
「レポートを書き終えた!やっと提出できる…」
ちょっと待ってください!その10分の見直しが、評価を10点以上変えます。
実際に、大学の調査によると、提出されたレポートの約60%に、見直しで防げる単純ミスがあるそうです。逆に言えば、丁寧に見直すだけで、上位40%に入れるということです。
書き終えてホッとする気持ちは分かります。しかし、「書き終わった」と「提出できる状態」は別物です。
この記事では、提出前に必ず確認すべき15項目のチェックリストを、配点付きで紹介します。このチェックリストに沿って見直すだけで、あなたのレポートは確実にレベルアップします。
なぜ見直しが重要なのか?3つの理由
理由1:書いている時は気づかないミスがある
執筆中は内容に集中しているため、誤字や論理の飛躍に気づきません。時間を置いて読み直すと、客観的に判断できます。
理由2:採点者は「細部への配慮」を見ている
誤字脱字や形式の誤りは、「雑な学生」という印象を与えます。逆に、丁寧に仕上げられたレポートは、内容以前に好印象です。
理由3:見直しで確実に点数が上がる
同じ内容でも、見直しで10〜20点の差が出ることは珍しくありません。コストパフォーマンスが最も高い作業が見直しです。
見直しの基本:3つのステップ
ステップ1:時間を置く(可能なら)
書き終えたら、最低30分、できれば一晩置くことをお勧めします。
頭がリフレッシュされ、客観的に読めるようになります。
時間がない場合
- 5分間、別のことをする(ストレッチ、お茶を飲むなど)
- それだけでも、新鮮な目で見直せます
ステップ2:3回読む
見直しは最低3回、異なる視点で読みましょう。
1回目:内容のチェック
- テーマに答えているか
- 論理は通っているか
- 根拠は十分か
2回目:文章のチェック
- 文法は正しいか
- 接続詞は適切か
- 読みやすいか
3回目:形式のチェック
- 誤字脱字はないか
- フォーマットは正しいか
- 参考文献は完璧か
ステップ3:声に出して読む
声に出して読むと、黙読では気づかない不自然さが分かります。
- 息継ぎができない文は、長すぎる
- つまずく箇所は、表現が不自然
- 違和感がある箇所は、論理が飛躍している
完全チェックリスト:15項目(100点満点)
カテゴリA:内容(50点)
1. テーマ・課題に答えているか?(20点)
最重要ポイント
どんなに文章が上手くても、課題の問いに答えていなければ、大幅な減点です。
チェック方法
□ 課題文をもう一度読み直す
□ 課題の「問い」をノートに書き出す
□ 自分のレポートの「答え」を一文で要約する
□ その答えが課題の問いと対応しているか確認
よくある失敗
❌ 課題:「SNSの功罪について論じなさい」
→ メリットだけ書いて、デメリットを書き忘れる
❌ 課題:「〜についてあなたの考えを述べなさい」
→ 事実の説明だけで、自分の意見がない
改善のポイント
✅ 結論部分に、課題の問いへの明確な答えがあるか確認
✅ 序論で「本稿では〜について論じる」と宣言し、それを守る
2. 構成が論理的で整っているか?(15点)
基本構成のチェック
レポートは「序論→本論→結論」の三段構成が基本です。
チェック方法
□ 序論:問題提起・背景・論述の方向性が示されている
□ 本論:根拠・事例・分析がある
□ 結論:全体のまとめ・主張の再確認がある
□ 各段落が一つのトピックに絞られている
□ 段落間のつながりが自然
よくある失敗
❌ 序論がなく、いきなり本論から始まる
❌ 結論が新しい話題を持ち出す
❌ 段落が長すぎる(一つの段落に複数のトピック)
改善のポイント
✅ 各段落の最初の一文を読んで、全体の流れが分かるか確認
✅ 見出しをつけて(提出時に削除可)、構成を視覚化する
3. 主張が明確で一貫しているか?(10点)
チェック方法
□ 自分の主張を一文で言えるか
□ 序論・本論・結論で主張が一貫しているか
□ 途中で意見が変わっていないか
よくある失敗
❌ 「〜とも言えるし、〜とも言える」と曖昧
❌ 序論で「Aが重要」と言い、結論で「Bが重要」と変わっている
改善のポイント
✅ 結論の最初の一文に、明確な主張を書く
✅ その主張が、序論の問題提起と対応しているか確認
4. 根拠・具体例が十分か?(10点)
チェック方法
□ 主張に対して、根拠が示されているか
□ 抽象的な主張だけで終わっていないか
□ 具体例・データ・事例が含まれているか
□ 「〜と思う」だけで終わっていないか
よくある失敗
