インタビューを成功させるための質問力を磨く方法とは

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インタビューは聞き手であるインタビュアーが、いかに相手から話を引き出せるかが要になります。そのためには取材前の雑談や、インタビュー中の話の聞き方が大事という話もしましたが、今回は「質問力」というところにスポットを当ててみたいと思います。

相手から話を引き出すには、会話を盛り上げる必要があります。でも自分の話をして会話を盛り上げても、相手はだんだん退屈してしまう。そこで大切なのが、いい質問をして会話を盛り上げるという方法です。

インタビューをする時には、「トーク力」ではなく、「質問力」が大切になります。そこで今回はインタビューを成功させるための質問力の磨き方をご紹介します。

質問力を磨くための4つの方法

質問力をより高めるには、次の4つのポイントを意識しておきましょう。

1.事前準備で質問内容を練る

インタビューの成功は、取材前の下準備でほとんどが決まるといっても過言ではありません。取材対象者のプロフィールや経歴を調べるのはもちろんのことですが、質問内容を事前にしっかりと考えておくこともとても重要です。

ここを曖昧なままにしておくと、取材当日に「聞きたいことを聞けなかった」という事態に陥ってしまうこともあります。

取材対象者について調べた後に、「どんな切り口で質問するか」を考えて質問項目をつくっていきましょう。最終的にどんな答えにたどり着けばいいのかを意識しながら、構成を考えてみるといいと思います。

2.答えをシミレーションしておく

質問項目ができたら、相手からどんな答えが返ってくるかをシミュレーションしてみましょう。慣れている人は大丈夫だと思いますが、インタビュー初心者やまだ経験が浅い人には特におすすめの方法です。

相手の答えに対して、「なるほど」「そうですね」などの返事だけでは話は広がりません。

「この商品をつくったきっかけは何ですか?」
「本を読むときに不便を感じてこの商品を作りました」

このような答えが返ってきたら、「どのような不便を感じましたか?」と相手の答えの中からまた質問を考えていく、という流れをつくるようにしましょう。すると、どんどん会話に広がりができてくるはずです。

こうしたシミュレーションは、質問力を磨くいいトレーニングになるので、ぜひ実践してみてください。

3.オープンクエッションを増やす

質問するときには、オープンクエッションを心がけること。オープンクエッションとは、相手が自由に返答できる質問のことです。YES、NOで答えられるクローズドクエッションが続くと、一問一答形式になってしまい、会話に広がりができません。

特に話を掘り下げたい場合は、5W1Hを意識して質問を考えていくこと。5W1Hは「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」のことです。

例えば、5W1Hを使って質問すると以下のようになります。

「この商品を開発したきっかけは?」(Why)
「本を読むときに不便を感じたからです」
「どんなところに不便を感じましたか?」(What)
「ページをめくりにくいところです」
「ページをめくりやすくするために、どのような方法を思いついたのですか?」(How)

このように会話を広げていく時に、5W1Hの質問方法はとても役に立ちます。質問項目を考えるときの参考にしてみてください。

4.取材対象者を好きになる

テクニックも必要ですが、最終的には「取材対象者にどれだけ興味がもてるか」が大事です。興味をもつために、相手のことを好きになること。

好きになった相手のことは、どんどん知りたいという気持ちがわきます。「どんな質問をしようか」と悩む前に、「こんなことが聞きたい!」という気持ちになるはずです。

プロフィールや過去の記事、書籍、SNSなどをチェックして相手のことを調べていけば、「どんな人生観なのか」「好きなものは何なのか」がおおよそ分かってきます。その中であなたが「好きだな」と思えるところを見つけてみましょう。どんな人にも良い所は必ずあります。

その部分を見つけて、相手を好きになることがインタビューでは一番大事なことかもしれません。

まとめ

上記4つのポイントを見てもらうと分かるように、インタビューを成功させる質問をするには事前準備がとても大切です。言い換えると、準備がきちんとできていれば、インタビューはほぼうまくいくということです。

まずは取材対象者を好きになる。そのうえで構成を考えて、しっかりとシミレーションすれば、あとは実践を重ねるしかありません。インタビュー当日は笑顔を心がけ、肩の力を抜いて取材にのぞみましょう。

自分の緊張は相手にも伝わります。お互いがリラックスした気持ちで取材ができるように、まずは雑談から始めてみるのもいいかもしれません。「きちんと準備をしてきた」という自信をもって取材に取り組めば、過度な緊張もなくなるでしょう。

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