どんな文章でも書けるようになる!執筆を習慣化するための3つの方法

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 日常生活においては、さまざまな文章を書かなければなりません。たとえば社会人の方であれば、「企画書を書かなければならない」「提案書を書かなければならない」「報告書を書かなければならない」などが挙げられるでしょう。

 あるいは学生の方であれば、「レポートを提出しなければならない」「小論文を書かなければならない」「簡単な論文を書き上げなければならない」などのケースが考えられます。いずれにしても、文章を書くという行為にはかわりありません。

 それぞれの文章には、こちらのブログでもいろいろと書いているように、「書き方」というものがあります。書き方のルールに沿って文章を書いていけば、それなりの文章ができあがるはずです。そのようにして、急場をしのいでもいいでしょう。

 一方で、「もっとうまい文章が書きたい!」と思う人は、ぜひ、執筆を習慣化させてみてください。習慣化することが、文章力を高める最も有効な方法だからです。では、なぜ文章力をあげるために、執筆を習慣化するべきなのでしょうか。

■なぜ執筆は“習慣化”するべきなのか?

 そもそも文章というのは、必要に迫られて書くものです。「先生から支持されて」「上司から頼まれて」など、自発的なものではなく、周囲からのはたらきかけによって「書かなければ!」となり、筆を執るケースが大半です。

 もちろん中には、自分から進んで文章を書こうとすることもあるでしょう。友人や知人とのコミュニケーションや、あるいは作品としての小説や詩など、何からの表現をしたいと考えた場合にも自分から筆を執るかと思います。

 ただ、自分から進んで文章を書こうとする場合には、「どのように書くか」をそれほど気にする必要はありません。まずは、自分がどのような内容の事柄を書きたいのかを考え、その気持ちを文章として落とし込めばいいだけです。

 一方で、周囲からのはたらきかけによって書く文章については、必ず提出先としての「相手」がいます。この「相手」とは、単なる「読者」ではなく、あなたが書いた文章を「評価する相手」となります。つまり、そこに一定の評価軸があるのです。

 ただ、普段から文章を書いていない人の場合、「相手が何を求め」「どのような文章を書けばいいのか」がわかりません。文章というのは、書こうとしなければ書けないものであり、書かないでいようと思えば書かずに生活することも可能です。

 だからこそ、意識的に書いていなければ、文章力はいつまでも向上しません。サボろうと思えばどこまでサボれるもの。それが執筆なのであり、その先にあるのが文章力です。文章は、「文章を書いている時間」に比例して上達するのです。

 加えて、文章を書くことには多大な労力が必要です。そのため普段から文章を書いていないと、文章を書かなければならない度に気力と体力が必要となり、書くことが億劫になってしまいます。だからこそ、執筆は習慣化することが大切です。

 習慣化とは言っても、難しく考える必要はありません。企画書を書くことが多い人は、ちょっとしたスキマ時間を見つけて「毎日、ミニ企画書を書いてみる」のでも構いません。文字数も、普段の半分から3分の1程度で問題ないでしょう。

 あるいはレポートをよく書く人は、「毎日、レポートの使えそうなメモを書く」というのもいいでしょう。いつものレポートが4000文字ぐらいなら、毎日1000文字でも500文字でも構いません。そのようにして、書くことを習慣化すれば、徐々に負担が軽くなります。

■文章が書けない人の共通点

 中には「白紙に向かうと、どうしても文章が書けない」という人もいるかと思います。そのような人ほど、より良いものを書こうとして肩に力が入っており、執筆をむずかしく考えているものです。完璧主義は捨てましょう。

 習慣として書く文章については、質のことなど考えなくていいのです。とりあえず書く。それこそ、メモレベルの文章を蓄積しておけば、そのメモを後で活用することができます。自分しか見ないようにすれば、たとえ下手でも構わないはずです。

 それこそ、日記のようにつけてみたり、自分だけのファイルを保存していくなど、方法はいくらでもあります。手書きでもいいのですが、パソコンやスマートフォンに保存しておくと後で使い回せるので便利です。

