたときに知っておきたいのは、実際に行う作業の流れと、かかる費用や期間。そこでここでは、一連の流れをまとめていきます。

企業出版における依頼から発売までの流れ

出版するまでの流れを企業出版(ブランディング出版)を行っている出版社数社のHPから、調べてみました。

契約から出版までに要する期間は約6~8か月というところが多いようです。では、準備段階から順にみていきましょう。

①ヒアリング~企画提案

まずは、出版社の担当と出版意図やニーズ・具体的な書籍の内容・発売希望時期などを話し合います。このとき自社の事業内容や規模、特徴・PRポイントなどをくわしく伝えておくことが大切です。

また、それぞれの出版社に得意分野や流通力に差があるため、必要に応じて複数社と面会し、どの出版社から出せば自社の企画が生きやすいかを考えながら行っていきます。

通常、複数回のヒアリング後、出版社からの企画提案があります。ヒアリング時に伝えた目的や読者ターゲットがずれていないかはもちろん、本質的に自社を理解しているか、戦略的に本をつくり、売ってくれるかといったことも注意して聞いておきたいところです。

ここで発行部数やレイアウト、文体、目次構成などもある程度決めます。そして、最も自社とマッチする出版社に決めていきます。

②取材~原稿作成

出版社と企画概要が決まれば、取材・原稿作成に入ります。構成案をもとに編集者やライターが複数回にわたりインタビューをして、原稿のネタを出していきます。多くの場合、最低でも10時間ほど(2時間×5日間)のインタビューを受け、原稿がつくられます。

原稿に必要なデータや図表、写真などもこの時に洗い出します。取引先や顧客の声を取り入れる場合は、取材にも同行します。

また必要に応じて、撮影も加わります。リアルな人物が見えた方がいいと判断されれば、表紙や帯、本文の間に著者の写真が使われることも多くあるのです。

この原稿作成作業には2~3か月要すると考えておいた方がよいでしょう。

③編集~デザイン・校正

原稿ができあがったら、編集・校正作業に入ります。できあがった原稿に対して、事実関係に誤りはないか、表現方法などにも気を付けながら細かくチェックします。

また、追加の取材や補足資料の提出などを求められる場合もあります。最初に企画された構成案とかけ離れていないか、目的に合致する内容かということも合わせてみていきましょう。

直してほしいところなどを指摘し、修正後、またチェックするという作業を通常複数回繰り返します。読者に正しく伝わる内容になるまで、何度も目を通していきます。同時に、カバーデザインやレイアウトも確定します。

④印刷製本~発売・プロモーション

原稿が仕上がったら、いよいよ入稿印刷・製本され、書店に並べられる姿で本が出来上がります。出来上がりの見本を確認し、OKであれば、発売となります。

書籍は書店に並べられ、各出版社によってプロモーション活動を行います。店頭PRやほかの媒体との連携、いかに多くの書店においてもらえるかどうかなど、出版社の実力が試される部分ですが、著者としてもこだわりをもって、プロモーションに協力しましょう。

※参考URL

・幻冬舎メディアコンサルティング
http://www.gentosha-mc.com/service/flows/
・日経BPコンサルティング
https://consult.nikkeibp.co.jp/contents/custom-books/process/
・クロスメディア・マーケティング
https://cm-marketing.jp/flow
・東洋出版
http://www.toyo-shuppan.com/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E5%87%BA%E7%89%88/#blanding_menu2

文章化はライターにおまかせする

「取材・原稿作成」の項目で、ライターがインタビューを行うと書きましたが、現在発行されている本の多くが、(ブック)ライターによる執筆なのです。経営者の頭の中にあるコンテンツを、外に出し、一般の人にも伝わる文章にするのがライターの仕事。

ライターは出版社や編集者で用意することもあれば、著者がすでに何冊か出している場合は、ぜひ同じ人に書いてほしいとお願いすることもできます。

原稿が書けないのではないか……と不安を感じている経営者や個人事業主の方は多いと思いますが、文章化はライターが行うものなので、自分のコンテンツを出すことだけに集中できるのです。

費用は問い合わせてみるのが早い

最後に費用ですが、これはほとんどの出版社で公表していません。企画内容や部数によっても違いますが、最低でも200万円以上、大手だと500万円~などで考えておいた方がよいでしょう。費用の額だけでなく、「費用対効果」を考えて出版社選びをすることが大切です。

まとめ

出版までの一連の流れは以上です。半年以上かかるのが普通なので、企業の成長なども見極めて良いタイミングで出版することが大切です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です