❌ 「環境問題は重要だと思う」(なぜ重要か書いていない)
❌ 「多くの人が〜」(何人?何%?データがない)
改善のポイント
✅ 主張→理由→具体例の流れを作る
✅ 「例えば〜」「具体的には〜」を意識的に入れる
修正例
❌ 悪い例
SNSは人間関係に悪影響を与えると思う。
✅ 良い例
SNSは人間関係に悪影響を与える場合がある。例えば、総務省の調査によると、10代の40%が「SNSでのやり取りに疲れを感じる」と回答している。このように、常につながることへのプレッシャーが、精神的負担を生んでいる。
5. 論理の飛躍や矛盾がないか?(5点)
チェック方法
□ AだからBという因果関係が論理的か
□ 根拠と結論がつながっているか
□ 前半と後半で矛盾していないか
よくある失敗
❌ 「人口が減少している。だから経済は成長する」(因果関係が逆)
❌ 「個人の努力が大切」と言いながら、結論で「政府の対策が必要」
改善のポイント
✅ 「AだからB」と書いた箇所をすべてチェック
✅ 本当にAが原因でBが結果か、再確認
カテゴリB:文章表現(30点)
6. 主語と述語が正しく対応しているか?(10点)
チェック方法
□ 長い文で、主語と述語がずれていないか
□ 「〜は」「〜が」に対応する述語があるか
よくある失敗
❌ 「この問題は、多くの研究者が指摘している」
(「問題は」→「指摘している」は対応しない)
✅ 「この問題について、多くの研究者が指摘している」
❌ 「私が興味を持ったのは、環境問題が深刻だからだ」
(「私が」と「だからだ」がずれている)
✅ 「私が興味を持ったのは、環境問題が深刻だからである」
改善のポイント
✅ 長い文(60字以上)は、主語と述語を明示的に確認
✅ 声に出して読んで、違和感がないか確認
7. 接続詞が適切に使われているか?(5点)
チェック方法
□ 「しかし」「そのため」「また」などが論理的に正しいか
□ 同じ接続詞を連続して使っていないか
□ 接続詞がなくても読めるほど、前後のつながりが自然か
よくある失敗
❌ 「SNSは便利だ。しかし、便利だからこそ問題もある」
(「しかし」の前後で矛盾していない→「そして」が適切)
❌ 「また、〜である。また、〜である。また、〜」
(「また」の連続使用は単調)
改善のポイント
✅ 接続詞の前後の関係を確認
- 順接:だから、そのため、したがって
- 逆接:しかし、一方で、ところが
- 添加:また、さらに、加えて
- 例示:例えば、具体的には
- 換言:つまり、すなわち
8. 不要な言葉・冗長な表現がないか?(5点)
チェック方法
□ 「〜ということ」「〜のようなもの」など曖昧語を削る
□ 同じ意味の言葉を重複して使っていないか
□ 一文が長すぎないか(60字以内が目安)
削るべき表現
❌ 「〜ということができる」→ ✅ 「〜できる」
❌ 「〜のようなものである」→ ✅ 「〜である」
❌ 「〜という風に考えられる」→ ✅ 「〜と考えられる」
❌ 「非常にとても大切」→ ✅ 「非常に大切」(重複)
改善のポイント
✅ WordやGoogleドキュメントの「検索」機能で「こと」「もの」「という」を検索
✅ 削除しても意味が変わらない言葉は、すべて削除
9. 文体が統一されているか?(5点)
チェック方法
□ 「です・ます調」か「だ・である調」か統一されているか
□ 途中で文体が変わっていないか
よくある失敗
❌ 「SNSは便利だ。しかし、問題もあります。」
(「だ」と「ます」が混在)
改善のポイント
✅ レポートは基本的に「だ・である調」
✅ 最後まで同じ文体を貫く
10. 適切な語彙と表現を使っているか?(5点)
チェック方法
□ 話し言葉を使っていないか
□ 曖昧な表現を避けているか
□ 断定しすぎていないか(適度に「〜と考えられる」)
避けるべき表現
❌ 話し言葉
- 「〜とか」「〜みたいな」「すごく」「ちょっと」「やっぱり」
❌ 曖昧な表現
- 「たぶん」「なんとなく」「〜な気がする」
❌ 断定しすぎ
- 「絶対に〜」「必ず〜」「〜に決まっている」
改善のポイント
✅ 話し言葉 → 書き言葉に変換
- 「すごく」→「非常に」「極めて」
- 「ちょっと」→「やや」「若干」
✅ 適度に推量表現を使う
- 「〜と考えられる」「〜と思われる」「〜の可能性がある」
カテゴリC:形式・技術(20点)
11. 誤字・脱字・変換ミスがないか?(5点)
チェック方法
□ 誤変換(同音異義語の間違い)がないか
□ 句読点の抜けがないか
□ スペルミス(英語の場合)がないか
よくある誤字
