インタビューをしていると、「相手の話が脱線する」「会話が続かない」などの困った経験はありませんか?
インタビュー取材では、こちらが知りたい情報をいかに引き出せるかが大切です。それは、インタビュアーの手腕にかかっています。しかし、限られた時間内で読者が求める情報を、インタビュイーから聞き出すのは簡単なことではありません。
慣れるまでは経験を積むことが上達への早道ですが、その前に事前に知っておくと役立つ知識もあります。そこで今回はインタビュー時によくある困ったことへの対処法をご紹介します。
インタビューでこんな時はどうする?
インタビュー時における代表的な困ったこと3つの対処法について見ていきましょう。
相手の話が脱線する場合
取材時間は限られています。場の雰囲気を和ますための話や、相手の本音がみられる話なら多少は問題ありませんが、中には取材テーマと全く関係ない話を延々とする人もいるものです。
会話の主人公はあくまでも取材相手ですが、会話の舵取りをするのはインタビュアーの役目。
話の脱線を回避するには、まずインタビュー取材の目的を事前に説明することが一番です。
読者層や、掲載先の媒体はもちろんのこと、質問の意図もしっかりと伝えておくこと。すると、相手もどんな答えを返せばいいか事前に考えられます。取材の意図を把握していないまま取材当日を迎える人は、意外と多いようです。
最初に双方の目的を一致させて共通のゴールを掲げておくと、答えにたどり着くまでの時間が短くて済むでしょう。
また、取材中に会話が脱線してしまったときには、「ところで○○についてなんですが……」という風に切り出して、話を元に戻すように対処していくのがポイントです。
会話が続かない場合
話の最中に沈黙が訪れることに対して、苦手意識をもつ人は多いと思います。気まずい雰囲気になり、「何か話さなくちゃ」とつい自分の話ばかりをしてしまったという経験はありませんか?
普段の会話であれば、それでも大丈夫かもしれませんが、インタビュー取材はそれではいけません。自分の話ばかりで終わってしまっては、記事にする素材が減ってしまい、内容の薄い記事になってしまうからです。
では、この沈黙をどう乗り切ればいいか。その答えは、相手が話し出すのを待つことです。意外に思われた方もいるかもしれませんが、沈黙が苦手というのは実は相手も同じ。沈黙が訪れると、相手も「何か話さなくちゃ」と感じていることが多いのです。
だから、沈黙が訪れたときには「話し出すのを待ちますよ」という姿勢を見せて、相手を見つめているのが効果的です。
それでも相手がなかなか話さないという場合は、「先ほどの話ですが、○○ということでよろしいですか?」という風に今までの話の内容をまとめたり、確認したりしてインタビュアーが話を繋げられるようにしましょう。
相手の話が長い場合
話下手な人よりも、おしゃべり好きな人をインタビューする方が難しいものです。おしゃべり好きな人は、自らどんどん話をしてくれるので、こちらが「何か話さなくちゃ」という状況に陥ることはほとんどありません。
ですが、たくさん話をしてくれる分、会話が全く別の方向へ脱線したり、時間が長くなってしまう傾向があります。相手がよく話してくれるのは、あなたの「聞き方がうまい」ということの裏返しでもある。
聞き上手はインタビュー取材の原則ですが、話が長い人に対しては「いい聞き役ではない仕草を見せる」と効果があります。
例えば、声の大きさやテンポなどを意識的にずらしてみる。すると、相手は話しにくくなり、会話のペースが落ちてきます。ほかには、相手と同じ姿勢や身振りをやめてみる。人は自分と同じアクションをする相手に親近感をもつ傾向があります。
この2つの「いい聞き役」とは逆の行動をすることで、相手が少し「話づらいな」と感じている様子が見えたらそこがポイントです。すかさずそこで、「そろそろ・・・・・・」という風に話の終わりを切り出すようにしてみましょう。
これはよっぽどしつこく会話を続けようとする人におすすめの方法です。しかし、相手に不快感を与えて話を終わらせようとする姿勢は、インタビュアーとしてのあなたの印象が少々悪くなるかもしれません。
個人的には「素敵な話でつい聞き入ってしまいましたが、そろそろ・・・・・・」という風に、相手の気分を持ち上げるような会話のさえぎり方が理想的だと思います。
まとめ
インタビューの取材相手には、いろんな人がいます。話が好きな人、要領を得た話ができる人、話下手な人、寡黙な人…・・・と十人十色。そんな中、インタビュアーはほぼ初対面の人と会話をしていく中で、必要な情報を聞き出さなければいけません。
限られた時間の中でそれを行うのは、とても難しいことです。ときにはインタビュー取材が思うように上手くいかないこともあるでしょう。
しかし先ほどの点に注意しながら、あとは経験を積むことによってインタビュースキルを磨いていけば、きっと上手なインタビューができるようになります。失敗することを恐れず、どんどんチャレンジしていきましょう。