小論文の書き方

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パラグラフの考え方を発展させ、複数の文としてまとめたものが「小論文」です。感想文や随筆、エッセイと異なり、形式に規則があるのが特徴です。

規則とは、「序論ー本論ー結論」の3つのパートによって構成されているということ。パラグラフにおける「トピック・センテンスーサポーティング・センテンスーコンクルーディング・センテンス」の関係性と似ています。

こちらでは、小論文の具体的な書き方について解説していきます。
(参考:『大学生・社会人のための言語技術トレーニング』


小論文の形式

すでに述べたとおり、小論文の形式は次のとおりです。

1.序論
→テーマの提示、話題の制御、主張(論題)

2.本論
→序論をサポートする根拠の提示

3.結論
→序論で示した主張(論題)の再提示

序論の書き方

序論は、次の4つの文から構成されています。

1.一般的な事柄
2.背景
3.主張への橋渡し
4.主張(論題)

イメージとしては、一般から固有へと話題をうつす「逆三角形」型となります。

本論の書き方

本論は、主張の裏付けを行うために、複数の文で根拠を示します。序論と同じく逆三角形型(強→弱)で展開するのが一般的ですが、とくに相手を説得したい場合には三角形型(弱→強)にて展開します。

結論の書き方

結論では、これまでの内容をまとめ、主張を再提示します。このとき、固有の主張をただ再提示するだけでなく、一般的な話題へと広げるのがポイントです。イメージとしては、固有から一般への三角形型となります。

アウトライン(目次)

序論・本論・結論に書くべき内容を理解したら、執筆の準備として「アウトライン(目次)」を作成しましょう。アウトラインについても、基本的には、論文の型を活用します。

<アウトラインの例>
1.序論
一般的な話題
背景
主張への橋渡し
主張(論題)

2.本論
 2.1根拠①
 2.2根拠②
 2.3根拠③

3.結論
主張(論題)
主張を一般的な話題へ
一般的な話題

小論文を書く際の注意点

小論文を書く際には、次の点に注意が必要です。

①日本語特有のあいまいさをなくす

小論文や論文を書く際には、あいまいさをなくさなければなりません。そこで、次の点に留意しておきましょう。

・主語を明確にする
・5W1Hを提示する(いつ、どこで、だれが、なぜ、なにを、どのように)
・「事実」と「意見」とをわける

②空間配列のルールに従う

「空間配列」とは、空間的な情報のことです。空間配列の情報を説明する際には、決まったルールがあります。次のとおりです。

<大原則>
・概要から詳細
・全体から部分
・大きい情報から小さい情報

<小原則>
・左から右
・上から下
・手前から奥
・外から中

具体的には、①説明に必要な項目をピックアップし、②優先順位を考え、③それぞれの説明方法を検討していきます。

例)日本国旗の説明
日本の国旗は次のような姿をしている。国旗の形は長方形で、比率は縦2、横3。下地は白。中心に赤い円がある。円の大きさは全体の4分の1ほど。太陽をイメージしており、「日の丸」とも呼ばれている。

③パラグラフを活用する

小論文を書く際には、パラグラフの知識も活用します。パラグラフについての詳細はコチラ

まとめ

小論文やパラグラフの基本である「序論ー本論ー結論」という形式は、あらゆる文章に応用できます。論理的な文章を書きたいと思ったら、ぜひ、意識してみてください。

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