2014年6月。「STAP細胞論文の撤回」「維新の会の分党」「富岡製糸場の文化遺産登録」そして「「2014FIFAワールドカップブラジル大会」の開幕」など、さまざまなニュースがありましたね。
そんなジメジメの季節に発行された書籍の中から、独断と偏見で選んだ「2014.6月 ベスト5」をご紹介します。
1.『戦争と性』
戦時下と平時、双方における「性のあり方」について深く考えさせられた一冊でした。書評記事はコチラ(「なぜ「従軍慰安婦問題」はナンセンスなのか」)です。
2.『フォトジャーナリストが見た世界: 地を這うのが仕事』
同じフリーランサーとしてだけでなく、仕事に対する真摯な姿勢についても多くの共感を得ました。このように、大変なわりに報酬が少ないけど意義深い仕事がもっと認められる世の中を切に望みます。
3.『ローマ帝国の崩壊: 文明が終わるということ』
ゲルマン民族の侵攻によって、当時のローマ人たちの生活はどのように変化したのか。豊富な資料とともにその大きな謎に迫る意欲作です。ローマ帝国好きの方はぜひ。
4.『思想史の名脇役たち: 知られざる知識人群像』
カミュ、アラン、サルトル……。誰もが知っている思想家のそばにいたのは、思想史の名脇役たちだった。たとえ名前が知られなくとも、活動そのものに意義を見いだせるようになりたいですね。
5.『イスラーム世界の挫折と再生――「アラブの春」後を読み解く』
日本人にとって、イスラーム世界の混迷は理解し難い出来事のひとつ。しかし、だからと言って目を背けてしまうのは先進国に住む者として恥ずかしいことです。アラブの春について改めて考えてみましょう。
<所感>
今月の5冊は奇しくもすべて「戦争関連」になりました。人類の歴史が戦争の歴史である以上、戦争を研究し、戦争に言及するひとは減ることはないでしょう。ただし、そのすべてのひとが共通して平和を希求していることを僕は信じてやみません。
おまけ.『編集者になろう!』
コチラの記事(「電子書籍はどこへ行く?」)にも書きましたが、これからのライターには編集者としての能力が必須です。ポイントは「企画力」「人脈力」「編集技術」。本書は、これらについて詳しく解説しています。