「ブログ記事」は、現代において、誰もが気軽に活用できる情報発信ツールとして定着しています。ワードプレスなどを使って自らブログを立ち上げてもいいですし、あるいは既存のブログサービスなどを使って、誰もが簡単にブログ記事を書けるようになりました。
個人での情報発信ツールとしては、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどのソーシャルメディアに加えて、動画を中心としたユーチューブを利用する人も増えています。目的はさまざまですが、その多くは情報を発信するために使われています。
また、ブログもそうですが、情報を発信する意図はさまざまです。「言いたいことがある」「自分や自分の活動について知ってもらいたい」「仲間がほしい」など、情報を発信することによって実現したい何かは、人によって異なるかと思います。
ただ、意図は異なっていたとしても、他人に対して何かを伝えようとする行為である以上、そこには一定の「他人を変えたい」という感情があると考えられます。つまり、情報を発信することによって、「他人に行動を促す」のが1つの大きな目的と言えるのです。
ブログ記事も同様で、自分が何らかの記事を書いたことによって、それを読んだ人の考え方が変わり、実際の行動にも変化が生じていく。そのようにして、書いたブログ記事が変化をもたらすことが、1つの目的であり、書いたことのゴールとなります。
たとえ自分のことばかり書いているブログであっても、それを読んだ人の考え方が変わり、行動が変われば、そこに一定の価値があると考えられます。そのためブログ記事は、どんなことを書いていても、「何かを変える」可能性があると言えるのです。
■ブログでは何を書けばいいのか
では、ブログ記事ではどのようなことを書けばいいのでしょうか。前提として、とくに個人のブログであれば、書くべき内容は「自由」です。今日の出来事を書いてもいいですし、意見があればそれを書いてもいい、あるはお知らせなどを書くのもいいでしょう。
いずれにしても、書きたいことを書いていいのがブログの醍醐味です。それによってどのくらいの人が見てくれるのかは内容によって変わるものの、とりあえずブログ記事を書くということであれば、まずは肩の力を抜いて「何でも書いていい」と理解することです。
そのうえで、最低限のマナーとして、「無闇に他人を傷つけない」「嘘の情報を流さない」「最低限の配慮をする」など、どの媒体を使っていても守るべき基本ルールを踏襲しておけば、あとは、どんな長さのどんな文章を書いても問題ないでしょう。
一方で、企業の担当者がブログを書く場合には、より目的を明確にする必要があります。ほとんどの場合は、その企業や商品のことを宣伝するための記事になるかと思いますが、目的を明確にし、かつ効果測定がきちんとできるよう、心がけておく必要があります。
たとえば、「Aという商品を多くの人に知ってもらいたい」というのであれば、Aという商品の購入対象者(ターゲット)について知り、その見込み客が求めている情報をブログ記事で作成しつつ、さりげなくAについても解説していくのが基本となるでしょう。
その際には、「読者にどうなってもらいたいのか」を考えることが大切です。もちろん、A商品を購入してもらうことが最終的なゴールになりますが、それだけではなく、段階として「知ってもらう」「良さを理解してもらう」「ファンになってもらう」なども必要です。
そのような段階を経て、最終的にA商品だけでなく自社のファンになってもらえば、顧客が自ら宣伝してくれる状況をつくれます。とくに現代は、ファンによる拡散(かつての「口コミ」)がとても重要です。それもまた、ブログで実現するべき事柄でしょう。
そうした点まで考えて、ブログ記事を書いていく必要があります。そのためには、「書くべき内容」「書くべき記事数」「執筆ペース」「執筆者」などをあらかじめ検討しておき、スケジュールに沿って書いていくことが大切です。
■ブログを書けなくなってしまう理由
さて、個人にしても法人にしても、ブログ記事を書くうえで最も問題となるのは「続けられない」ことです。つまり、最初は意気揚々と書きはじめるのですが、途中で書くことがなくなり、やがて書けなくなってしまう状態です。
