仕事相手をどのように選ぶか。自分で事業を行っている方であれば、誰もが悩むポイントかと思います。もちろん、BtoCの事業ではお客さまを選ぶことは難しいのですが(戦略的にターゲットを絞ることはできても)、ことBtoBとなれば話は別です。仕事を断ることは、それほど難しくない。
仕事相手は“戦略的に”選ぶべき
それこそ、独立・起業当初であれば、来る者拒まずでどんな相手からのどんな仕事でも引き受ける気概はあるかと思います。売上をあげなければならないわけですから。体裁など構っていられません。場合によっては、それが実績になるということもあります。基本的には断る理由は見当たりません。
ただ、そこそこ仕事が受注できるようになってからは、ある意味「顧客を精査しなければならない」必要性も出てくるかと思います。というのも、事業としては右肩上がりで成長しなければならないわけで、いかんせん、その足を引っ張る顧客というのも、事実上、存在しているのですから。
「お客さまは神様」という言葉は、BtoCにこそ適応できるものだと思います。それだけに難しいんですけどね。ただ、BtoBの場合には、やることをやってスジを通しさえすれば、仕事は断ってもいいし、仕事相手を選んでもいい。いや、あるフェーズからはそうするべきとさえ思います。
だってそうじゃないですか。みんなだって、仕事を選んでいるはずです。「体力があるからでは?」。いえいえ、当初から方針を掲げて、事業を行っている企業もありますよ。それで実力がなければただの“お高く止まっているだけ”になってしまいますが、いい仕事をしていればまったく問題ない。
むしろ、八方美人は嫌われますよ。とうより、猫も杓子もない、と思われかねない。「ああ、誰とでも付き合っている企業なんだな」というのは、見る人からみれば、自分の行っている事業に自信がないのかなともとられかねません。それでも相手がまともだったら、まだ良いのですが……。
問題なのは、はじめからビジネス感覚をもっていない相手です。肩書だけはいっちょまえで、いろいろな人脈を抱えていると吹聴している企業、ないしは人物が、自分たちの具体的な実績を提示せず、仕事を発注する際にも相手の仕事に対して知ろうともしなけえば敬意も払わない。
こういう相手と仕事をするのは、時間も労力も、そして精神的にも負担になるだけ。それでも、確率論から言って、20%~30%ぐらいはあたっちゃうんですけどね。自分が成長すれば、それだけ確率も変わってくるような気もしますが。顧客の見極めは、ドライにかつ冷静に。
日本経済新聞出版社
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