【大学レポート】主観的すぎると言われたときの修正法|客観的な書き方への直し方【例文20選】

レポートで“主観を入れすぎた”ときの修正法」という日本語タイトル。青と白を基調にしたデザインで、ノートパソコン・チェックリスト・ペンのイラストが描かれた知的な雰囲気のアイキャッチ画像。 文章実例・参考記事

レポートで“主観を入れすぎた”ときの修正法」という日本語タイトル。青と白を基調にしたデザインで、ノートパソコン・チェックリスト・ペンのイラストが描かれた知的な雰囲気のアイキャッチ画像。

「主観が強すぎます」「もっと客観的に書きましょう」——レポートでこんなコメントをもらったことはありませんか?

主観的すぎるレポートは「感想文」とみなされ、大幅に減点されます。 しかし、主観を完全に消す必要はありません。重要なのは「主観の見せ方」です。

この記事では、主観的すぎるレポートを客観的な学術文章に修正する具体的な方法を、20の例文と実践的なステップで解説します。今日からすぐに使えるリライトテクニックが満載です!


  1. なぜ「主観的すぎる」レポートは減点されるのか?
    1. 大学レポートは「論理的説明」が求められる
      1. 教授が評価するポイント
    2. 主観的すぎると「感想文」になる
  2. あなたのレポートは主観的すぎる?【5秒チェックリスト】
    1. 主観的レポートの5つの特徴
  3. 主観的表現を客観的に変える基本ルール
    1. ルール1:「〜だと思う」を「〜とされる」に変える
      1. 修正例
    2. ルール2:感情語を中立的な学術用語に置き換える
      1. 修正例
    3. ルール3:「私」を主語にせず、事実を主語にする
      1. 修正例
  4. 【実践】主観的レポートを修正する3ステップ
    1. ステップ1:主観的な表現を全て抽出する(5分)
    2. ステップ2:根拠となるデータ・研究を探す(10分)
      1. 根拠の探し方
    3. ステップ3:文章を「事実+分析」の構文に組み替える(15分)
      1. 基本構文パターン
      2. 具体例:修正前→修正後
  5. 主観的表現→客観的表現:置き換えリスト20選
    1. 意見・評価の表現
    2. 感情・評価の表現
    3. 体験・感覚の表現
    4. 推測・憶測の表現
  6. 「主観ゼロ」は間違い!正しい主観の見せ方
    1. 誤解:主観を完全に消さなければならない
    2. 正解:主観を「根拠に基づいた分析」として表現する
      1. 良い主観の使い方
  7. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 「〜と考えられる」も主観的ではないですか?
    2. Q2. 全ての文に出典をつける必要がありますか?
    3. Q3. 「私」という言葉は一切使ってはいけませんか?
    4. Q4. 出典が見つからない主張はどうすればいいですか?
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  9. まとめ:主観を活かして論理的に書く

なぜ「主観的すぎる」レポートは減点されるのか?

大学レポートは「論理的説明」が求められる

大学のレポートは、あなたの「感想」や「印象」を書く場所ではありません。教授が求めているのは、事実やデータに基づいた論理的な分析です。

教授が評価するポイント

  • ❌ 「私はこう思う」という個人的な感想
  • ✅ 「このデータからこう言える」という根拠に基づいた主張

つまり、評価されるのはあなたの意見そのものではなく、その意見を裏づける根拠やデータを示せるかなのです。


主観的すぎると「感想文」になる

主観的な表現が多いレポートは、以下のように判断されます:

  • 「事実と意見が区別できていない」
  • 「データに基づいた分析ができていない」
  • 「学術的思考力が不足している」

結果として、内容が良くても大幅に減点されることになります。


あなたのレポートは主観的すぎる?【5秒チェックリスト】

以下の項目に2つ以上当てはまる場合、あなたのレポートは主観的すぎる可能性があります。

主観的レポートの5つの特徴

チェック項目判定
☐ 「私は〜」「〜だと思う」「〜に感じた」が5回以上ある主観的すぎる
☐ データや出典がほとんどない(3つ未満)根拠不足
☐ 感情的な表現(すごい・悲しい・素晴らしい)が多い評価語過多
☐ 「〜すべきだ」「〜に違いない」など断定的主張が強すぎる
☐ 自分の体験談や個人的エピソードが中心客観性不足

2つ以上当てはまったら、今すぐリライトが必要です!


