「文章の学校」の教科書 基礎編―1週間でマスタープロの現場には文章上達のヒントがいっぱい!
読者を裏切るのが文章家の仕事だ。
世間にあふれている常識、一般論、正論、そのほか多くの人々をウンザリさせている言葉たち。それらはときに当たり前で、ときに薄っぺらく、ときに実感をともなっていない。だから誰も振り向かない。
たいていの人が駅で演説する政治家の話に耳を傾けないのはなぜか?そこに刺激がないからである。こと日本のようなとりあえず「平和」である国の場合には、生ぬるい言葉では人を動かすどころか振り向かすこともできない。
だからプロは読者を裏切る必要がある。
読まれてナンボのプロの世界
プロの文章家とは芸術家ではない。ゆえに美しい作品を仕上げることが目的ではない。文章を読んでもらって、大いに議論が巻き起こり、賛否両論を得る。そのような文章が書けてはじめてプロだ。賛成ばかりでも反対ばかりでも不十分である。
罵声を浴びせるだけではただの素人だ。喧嘩を売るだけのチンピラと変わらない。しっかりと理論武装をし、裏付けのあるデータを収集し、完全武装で議論を投げかける。それでも勝つこともあれば負けることもあるだろう。勝ち負けは問題ではない。あくまで「読まれてナンボ」である。
もっとも、やたらと武器を振り回すだけではいけない。相手はいちおう健全な社会である。基本を身につけて、地力を養い、ルールを守って土俵に立つ。それでようやくスタートラインだ。言いたいことを言おう。書きたい文章を書こう。その点において、この国は自由である。心ゆくまで楽しむと良い。私はそのつもりである。
プロの文章術7つのポイント
『「文章の学校」の教科書 基礎編―1週間でマスタープロの現場には文章上達のヒントがいっぱい!』 に記載されている「プロの文章術」は以下のとおりだ。
1.おもしろい文章を書く
- 誰でも知っているヒト・モノをネタにする
- 視点や見方を変えて文章にする
- 誰にも知られていない話を取り上げる
- 人が気がついていない部分に目を向ける
- 特殊・特異な経験
2.視点を変える
- 道徳的・説教臭い話をしない
- 一般的な考えばかり書かない
- 焦点を絞って書く
- 立場を明確にする
- 自分らしい表現を心がける
3.読者を惹きつける書き出し
- ドキッとする場面からはじめる
- 会話や擬音語ではじめる
- 意外性のある内容からはじめる
- 格言や人生訓からはじめる
- 常識とは逆の方向からはじめる
4.文章の型
- 起承転結で書く
- 不要な材料は捨てる
- テーマをはっきりとさせる
- 句読点や助詞を正しく使う
- 主語と述語をわかりやすく
5.心に迫る文章
- イメージしやすい描写
- 五感に訴える内容
- 現在形で書く
- 細部まで詳細に
- 会話で臨場感をだす
6.文章のリズム
- 短文と長文をバランス良く
- 歯切れのよい文章に
- 修飾語を効果的に使う
- カタカナと漢字を適切に
- 遠近感・メリハリを大事に
7.読み返す
- 主語がはっきりしているか?
- わかりやすいか?
- 具体的か?
- 文法は正しいか?
- 説得力はあるか?
ヒトコトまとめ
プロの文章術を身につけるには
文章の基本を守り、リズムを意識しながら、良い意味で読者を裏切る、こと。
お付き合いありがとうございました。多謝。
<目次>
第1日 読者を楽しませる
第2日 自分らしい文章を書くためには
第3日 読者をひきつけるには?
第4日 文章の「型」を覚える
第5日 文章にリアリティを演出する
第6日 文章のリズムをよくする
第7日 最後にもう一度チェックする
<著者>
実際に「本づくり」「雑誌づくり」に参加して実績と人脈をつくればいい。
「編集の学校/文章の学校」は現時点で知識も経験もまったくない人たちに実績と人脈を提供する学校です。
<類書>
中央公論新社
売り上げランキング: 127,943