これは、あらためて言うまでもなく、ブログ運営における最もポピュラーな「あるある」です。そのため、事前に「なぜ書けなくなってしまうのか」を考えておくことは、失敗を避けるために重要なことと言えるのです。
では、なぜ途中で書けなくなってしまうのでしょうか。その理由は主に3つあります。
1.書くことがなくなってしまう(内容)
2.書く理由がなくなってしまう(目的)
3.書く意欲がなくなってしまう(動機)
1つ目は「書くことがなくなってしまう」です。これは「内容」と言い換えてもいいのですが、何を書けばいいのかわからなくなってしまった結果、筆が止まり、やがて書けなくなってしまいます。これは非常によくあるケースです。
2つ目は「書く理由がなくなってしまう」です。何らかの目的をもって書き始めたブログも、成果があがらなかったり、成果が見えなかったりする場合、動機を見失ってしまいかねません。当初から書く理由を明確にしていなかった場合はなおさらです。
3つ目は「書く意欲がなくなってしまう」です。これは「書く理由」にも近いのですが、ブログ記事を書く自分の背中を押すものが見えなくなり、モチベーションが下がっている状態を指します。意欲の源泉となる要素が認識できていない場合に起こります。
このように「内容」「目的」「動機」の3つが欠けていると、ブログ記事を書き続けることができず、どこかの段階で行き詰まってしまいます。そのため、ブログを書こうと思った当初から、これら3つについてきちんと考えておくことが重要となります。
■ブログ記事を書き続けるために必要な3つのこと
そのうえで、ブログを書き続けるためのポイントについて確認しておきましょう。「書き続けられない理由」についてはすでに解説しましたので、その裏を返して、それぞれをあらかじめ考えておくようにするだけです。
具体的には、次のとおりです。
1.書くべき内容をピックアップしておく(インプットとアウトプット)
ブログを更新している段階で書くことがなくなってしまう状態は、あらかじめ、継続的に書いていくための「インプット」と「アウトプット」の方針が明確でないために生じます。そのため、事前にこれらを検討しておくことが大事です。
ブログ記事に限らず、どんな文章でも、インプットとアウトプットによって成り立っています。インプットというのは書くべき内容の土台となる情報のこと。アウトプットとは、その情報を文章として伝えるためのテクニックを指します。
具体的には、「どのような情報を」「どのような方法で」「どのように集めてくるのか」がインプットの基本です。たとえば経済ニュースの解説をしたいのなら、「あらゆる経済ニュースを」「◯◯新聞から入手し」「切り抜いておく」などが必要でしょう。
そのようにして、次に書くべきブログのネタを収集できるようにしておきます。日々、ネタが着実に蓄積されていれば、次の書くべき事柄がなくなるということはありません。できれば、何も考えずにインプットができる習慣をつくっておきましょう。
他方でアウトプットに関しては、「記事の構成を考えておく」のが基本となります。具体的には、「何を」「どのような順番で」「どのくらい書く」などとあらかじめ決めておけば、書くべきことを文章としてまとめる際に悩むことがありません。
とくにブログ記事であれば、「タイトル」「リード文」「本文」など、必要な項目はそれほど多くありません。そのため、それぞれの方針を決めておきつつ「文体(ですます・である)」「文字数」「トンマナ」なども決めておくといいでしょう。
こと継続という点で考えると、毎回のごとく記事をいちから「創作」する必要はありません。大枠としての構成は決めておき、そこに新しいネタとしての記事をあてはめていくとイメージすれば、継続して書き続ける際の負担も押さえられます。
2.何のために書くのかを明確にしておく(ゴール設定)
次に、「何のために書くのか」についても考えておきましょう。「何のために」は、内容ではなく、主に「目的」の部分に関係しています。つまり、「何のためのブログ記事を書くのか」「何のためにブログを運営するのか」ということです。
最初は「とりあえずブログを書いてみよう」というのでもいいのですが、それだとゴールが見えなくなってしまい、途中で書く意欲が失われてしまいます。そのため、いつでもブログ記事を書く目的を認識できるよう、明確にしておく必要があります。