 とくにスマートフォンで文章を書いていると、執筆のハードルが下がるだけでなく、通勤時間や休憩時間など、ちょっとした時間に書くこともできます。日々の中に書く時間を設けることこそ、習慣化に他なりません。

 慣れてくれば、ブログやソーシャルメディアなどで、書いたものを公開するのもオススメです。誰かが見ているという意識が、文章の質をより高めてくれます。ただし、それで書けなくなってしまうくらいなら、公開せず、自分だけで見るようにしましょう。

 そのようにして執筆を習慣化していくと、書くことが楽になり、書いていないと違和感が生じるようになります。そうして人は「書けない人」から「書ける人」になっていくのです。文章を書いてさえいれば、誰でも「書ける人」になれるのです。

■執筆を習慣化するための3つの方法

 次に、執筆を習慣化するためのコツとして、3つの方法を紹介しましょう。全体を通して言えることは、とにかくハードルを下げるというもの。ハードルを下げれば下げるほど、習慣としての執筆が継続しやすくなるためです。

1.少ない分量からスタートする

 最初のうちは、書いていて負担がないと感じられる分量からはじめましょう。それこそ、100文字でも200文字でも構いません。いきなり1000文字や2000文字を毎日書こうとすると、負担が重くなってしまい続きません。

 大切なのは続けること。そのためにも、とにかく少ない分量からスタートしてみましょう。ただし、自分で決めた分量は必ず守ること。1日100文字と決めたのなら、何があっても100文字書く。書く時間を決めて、必ず執筆するようにしてください。

 続けていくうちに、少しずつ書くのが楽になり、かかっていた時間も短くなってくるかと思います。余力ができてきたら、文字数を少しずつ増やしていったり、各時間を伸ばしたりしてみましょう。そのようにして、文章力が養われます。

2.「てにをは」にこだわらない

 実際に文章を書く際には、細かな「てにをは」にこだわる必要はありません。たとえ文章になっていないと感じても、それでいいのです。それこそ、まともな文章を書こうとするのではなく、話すように書いてみましょう。

 完璧主義な人ほど、いい文章を書こうとして肩に力が入ってしまいます。ただ、何度も言いますが、大切なのは習慣化すること。毎日、決まった時間に書くことが何よりも大事なので、いい文章を書こうとする必要はありません。

 どうしても文章の質が気になるというのであれば、書くべき分量を短くし、短い文章を完璧にしてみても構いません。ただそれでは、いつまで経っても長い文章が書けないので、少しずつ、妥協できるようになりましょう。

3.箇条書きを活用する

 「書くべき事柄が見つからない」という人は、箇条書きを活用してみてください。文章を書くのではなく、思いついたことをただ羅列させていきます。たとえば「A商品の人気が高まっている」「◯◯という書籍に□□と書いてあった」などです。

 このように箇条書きをしていくと、自分がどのような情報を得て、どのような事柄に関心をもっているのかがわかります。それらを、接続詞を使って文章にしていけば、少しずつ執筆できるようになります。

 具体的には、「A商品に人気が高まっている。なぜなら……」とつなげてみると、思ったこととその理由を書くことができます。そのようにして複数の文章をつなげるだけで、徐々に長い文章になっていきます。箇条書きは、そのための練習になるのです。

■習慣を継続させるためのヒント

 このように、「少ない分量からスタートする」「「てにをは」にはこだわらない」「箇条書きを活用する」などの工夫によって、執筆を習慣化するのが楽になります。ハードルを下げて、書くことを日課にしていきましょう。

 さらに、執筆の習慣を継続するために使えるのが、「文章力を活用してちょっとした仕事をしてみる」というものです。難しい仕事ではなく、簡単な仕事をしてみることで、鍛えた文章力を実地で発揮することができます。

