執筆の負担をできるだけ少なくする姿勢とは

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 長時間の執筆をしていると、どうしても身体に負担がかかってきます。執筆に限らず、あらゆる長時間作業は「姿勢」との戦いです。なぜなら、長時間にわたって同じ姿勢を保っていると、血流が滞り、身体に不調が生じるためです。

 血流というのは不思議なもので、医学的に解析するまでもなく、私たちの心身を左右する重要な機能であるとわかります。事実、ちょっと血流が滞るだけで、身体の各部にコリやハリを感じ、不快感が伴います。

 とくに年齢を重ねると、肩や腰のコリに悩む人が多いかと思います。それも基本的には、同じ姿勢でいることによる血流の悪化が原因です。加えて、運動不足や栄養の偏りなども加わると、身体への負担はより大きくなっていきます。

 さて、執筆においても、やはり同じ姿勢をとり続けることが身体への負担になります。その負担が蓄積されていくと、重度の肩こりや腰痛につながり、執筆を継続していくことが難しくなります。では、どうすればいいのでしょうか。

■執筆の集中力を削ぐもの

 執筆には、高度な集中力が必要です。人にもよりますが、人の話が聞こえてきたり、音楽が聞こえたりするだけで書けない人もいるかと思います。かくいう私も、執筆するときは耳栓(MOLDEX メテオ)を必ず装着し、すべての物音を遮断します。

 また、匂いや光など、五感に影響を与えるさまざまな刺激をなくす工夫もしています。そのようにして集中力を妨げる要因を排除することが、執筆の集中力を高め、さらには持続していくために必要だと考えているためです。

 さて、肩こりや腰痛などの痛みはもちろん、身体に生じるコリやハリなどの違和感もまた、執筆の集中力を妨げる要因となります。とくに慢性的な肩こり・腰痛は、それだけで執筆意欲を削いでしまうため、メンテナンスが欠かせません。

 もちろん、肩こり・腰痛を未然に防ぐことができればいいのですが、机についてものを書くという性質上、完全に防ぐことはできないでしょう。そうであれば、日々の執筆時に、何らかの工夫をすることが大事だとわかります。

■疲れなければ書き続けられる

 身体の負担は、疲れにくくなることにもつながります。身体に違和感がなく、疲れがたまりにくくなれば、長時間にわたって書き続けることも可能です。実は、この長時間にわたって書き続けられる状態が、執筆には大切です。

 なぜなら人の集中力は、ランナーのように、少しずつ稼働が滑らかになっていくためです。医学博士の築山節先生は、著書『脳が冴える15の習慣』において、「脳の基本回転数」という概念をあげながら、次のように述べています。

脳の基本回転数は、上げようと思えばいつでも上げられるものではありません。まず第一に、脳が十分にウォーミングアップされている必要があります。

一度脳の基本回転数を上げると、その状態がしばらくは続くということです。

 たとえば大事な試験を受けているとき、人は高度な集中状態に入ります。その理由は、時間の制約がある中で、脳の基本回転数が徐々に上がり、しばらくその状態が続くためとされています。だからこそ、継続が大事なのです。

 そこで、継続して書ける状態をつくるために、執筆の負担を少なくする姿勢について考えてみましょう。

■執筆の負担を少なくする姿勢とは

 姿勢が執筆の負担になってしまう理由は、単純に考えると、どこかの部位に無理な力がかかっているためです。しかもそれが、時間とともに蓄積され、やがて不調となって生じていくものと思われます。

 つまり、執筆時に無理な力がかからないようにし、しかもそれを継続しないことが、負担を少なくする姿勢と言えそうです。そのために必要な行動としては、具体的に、次の2つの執筆習慣が挙げられます。

1.椅子と机(PC)の高さを最適化する。
2.椅子と机(PC)の高さを時間毎に調整する。

 前提として、椅子と机という執筆環境の二大要素は、必ず最適化するべきです。パソコンで執筆している人であれば、机の上に乗っているPC環境も同様です。それらを自分に合うよう、微調整することが不可欠です。

 たとえば、昇降タイプの机や椅子を販売している「Bauhutte」のサイトでは、書き仕事やキーボード作業を行う場合において、それぞれ高さの基準が計算できます。合わせて、腰に負担がかかりにくいスタンディングの高さも計算できるので、試してみましょう。

・机の高さと椅子の座面の高さ(Bauhutte)
https://www.bauhutte.jp/bauhutte-life/tip2/

・スタンディングデスクでの最適な机の高さ(Bauhutte)
https://www.bauhutte.jp/bauhutte-life/standing-desk-height/

 そのうえで、一定時間毎に、椅子と机の高さを調整するようにしてください。最適な椅子・机の高さも、長時間同じ姿勢ではやはり負担になります。そこで、30分や1時間毎、あるいは疲労を感じたときに、微調整できるようにしてください。

 具体的には、高さを変えられる机を使用するか、あるいは椅子と机、双方で高さを調整するものを選択してください。私が使っているのは、次のようなツールです。

<机>
FLEXISPOT スタンディングデスク 電動式 昇降デスク
電動式の昇降デスクとして使用できるが、こちらは足だけ。天板は、180×90のパイン材をホームセンターで買ってきて乗せている。ネジで固定できるので違和感はない。ただし、高くしすぎると揺れが激しくなるので注意が必要。

<椅子>
アーユル・チェアー スツールタイプ
姿勢サポートチェアーとして有名な「アーユルチェアー」。こちらはスツールタイプ。とくに執筆時はローラータイプの足が動いてしまって嫌なので、固定タイプを使用。姿勢が自然と正されることに加えて、疲れのサインがわかりやすい。

カリモク ダイニングチェア 肘付 読書用椅子
高級で上質な家具で有名な「カリモク」のダイニングチェア。やはり執筆時は足が動くのが嫌なので、こちらも固定タイプ。ゆったりと座れるだけでなく、背もたれの固さもちょうどいい。ただ、リラックスしやすいので、主に休憩中に使用。

■まとめ

・継続的な執筆は姿勢が大事。
・疲れにくい姿勢を模索するべし。
・ポイントは机と椅子の高さ。
・使用する机と椅子は、時間毎に微調整する。

 姿勢を工夫するだけで、執筆は継続しやすくなります。まずは、椅子と机を工夫してみましょう!

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