この場合のゴールというのは、最終的なゴールだけでなく、段階できなゴールも含みます。たとえば数値データとしての「PV(ページビュー)」をゴールに設定するのであれば、「1記事あたりの(PV)」「1ヶ月あたりの(PV)」について、目標を定めておくといいでしょう。
ただし、目標と目的は異なります。目標は達成すべき事柄(数値)ですが、目的はその目標を達成することによって実現される何かです。そのため、目標ばかり注目した結果、いわゆる「PV至上主義」などに陥らないよう注意しておく必要があります。
目標としてのPVがあったとしても、目的として「会社のことを知ってもらう」「商品Aを買ってもらう」「ファンを増やす」などを掲げているのであれば、必ずしもPVだけに左右されるのではなく、得られる反応や拡散傾向、業務への影響なども考慮するべきです。
このように、目的と目標という2つの指標からゴールについて考えておくと、何のためにブログ記事を書いているのかが明確になります。目的がはっきりしていれば、書くべき内容にもブレがなく、また継続していく必要性も認識できるでしょう。
3.書き続けるためのしくみをつくっておく(脱モチベーション)
3つ目は「書き続けるためのしくみづくり」です。これは「脱モチベーション」と言い換えてもいいのですが、つまり、モチベーションやその場の「やる気」に左右されないよう、あらかじめブログ記事を書くペースを決めてしまうということです。
事前に書くペースを決めていない人は、「今日はがんばって2記事書こう」「今日はやる気がないから書かなくていいか」など、アウトプットにバラツキが出てしまいます。それは、量という点からはもちろん、質にも反映されることになるでしょう。
ただそれでは、安定的にブログを書き続けることはできません。ブログを継続していくには、意志やモチベーションに頼らない仕組みをつくっておく必要があります。ルールと言ってもいいのですが、それを決め、しっかりと守っていくことが大事です。
たとえば、「1日1記事」「1500文字」「10:00〜12:00に書く」と決めたら、それを何があっても守ります。守れないようであれば、「なぜ守れなかった」のかを考え、守れるようにルールそのものを変えていきます。
最初のうちは、継続を重視してハードルを下げて構いません。2日1記事でも、1日800文字でもいいでしょう。ただし、「毎日書く」ということだけは忘れないようにしてください。ルールというのはあくまでも、習慣をつくるためにあるからです。
習慣というのは、歯磨きや体操のように、続けていればいるほど「自然とやってしまう」「やらなければ気持ち悪くなる」ものとなります。ブログ記事の執筆も、そのレベルまでもっていければ、継続するのはとても楽になるのです。
毎日、何も考えずに歯磨きをしている人は、それが習慣になっているため「よし、今からがんばって10分間、歯磨きをするぞ!」とは考えていません。意志やモチベーションなど考えることなく、ただ粛々を歯を磨いているだけです。
最初のうちは億劫に感じることもあるかと思いますが、続ければ続けるほど、作業そのものが無意識に行えるようになります。無意識に行えるようになれば、労力が減り、気力を振り絞って行為する必要がなくなります。
また、継続している日付や時間を記録しておけば、努力が蓄積されている状況を見える化できるため、より続けやすくなるでしょう。そのようにして、継続的にブログを書き、ブログの書き方をマスターしていきましょう。
■まとめ
・ブログの目的は「読者の行動を促す」こと
・ブログ記事は書き続けることに意味がある
・ブログを継続できない理由は次の3つ
1.書くことがなくなってしまう(内容)
2.書く理由がなくなってしまう(目的)
3.書く意欲がなくなってしまう(動機)
・ブログを書き続けるための工夫とは
1.書くべき内容をピックアップしておく(インプットとアウトプット)
2.何のために書くのかを明確にしておく(ゴール設定)
3.書き続けるためのしくみをつくっておく(脱モチベーション)
・習慣化してブログを書き続けよう!
何を書いてもいいブログだからこそ、きちんと準備して、継続的に書いていきましょう。