主観的表現を客観的に変える基本ルール

主観的なレポートを客観的にするには、「根拠」を追加することが最も効果的です。

ルール1:「〜だと思う」を「〜とされる」に変える

感想を述べる表現を、一般的事実を述べる表現に変更します。

修正例

❌ 主観的な表現✅ 客観的な表現
私は地域交流が大切だと思う地域交流は高齢者の孤立を防ぐ効果があるとされる(総務省, 2023)
環境問題は深刻だと感じる環境問題は国際的に深刻な課題として認識されている(IPCC, 2023)
SNSは便利だと思うSNSは情報伝達の効率性において優位性があると評価されている

ポイント: 「思う」「感じる」を「〜とされる」「〜が指摘されている」「〜と評価される」に置き換える。


ルール2:感情語を中立的な学術用語に置き換える

感情的な評価語を、客観的な分析用語に変換します。

修正例

❌ 感情的な表現✅ 中立的な表現
〜はすごく重要だ〜は特に重要視されている
〜は悲しい現実だ〜は社会的課題として認識されている
〜は素晴らしい取り組みだ〜は効果的な施策として評価されている
〜はひどい状況だ〜は深刻な問題として指摘されている
〜が良いと思う〜が有効であるとされる

ポイント: 「すごい」「悲しい」「素晴らしい」などの感情語を「重要」「課題」「効果的」「深刻」に変える。


ルール3:「私」を主語にせず、事実を主語にする

文の主語を「私」から「データ」「研究」「事実」に変更します。

修正例

❌ 私が主語✅ 事実が主語
私はAが最も重要だと考えるAは〜という理由から最も重要視されている
私の経験から〜だと思う先行研究によれば〜と報告されている
私は〜すべきだと主張する〜の必要性が複数の研究で指摘されている

ポイント: 「私は」を削除し、「調査では」「研究によれば」「データから」などを主語にする。


【実践】主観的レポートを修正する3ステップ

具体的な修正手順を、実例とともに解説します。

ステップ1:主観的な表現を全て抽出する(5分)

Word/Googleドキュメントの検索機能(Ctrl+F)を使って、以下のキーワードを検索します。

検索すべき主観的表現

  • 「私は」「私が」「私の」
  • 「思う」「思います」「思われる」
  • 「感じる」「感じた」
  • 「〜べきだ」「〜べきである」
  • 「すごい」「とても」「非常に」(程度を示す副詞)

これらをリストアップして、修正対象を明確にします。


ステップ2:根拠となるデータ・研究を探す(10分)

各主張に対して、裏付けとなる客観的情報を探します。

根拠の探し方

  1. Google Scholar(https://scholar.google.co.jp/)で論文検索
  2. 政府統計(総務省統計局、厚生労働省など)でデータ検索
  3. 信頼できるニュースサイト(NHK、大手新聞社)で事例検索
  4. 大学図書館のデータベースで学術文献検索

見つからない場合の対処法

  • 「〜と考えられる」程度の控えめな表現に変更
  • その主張を削除して、別の根拠のある主張に差し替える

ステップ3:文章を「事実+分析」の構文に組み替える(15分)

主観的な文を、以下のパターンに従って書き直します。

基本構文パターン

[事実・データ] + [接続詞] + [分析・解釈]

具体例:修正前→修正後

例1:SNSと孤独感

修正前(主観的)

私はSNSが若者の孤独を助けていると思う。
友達とつながれるのでとても良いと感じる。

修正後(客観的)

SNSは若者の孤独感を軽減する傾向があることが、
複数の研究で報告されている(山田, 2022; 佐藤, 2023)。
特に、オンライン上での共感的なコミュニケーションが
心理的サポート機能を果たすことが指摘されている。
一方で、過度な依存が対面コミュニケーション能力の
低下を招く可能性も示唆されており(田中, 2021)、
使用方法には注意が必要である。

改善ポイント

  • 「私は〜思う」→「〜が報告されている」に変更
  • 「とても良い」→具体的な効果(孤独感軽減)に変更
  • 反対意見も併記してバランスを取る
  • 出典を明記して客観性を担保

例2:環境問題の重要性

修正前(主観的)

環境問題は本当に深刻だと感じる。
私たちは今すぐ行動すべきだ。

修正後(客観的)

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書(2023)によれば、
地球温暖化は加速しており、今後10年間の対策が
決定的に重要であると指摘されている。
特に、産業部門でのCO2排出削減と
再生可能エネルギーへの転換が急務とされる。

改善ポイント

  • 「深刻だと感じる」→具体的なデータ(IPCC報告)に置き換え
  • 「すべきだ」→「〜が急務とされる」に変更
  • 具体的な対策内容を追加

例3:教育の意義

修正前(主観的)

教育は人生で最も大切なものだと私は考える。
教育を受けることで幸せになれると思う。

修正後(客観的)