❌ 「対象」と「対称」
❌ 「意志」と「意思」
❌ 「制作」と「製作」と「作成」
❌ 「以外」と「意外」
❌ 「関わる」と「係る」と「拘る」
改善のポイント
✅ パソコンで書いている場合、スペルチェック機能を使う
✅ 一度印刷して、紙で読み直す(画面で見落としたミスに気づく)
✅ 最後から逆順で読む(内容ではなく、文字だけに集中できる)
12. フォーマット(形式)が指定通りか?(10点)
チェック方法
□ 文字数は指定の範囲内か(±10%以内が目安)
□ フォント・文字サイズは指定通りか
□ 行間・余白は指定通りか
□ ページ番号はついているか(必要な場合)
□ 提出形式(Word/PDF/手書き)は正しいか
よくある失敗
❌ 文字数が大幅に不足(指定3000字なのに2000字)
❌ フォントが指定と違う(明朝体指定なのにゴシック体)
❌ PDFで提出すべきなのにWord形式で提出
改善のポイント
✅ 課題文や提出要項をもう一度確認
✅ 文字数カウントツールで確認(Wordなら「校閲」→「文字カウント」)
✅ 提出前に、ファイル形式・ファイル名を再確認
文字数の数え方
- 一般的に「句読点」「記号」を含む
- スペースは含まない場合が多い
- 不明な場合は、教授に確認
13. 引用・参考文献が正しく記載されているか?(5点)
チェック方法
□ 他人の文章・アイデアを使った場合、出典を明記しているか
□ 引用部分をカギ括弧「」で示しているか
□ 参考文献リストがあるか(本文で引用したものすべて)
□ 参考文献の書式が統一されているか
よくある失敗
❌ 本文で引用しているのに、参考文献リストがない
❌ 引用部分が不明確(どこからどこまでが引用か分からない)
❌ URLだけ書いて、タイトルや著者名がない
改善のポイント
✅ 本文で引用した文献は、必ず参考文献リストに含める
✅ 逆に、参考文献リストに載せたものは、本文で言及する
✅ 形式(APA、MLA、シカゴなど)を統一する
参考文献の基本形式(日本語)
著者名(発行年).『書名』出版社.
著者名(発行年).「論文タイトル」『雑誌名』巻(号), ページ.
カテゴリD:最終確認(10点)
14. タイトルと内容が一致しているか?(5点)
チェック方法
□ タイトルがレポートの内容を正確に表しているか
□ タイトルと結論の方向性が一致しているか
よくある失敗
❌ タイトル:「SNSの意義について」
→ 内容:SNSの問題点ばかり書いている
❌ タイトル:「環境問題の解決策」
→ 内容:問題の説明だけで、解決策が薄い
改善のポイント
✅ タイトルは最後につける(内容が決まってから)
✅ タイトルを見て、内容が予測できるか確認
15. 提出情報が正しく記載されているか?(5点)
チェック方法
□ 学籍番号・氏名・学部学科が正しいか
□ 科目名・担当教員名が正しいか
□ 提出日が記載されているか
□ ファイル名が適切か(例:学籍番号氏名科目名.docx)
よくある失敗
❌ 学籍番号を間違える(誰のレポートか分からない)
❌ ファイル名が「レポート.docx」(他の学生と重複)
❌ 別の授業のレポートを提出してしまう
改善のポイント
✅ 学生証を見ながら、学籍番号を確認
✅ ファイル名は「学籍番号氏名科目名」など、誰のどの課題か明確に
見直しの実践:3つのテクニック
テクニック1:印刷して読む
画面で見るのと、紙で見るのでは、気づくポイントが違います。
印刷のメリット
- 全体の流れが把握しやすい
- 誤字脱字に気づきやすい
- 書き込みながら修正できる
印刷できない場合
- PDFに変換して読む(見た目が変わるので、新鮮な目で見られる)
- フォントや文字サイズを変えて読む
テクニック2:音読する
黙読では気づかない不自然さが、音読で明らかになります。
音読のメリット
- 息継ぎができない文 = 長すぎる文
- つまずく箇所 = 表現が不自然
- 違和感 = 論理が飛躍している
恥ずかしい場合
- 小声でつぶやく
- 心の中で音読(頭の中で声に出す)
テクニック3:他人に読んでもらう
可能なら、友人や家族に読んでもらいましょう。
他人に読んでもらうメリット
- 自分では気づかない分かりにくさが分かる
- 論理の飛躍を指摘してもらえる
- 客観的な感想が聞ける
お願いの仕方
- 「内容じゃなくて、読みやすさだけチェックして」
- 「分かりにくい箇所に線を引いて」
- 「5分だけお願い」
時間がない時の優先順位
締切直前で、すべてをチェックする時間がない場合、以下の優先順位で確認しましょう。
