インタビューの取材相手は、ほとんどの場合が初対面の人です。インタビュアーは会って間もない人から出来るだけ話を掘り下げて、聞きたい情報を引き出さなくてはいけません。そのためにインタビュー前はちょっとした雑談をするのがオススメ。
あいさつをした後にすぐに「では、早速……」と切り出されると、相手も少し身構えてしまうかもしれません。相手の緊張をやわらげて、場の雰囲気を和ませてからインタビューに臨む方が話の弾み具合も変わってくるでしょう。
そこで今回は、会話を弾ませる雑談で気をつけたいポイントをご紹介します。
雑談力を身につけるための5つのポイント
雑談力を身につけるためには、次の5つのポイントを意識しておきましょう。
1.「相手が主役」を心がける
雑談でもインタビューでも、インタビュアーは聞き役になることが原則です。話のきっかけとして自分の話を持ち出すのはありですが、自分が話す時間が長くなるのは避けましょう。
2.質問の仕方に気をつける
雑談力がある人は、質問の投げかけ方も上手です。相手が「YES」「NO」で答えられる質問(クローズドクエッション)ではなく、相手が自由に答えられる質問(オープンクエッション)を考えること。
クローズドクエッションは話を広げるのが難しく、一方的にこちらが質問するだけになってしまいがちです。それに対してオープンクエッションは答え方の自由度が高く、話を広げるためのキーワードが出てきやすくなります。
「どんな質問をすればいいのか分からない」という人は、プロセスを聞いてみましょう。例えば、「趣味は何ですか?」という質問に対して「釣りです」と返ってきたら、釣りが趣味になったきっかけや理由などを聞いてみると話がどんどん広がっていきます。
この「なぜですか?」という問いかけを繰り返していくことで、話が途切れることも減ってくるでしょう。
3.相手の話を否定しない
人は自分の話を否定されると、気分を害します。それが正しい、正しくないに関わらず、自分自身を否定された気持ちになるのは、みなさん同じではないでしょうか。
相手に不快感を与えてしまっては、その後のインタビューにも支障をきたします。雑談はあくまでも場を和ますものであって、意見をぶつけ合う場ではありません。相手の言葉は受け流すようにしましょう。
4.だらだら話さない
緊張をほぐすための雑談も長すぎるものはNGです。延々と世間話を続けていると、「無駄話が多い」という印象をもたれてしまい、かえって印象が悪くなってしまいます。
インタビューをする相手の中には、分単位でスケジュールをこなす多忙な人もいるかもしれません。そんな相手にとって、長すぎる前置きは「ストレスになりうる」ということも頭の片隅においておきましょう。
5.笑顔を心がける
最後に忘れてはいけないのが、表情です。自分が強張った表情をしていると、相手にもそれが伝わってしまいます。「相手は自分を映す鏡」と聞いたことはありませんか?
これは自分が笑顔でいれば、相手も笑顔になるということです。緊張してつい顔が引きつってしまう人も、インタビュー前には頬のマッサージをして口角を上げてみましょう。
雑談のときに使えるネタ
「何を話せばいいか分からない」という人は、雑談の鉄板ネタを覚えておくのがおすすめです。よく使われているのは以下の話題です。
・天気、気候(「最近寒くなってきましたね」「紅葉の季節になってきましたね」)
・最近話題のニュース(「○○社が合併するそうですね」)
・健康、美容(「○○さんは○○ですが、何か気をつけていることはあるんですか」)
・趣味(「○○がお好きだと聞きましたが……」「おすすめの○○はありますか」)
・場所(「駅前に商業ビルが建設されるみたいですね」)
あくまでも一例ですが、これらを参考にクローズドクエッションを交えて、会話のシミレーションをしてみてください。
まとめ
インタビューをする相手とは、初対面であることがほとんどです。取材時間も限られています。インタビュアーはその短い時間の中で、いかに相手と信頼関係を築き、情報を聞きだせるかが大切になります。
インタビューに入る前のちょっとした雑談は、その潤滑油になるでしょう。どうしても緊張してしまう人は、いっそその事を話してしまうのも一つです。強張った表情をしていても、「緊張しています」という一言があれば、相手の反応は変わってくるでしょう。
もしかしたら「私も緊張しているんです」となり、そこでお互いの緊張がほぐれるかもしれません。自分や相手の緊張をやわらげてからインタビューに臨むと、返ってくる言葉も変わってきます。
どんな方法でもかまわないので、自分にとって「これだ」と思うものを探してみましょう。
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