教育が個人の生涯所得や社会的地位に
大きな影響を与えることは、数多くの実証研究で
明らかにされている(OECD, 2022)。
特に、高等教育を受けた者は、
受けていない者と比較して平均生涯所得が
約1.5倍高いというデータもある(厚生労働省, 2021)。
このことから、教育投資の経済的・社会的意義は大きいと言える。

改善ポイント

  • 「最も大切」→具体的な影響(所得、社会的地位)に変更
  • 「幸せになれる」→測定可能な指標(生涯所得)に置き換え
  • 数値データで客観性を強化

主観的表現→客観的表現:置き換えリスト20選

そのまま使える置き換え表現を一覧にしました。

意見・評価の表現

❌ 主観的表現✅ 客観的表現
1. 私は〜だと思う〜と考えられる / 〜とされる / 〜が指摘されている
2. 〜すべきだ〜の必要性が指摘されている / 〜が求められる
3. 〜に違いない〜の可能性が高い / 〜と推測される
4. 明らかに〜だ〜であることが明らかになっている
5. 絶対に〜だ〜である蓋然性が高い / 一般的に〜とされる

感情・評価の表現

❌ 主観的表現✅ 客観的表現
6. すごく重要だ特に重要視されている / 重要な位置を占める
7. とても良い効果的である / 有効性が認められる
8. 素晴らしい高く評価されている / 優れた成果を示している
9. ひどい状況だ深刻な状況にある / 問題が顕在化している
10. 悲しい現実だ憂慮すべき状況である / 課題として認識されている

体験・感覚の表現

❌ 主観的表現✅ 客観的表現
11. 私の経験では事例研究によれば / 先行研究では
12. 〜に感じた〜という印象を受ける / 〜と認識される
13. 実感するデータから確認できる / 観察される
14. 〜が好きだ〜に対する関心が高い / 〜が支持されている
15. 心配だ懸念される / リスクが指摘されている

推測・憶測の表現

❌ 主観的表現✅ 客観的表現
16. たぶん〜だろう〜の可能性が示唆される / 〜と推測される
17. 〜かもしれない〜の可能性がある / 〜が考えられる
18. きっと〜だ〜と考えるのが妥当である / 〜が予想される
19. 〜だと言える〜であることが明らかである / 〜と結論づけられる
20. 当然〜だ〜は一般的に認識されている / 〜は広く受け入れられている

「主観ゼロ」は間違い!正しい主観の見せ方

誤解:主観を完全に消さなければならない

これは間違いです。 大学レポートでも、あなたの意見や考察は必要です。

正解:主観を「根拠に基づいた分析」として表現する

重要なのは、主観を「感想」ではなく「分析」として見せることです。

良い主観の使い方

【悪い例:感想】
私は環境問題に関心がある。

【良い例:分析】
環境問題は個人の生活習慣と密接に関わるため、
日常的な関心事として重要性が高いと考えられる。
実際、環境意識の高い個人ほど、
持続可能な消費行動を取る傾向があることが報告されている(Green, 2022)。

ポイント: 自分の意見を述べる場合も、必ず根拠や先行研究とセットにする。


よくある質問(FAQ)

Q1. 「〜と考えられる」も主観的ではないですか?

いいえ。「〜と考えられる」は学術文章で広く使われる表現で、客観的な推論を示します。「私は〜と思う」とは異なり、一般的な論理に基づいた判断を表しています。

Q2. 全ての文に出典をつける必要がありますか?

いいえ。一般的に知られている事実や常識については出典不要です。ただし、統計データや専門的な主張には必ず出典をつけましょう。

Q3. 「私」という言葉は一切使ってはいけませんか?

いいえ。「考察」のパートでは「本研究では〜と考える」のように使うことは許容されます。ただし、「私は〜が好き」「私は〜だと思う」のような感想は避けましょう。

Q4. 出典が見つからない主張はどうすればいいですか?

以下の対処法があります:

  • 「〜と考えられる」など控えめな表現に変更
  • その主張を削除する
  • 別の根拠のある主張に差し替える

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まとめ:主観を活かして論理的に書く

主観的すぎるレポートも、適切なリライトで高評価レポートに変わります。

この記事の重要ポイント

  1. 「〜だと思う」を「〜とされる」に変えるだけで印象が変わる
  2. 感情語を「課題」「効果」「傾向」などの中立語に置き換える
  3. 主観は「根拠+分析」の形で表現する
  4. 必ず出典を1つ以上引用して客観性を担保する

教授が求めているのは、あなたの感想ではなく、根拠に基づいたあなたの分析です。 このテクニックを使って、今日から客観的で説得力のあるレポートを書きましょう!


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