具体的かつ明確な根拠が大事! 非論理的と論理的のちがい

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「すばらしい」「感動した」「心をうたれた」。このような形容詞を使っているキャッチコピーはたくさんあります。なんだかわからないけど、価値がありそうに感じてしまいます。

しかし実際には、それらの形容詞は、具体的になにかを表しているわけではありません。主観的な感想を述べているだけにすぎず、論理的な説明であるとは言えないのです。

このように、非論理的なものと論理的なものとのあいだには、大きな違いがあります。ポイントは「具体的かつ明確な根拠」です。詳しくご説明いたしましょう。

抽象的な言葉は非論理的

冒頭で紹介したような形容詞は、対象物に対して、具体的に評価を与えているわけではありません。ただ、自分が思ったことを、感想としてそのまま述べているだけなのです。

たとえば、「わが社の製品は本当にすばらしいんですよ」「感動する性能をお試しください」と言われれば、なんとなくいい製品であるかのような印象を受けます。

しかし、「すばらしさ」の評価は人それぞれ。他の製品よりも機能が優れているのか、従来のものよりもデザインがいいのかなど、千差万別です。なにに感動するかも同様です。

あいまいな言い回しをなくそう

そのような「あいまいな言い回し」は、感情に訴えかけることはできても、論理的であるとは言えません。ですので、論理(ロジック)であいてを説得したい場合には不適切です。

もっとも、あいまいな言い回しをなくすことは、決してむずかしいことではありません。ポイントは「具体的かつ明確に」。そして、なるべく簡潔に述べる努力をしてみましょう。

ムリに長い文章を書こうとすれば、それだけあいまいな言葉を使うことになります。シンプル・イズ・ベストを意識して、具体的・明確・簡潔をめざすことが大切です。

感情的な意味合いが強い言語もNG

また、感情的な意味合いが強い言語にも気をつけましょう。政治家のスピーチなどでは、聴衆を扇動するために使われますが、論理的であるとは言えません。

たとえば、「衰退してしまったわが国の栄誉を取り戻すために、ともに頑張ろうではありませんか!」などの言葉は、感情的ではありますが、具体的になにを言いたいのかは不明確です。

「衰退してしまったとは?」「栄誉を取り戻すとは?」「ともに頑張るとは?」。どの言葉ももっともらしい響きがあるだけで、具体的かつ明確な根拠にはなり得ません

まとめ

感情的な言葉に代表されるように、非論理的な話にばかり気を取られていると、その裏にある本当の狙いがみえてきません。つまり、真実を見抜くチカラが衰えてしまうのです。

つい耳に心地よい言葉にまどわされて、ただしい選択ができないことがあると思います。しかし、騙されてしまってから後悔しても遅いのです。では、どうすればいいか。

非論理的と論理的との違いを理解し、「具体的な内容があるか」「明確な根拠をともなっているか」などとチェックしてみること。それが、ただしい判断への軸となるのです。

参考文献

論理的に書くためのルールブック

ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル

非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?

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