 たとえば、クラウドワークスランサーズココナラなどのクラウドソーシングサービスを活用すれば、簡単な文章依頼の受注をすることができます。依頼内容はまちまちですが、中には1000文字前後の文章執筆依頼もあります。

 そのような依頼を実際に受け、文章を書いてみることによって、文章を書く習慣を活かすことができるでしょう。また、わずかながら報酬も得られるため、文章を書くモチベーションを高めることにもつながります。

 「文章を書かなければならない」という意識や報酬は、モチベーションを支える「外発的動機」となります。外発的動機は、外側からの働きかけによってもたらされるもので、執筆への意欲を駆り立ててくれるもととなります。

 他方で、文章を書く習慣によって「もっと書きたい」「もっとうまくなりたい」などの気持ちが生じてくれば、それが「内発的動機」となります。外側からの働きかけがなくても、自分から執筆に向かっていける意欲となるのです。

 そのように、外発的動機と内発的動機をうまく活用すれば、文章を書く習慣はより促進されていきます。書こうと思わなければ、書かないことも可能ですが、それでも書いていくという習慣が文章力の上達に寄与することでしょう。

■執筆習慣によって獲得できる意外なものとは

 実は、執筆の習慣によって得られるものは、文章力や文章を書くスキルだけではありません。実は、文章を書くことによって、「論理性」や「忍耐力」「精神力」「学ぶ力」など、さまざまな能力が養われます。

 もともと文章というのは、文字によるコミュニケーションであるため、論理性が不可欠です。井戸端での会話のように、ただダラダラと文字を並べているだけでは、相手に伝わる文章となりません。つまり、何がいいたいのかわからない文章となってしまいます。

 そこで、文章を書いていると、何を、どのような順番で書けばいいのかと自然に考えられるようになります。それがまさに、論理性を鍛えることになるのです。大切なのは、伝える事柄と伝える順番、そしてそれらを踏まえた構成です。

 結局のところ、文章というのは文字の羅列に過ぎません。その文字の羅列によってコミュニケーションができる理由は、個々の単語に意味があり、文章の順番にも意味があるためです。それは、あらゆる言語に共通する「文法」と言い換えてもいいでしょう。

 そのように文法をふまえた文章を並べていき、大きな意味のまとまりとなっているのが「段落」で、その段落をすべて含めた全体の文章が「文」となります。このように、文章の全体像を知れば、自ずと論理性が養われる理由もわかるかと思います。

 また、忍耐力や精神力については言わずもがななのですが、毎日書かなくてもいい文章をあえて毎日書くことによって、我慢する力や心を鍛えることにもなります。白紙の原稿用紙に毎日むかうだけでも、心は強くなるのです。

 そして、忘れてはならないのが学ぶ力です。小学校や中学校などの学校教育は誰もが経験しますが、自分で学ぶ力については、自発的に取り組まなければ養われません。その点、文章を書こうとする習慣は、学ぶ力を養うきっかけになります。

 そもそも文章というのは、人から話を聞いたり本を読んだりなど、何らかの情報を得なければ書けません。書けたとしても、自分の考えをただ披瀝するだけの浅いものとなってしまうでしょう。そこからさらに先へ進むには、情報の活用が欠かせません。

 最近ではあれば、インターネットからもさまざまな情報を入手できますが、それらの良し悪しを判断するという意味においても、新聞、雑誌、書籍など、幅広い情報にふれることをオススメします。そのような活動から、情報リテラシーが高まります。

 日常的に文章を書いていることが、やがて情報に対する感度を高め、情報感度が高まることによってさらに文章もよくなっていく。このような好循環を生み出せることこそ、習慣的に文章を書くことのメリットではないでしょうか。

■まとめ

・執筆は習慣化することが大事
・習慣化することによって上達する
・文章が書けない人はハードルを下げてみよう
・継続するために内発的動機と外発的動機を活用しよう
・書く習慣にはさまざまなメリットがある

 文章を書く習慣を身につけて、書くことによって、自分自身を鍛錬していきましょう。

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