企業の書籍ブランディングには効果的なフェーズ(段階)があります。加えて個々の業種という観点から考えても、向いている業種があると考えられます。
そこで今回は「業種」に絞って、書籍ブランディングが有効な企業について、解説していきます。
書籍ブランディングがとくに効果的な業種
とくに書籍ブランディングに向いている業種には次のようなものがあります。
コンサルティング業・士業
まずは、コンサルティング業・士業です。
コンサルティング業には「経営コンサルタント」や「ITコンサルタント」など、士業には「弁護士」「税理士」「司法書士」などがあります。
これらの業種は、顧客から「先生」と呼ばれることも多く、「顧客へのアドバイス」といった無形のサービスを提供することになるため、何よりも「信頼」が大切です。個人でビジネスをしている方は特に、ブランディング方法で差が出てきます。
そのためか、コンサルタントや士業の中には、著書を出している方が他の業種に比べて多いのが特徴です。同業者の多くが出版をしていることもあり、書籍出版はハードルの高いものとは思われていません。
コンサルタントや士業の場合、扱う事例が豊富ですし、日頃から論理的に他人に伝えることを仕事にしており、書籍としてまとめるだけの潜在能力は抜群です。経営コンサルタントの経験を生かしてビジネス書作家に転身する人も珍しくないのはそのためです。
またコンサルタントには無数の職種があるため、肩書きだけでは実際にどんなサービスをしてくれるのかがわかりにくいことも多いものです。そのため自分の仕事内容と存在意義をしっかりと伝えることができる書籍は、集客・ブランディングに大いに役立つのです。
会員サービスを行う業種
フィットネスクラブなど、会員サービスを行う業種は入会者を募る際、いかに顧客の心理的ハードルを下げるかが重要です。そのために、入会金を無料にしたり、特典をつけてみたり、さまざまな工夫をしていることと思います。
ですが、そうした戦術はどこでも行っており、顧客も企業側の心理を読めてしまっています。一歩抜け出すには、差別化が必要ですよね。
たとえば、「結果にコミット」で有名な「ライザップ」では、話題性のあるCMが目立ちますが、以下のような書籍も出版しています。
女子のライザップ (自宅でカンタン! やせる&10年後もキレイが続く!)
このように数多くの書籍を出版することで、インパクトだけではない企業への信頼感を持たせる手を打っています。関心を持っている見込み顧客に対し、安心感を与えることで、確実に顧客獲得につなげているのです。
高額商品を扱う業種
会員サービスと同様、高額商品を扱う業種も、心理的ハードルを下げることが重要です。
「家」「自動車」「保険」などは、生活必需品ながら高額のため、購買に慎重になります。
しかも、一生に一度の決断である(つまり、一人当たり一回しか買わない)ことも多く、それを自社にゆだねてもらうためには、認知度・信頼度の両方が必要になります。
また、不動産業なら一般顧客だけでなく、投資情報を提供するなど投資家や仲介業者のための情報をまとめておくと、さらなるブランディングになるでしょう。
トヨタほどの世界的大企業になれば、「組織」や「経営」の書籍も多数出版されますが、中小企業は、まずは専門分野の情報や、他社にはないエピソードなどを盛り込んでいくことをおすすめします。
オリジナリティのある商品を扱う業種
オリジナリティのある商品を扱う業種は、「ニッチな分野」であることも多く、差別化はできているので、それを世の中に広めていくことが必要です。そのためには書籍出版する意義があると言えるでしょう。
ニーズがある商品ならば、あとは「見つけてもらう」「顧客から手をあげてもらう」ことだけです。今までにない画期的なモノであれば、広告なども利用しながら認知度を上げ、書籍との相乗効果を生んでいくこともできるはずです。
コンプレックス対策サービス・商品を扱う業種
整形やダイエットをはじめとする、顧客が表立って相談しにくい悩みや要求に応えるサービスの場合も、書籍が有効であると考えます。先述のライザップはこのカテゴリーにもあてはまりますね。
他人にはなかなか相談しにくいことも、書籍であればまとまった情報を得られます。また、このような業種は詐欺まがいの商品や情報が流れていることも多いですが、ネットの情報よりも信頼感のある書籍なら、受け取る側も安心して受けいれることができます。
まとめ
このように、書籍ブランディングにかなりの効果が期待できる業種があります。ここで扱ったような購買に勇気のいる商品・サービスも、書籍によって「これなら安心」という気持ちを生むことで、顧客を獲得することができます。
顧客目線で考えると、書籍代の約1500~2000円(単行本の場合)という初期投資をすることで「安心」を買っていると言えます。これらの業種に携わっている方は、書籍出版の可能性にかけてみてはいかがでしょうか。
源
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