【放送大学大学院・修士全科生】第1次試験(筆記試験)の傾向と対策

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放送大学大学院(修士全科生)の第1次選考は、「筆記試験」です。学生募集要項には、次のように書かれています。

プログラム毎に筆記試験を行い、「与えられた課題に対する理解力および論述能力」を判定し、第1次選考の合格者を決定します。第1次選考の合格者はプログラム毎に募集人員の2~3倍までとします。

(試験は所属を希望する学習センターで実施)

http://ouj-dp.web-creek.com/pdf/2019-1e1.pdf

つまり、第1次選考の筆記試験では「①課題への理解力」「②論述能力」が問われるということです。この点をふまえて、試験に臨む必要があります。

出題内容および持込みに関する事項は、次の表にまとめられています。

あわせて、2019年度における入学者選考結果(合格率)もチェックしておきましょう。臨床心理学以外は、おおむね2倍前後となっているのがわかります。

過去問の入手方法

過去問については、放送大学大学院のホームページで過去3年分が公表されています。

過去問題一覧

それ以前の過去問については、国立国会図書館インターネット資料収集保存事業のページでも紹介されている「Wayback Machine」から一部閲覧可能です。

平成26年~28年
平成24~26年

社会経営科学プログラム試験の分析

このうち、社会経営科学プログラムについて、試験の内容を分析してみましょう。

まず、出題内容については「専門科目」「英語」があります。英語については、英和辞典の持込みが可能です(電子辞書は不可)。

過去問を見てみると、それぞれ、各年度の出題内容は次のとおりです。

<専門科目>

2019
・CSR(企業の社会的責任)
・企業において生産活動を行う際に考慮すべき重要な目的(環境要因の影響)
・外国人労働力

2018
・外国人労働者
・社外取締役の評価
・働き方改革

2017
・同一労働同一賃金
・株式の所有構造がコーポレート・ガバナンスに与える影響
・産業とは何か(日本の産業構造の特色)

2016
・ROEの数値目標
・大卒新卒採用の課題
・産業とは何か、具体的な産業政策について

2015
・産業クラスターとは
・社外取締役の評価
・職能資格制度(メリット・デメリット)

2014
・ワーク・ライフ・バランス
・官民の連携
・日本の産業構造の特色、今後の変化
・TPPとは

2013
・企業の外部環境と内部環境
・グローバル化が国内雇用にもたらすもの

2012
・経営戦略とは
・コーポレート・ガバナンスとは

<英語>

2019
・1000字以内で要約
・Ministry of Economy, Trade and Industry:White Paper on International Economy and Trade(経産省)
https://www.meti.go.jp/english/report/index_whitepaper.html

2018

・4個中2個のパラグラフを和訳。合わせて1000字以内

・The ministry of foreign affairs.Japan:Diplomatic blue book 2016(外務省) https://www.mofa.go.jp/policy/other/bluebook/index.html

2017
・6個中2個のパラグラフを和訳。合わせて1000文字
・G7 Ise-shima leaders declaration (外務省)
https://www.mofa.go.jp/files/000160266.pdf
https://www.mofa.go.jp/policy/economy/index.html

2016
・1600文字以内で和訳
・高橋和夫氏 未公刊エッセイ

2015
・1600文字以内で和訳
・高橋和夫 イラク

2014
・1600文字以内で和訳
・(出典未記載)

専門科目の傾向と対策

上記の結果をふまえると、社会経営科学プログラムにおける専門科目は、

①企業経営への関連・影響が大きいと考えられる政策の概要
→外国人労働者、働き方改革、同一労働同一賃金など

②経営学の基本キーワード
→CSR(企業の社会的責任)、環境要因、社外取締役の評価など

③その他
→産業、産業クラスターなど

の3点を押さえておく必要がありそうです。具体的な対策としては、

1.最新の政策、時事ネタを押さえる(新聞を読む、ニュースを見る、時事系の本を読む、重要事項を文章でまとめられるようにする)

2.経営学の基本キーワードをまとめておく(経営学(入門書)を読む、重要事項文章でまとめられるようにする)

などが挙げられます。加えて、論理的な文章を書くためのトレーニングも必須です。

※参考:論理的な文章の書き方

英語の傾向と対策

次に英語ですが、問われているのは長文の要約力です。具体的には、英文の大意をきちんとつかみつつ、1,000文字単位でまとめる力が求められます。

傾向としては、ここ3年間で経産省(Ministry of Economy)と外務省(The ministry of foreign affairs)の英文が使用されていることから、「政府系+経済関連」の文章が狙われそうです。

あらかじめ、経産省や外務省の英語版サイトをチェックし、辞書を使ってでも読めるようにしておくことが必要です。

・経済産業省
https://www.meti.go.jp/english/report/index_whitepaper.html

・外務省(ブルーブックなど)
https://www.mofa.go.jp/policy/other/bluebook/index.html
https://www.mofa.go.jp/policy/economy/index.html

理解力と論述能力が合格のカギに

このように、放送大学大学院の第1次選考(筆記試験)では、専門事項および英語への理解力と、論述能力が問われます。

第1次選考本番までに、これら2点を学修しておきましょう。

論理的な文章の書き方については、「論文の書き方」にまとめてありますので、ぜひ参考にしてみてください。

論文の書き方
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