【最優先】絶対に確認すべき5項目(5分)
- テーマに答えているか(配点20点)
- 文字数は範囲内か(配点10点)
- 学籍番号・氏名は正しいか(配点5点)
- 提出形式は正しいか(配点10点)
- 誤字脱字の最低限チェック(配点5点)
→ これだけで50点分を守れる
【次優先】できればチェックしたい5項目(10分)
- 構成が整っているか(配点15点)
- 主語と述語の対応(配点10点)
- 根拠・具体例が十分か(配点10点)
- 引用・参考文献(配点5点)
- タイトルと内容の一致(配点5点)
→ +45点分を確保
【理想】時間があればチェックしたい5項目(15分)
- 主張の一貫性(配点10点)
- 接続詞の適切さ(配点5点)
- 不要な表現の削除(配点5点)
- 文体の統一(配点5点)
- 適切な語彙(配点5点)
→ さらに+30点分
チェックリスト:印刷用一覧
【A:内容(50点)】
□ 1. テーマ・課題に答えているか?(20点)
□ 2. 構成が論理的で整っているか?(15点)
□ 3. 主張が明確で一貫しているか?(10点)
□ 4. 根拠・具体例が十分か?(10点)
□ 5. 論理の飛躍や矛盾がないか?(5点)
【B:文章表現(30点)】
□ 6. 主語と述語が正しく対応しているか?(10点)
□ 7. 接続詞が適切に使われているか?(5点)
□ 8. 不要な言葉・冗長な表現がないか?(5点)
□ 9. 文体が統一されているか?(5点)
□ 10. 適切な語彙と表現を使っているか?(5点)
【C:形式・技術(20点)】
□ 11. 誤字・脱字・変換ミスがないか?(5点)
□ 12. フォーマットが指定通りか?(10点)
□ 13. 引用・参考文献が正しく記載されているか?(5点)
【D:最終確認(10点)】
□ 14. タイトルと内容が一致しているか?(5点)
□ 15. 提出情報が正しく記載されているか?(5点)
合計:____/100点
このチェックリストを印刷して、レポート提出前に必ず確認しましょう!
よくある質問(FAQ)
Q1. すべての項目をチェックする時間がありません
A. 「時間がない時の優先順位」セクションを参考に、まず最優先5項目だけでも確認してください。それだけで50点分は守れます。
Q2. 友達に見てもらうのは、カンニングにならないですか?
A. 内容についてアドバイスをもらうのは問題ですが、「読みやすさ」「誤字脱字」のチェックを頼むのは問題ありません。不安な場合は、教授に確認しましょう。
Q3. 何回見直しても、ミスが見つからないのですが…
A.
- 時間を置く(一晩寝かせる)
- 印刷して読む
- 音読する
- 他人に読んでもらう
これらの方法で、新しい視点から見直せます。
Q4. 見直しで内容を大幅に変えてもいいですか?
A. はい。見直しの段階で「これは違う」と気づいたら、大胆に修正してOKです。ただし、締切に間に合うように時間配分を考えましょう。
Q5. チェックリストの配点は、実際の採点基準と同じですか?
A. この配点は一般的な重要度を示したものです。実際の採点基準は、科目や教授によって異なります。課題文に採点基準が書かれている場合は、それを優先してください。
まとめ:見直しで確実に評価は上がる
レポートは、書き終わった後の10分で完成度が大きく変わります。
見直しの3つの効果
- 単純ミスを防げる:誤字脱字、フォーマット違反など
- 論理を整えられる:飛躍や矛盾に気づける
- 印象が良くなる:丁寧に仕上げられたレポートは、それだけで好印象
見直しの鉄則
鉄則1:時間を置く
書き終えたら、少し休憩。客観的な目で見られるようになります。
鉄則2:3回読む
1回目:内容、2回目:文章、3回目:形式
鉄則3:音読する
黙読では気づかない不自然さが分かります。
鉄則4:チェックリストを使う
この記事のチェックリストを印刷して、一つずつ確認しましょう。
最後に
「完璧なレポート」を最初から書ける人はいません。
重要なのは、書いた後に丁寧に見直し、磨き上げることです。
この記事のチェックリストを使えば、あなたのレポートは確実にレベルアップします。
10分の見直しが、10点の差を生みます。
提出ボタンを押す前に、もう一度、このチェックリストを確認してみてください。
あなたのレポートが高評価を得られることを願っています!
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