いかにして普通の人がやりたいことを仕事にできるのか?

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やりたい仕事に対していかにアプローチするかということは、そうそう簡単な話ではありません。真剣か遊び半分のたんなる夢想かは問わないにしても、やはりそれなりの覚悟と精神力が必要となります。かくいうわたしも、どうにかこうにか口に糊する暮らしではありますが、ほぼほぼやりたいことができている。

このことは幸運だと思うしかないのですが、反面、あるいは誰にでもできることなのだろうと感じています。事実、周囲には、わたしと同等かもしくはそれ以上に「大丈夫かな?」と思われる人がとりあえず生活していて、好きな仕事をしている。そう考えると、もっとラフでいいのでしょう。


そもそも、仕事などと言うものは人生の一部であって、必ずしも死ぬほど真剣に考えるべきものではありません。食って寝て、休息したり遊んだりすることが人生の大半なのですから、キャリア形成などと難しく考えずに、自分の適性をなんとなく判断しながら職に就けばいい。結局のところ、天職などというのは幻でしかありませんし、自分が天職だと思えば何でも天職なわけですから。もちろん、得意不得意はあるので、とりあえず取り組んでみて実際のところを体感するのが手っ取り早いでしょう。10年、20年、あるいは30年のキャリアなど、「たかだか30年」でしかないのですから。後生大事にするほどのものとは思えません。

それよりも、確実に削られている一度しかない人生の時間、これだけはなんとしてもムダにしたくない。また、自分の人生を振り返ることはできても、過去に戻って選択しなおすことはできないのですから、ウジウジ考えても仕方ありません。わたしは何でもすぐに忘れる人間なのですが、過去の思い出はたいてい夢の中でしか思い出すことがないのです。とくに、お酒を飲んだ日の夜にみるのは、昔の友人や知人とのやりとりが多いですね。そのたびに「ああ、そういうこともあったっけな」と、エンターテイメントのように楽しんではいますが。つまり、過去などというのはその程度の価値しかないのです。フランクリンも言ってますね。“今日という日は、明日という日の二倍の価値がある”

もちろん、生活のことや家族のことを考えると、そうそう簡単に決断できないのはわかります。わたしだって、毎日の生活の中でまったく不安がないわけじゃない。ただ、不安を気のせいだとごまかしてしまわずに、日々の仕事に全力を尽すことだけは怠っていない。だって、そうするしかないじゃないですか。まさか、不安を抱えたまま部屋の隅っこでうずくまりながら一日を過ごすことなど、できるはずがない。それこそ、不安がつのる一方です。いいんです。自分で決めたことなのですから。あとは、自分自身を信じてひたすら前に進んでいくだけ。自信だって、根拠なんかなくてもいい。

そうやって生きていると、これが不思議なもので、ピンチの時には必ず手が差し伸べられる。理由は分かりませんが、きっと、目に見えない火事場のクソ力がはたらいているのでしょうね。それは、物理的な筋力ということではなく、人脈とか運とかそういったものまですべて。それが、どうにかこうにか危ない時期を乗り越えさせてくれる。そして、後から思い返してみると、ただの笑い話にしかならない。人生、どんなに安定しているようにみえても、結局はそういった波の連続なのではないでしょうか。どれだけ慎重に生きていても、明日交通事故にあってしまう可能性はゼロじゃない。でも、一方で、明日運命の相手に出会う可能性もゼロじゃないのです。

もっとも恐るべきなのは、自分が活用できるすべての資源を浪費してしまうこと。時間もお金も人脈も、あるいはスキルや経験、運なんかもそうでしょう。飛び込めば、かならずチャンスは巡ってくる。そうしたときに、準備不足だとか決心ができないとか言いながらチャンスをものにできなければ、それはやはり不幸でしょう。たまたま昨晩飲み過ぎちゃっただけだとしても、もう、同じチャンスは二度と巡ってこない。もし、安定した立場ではなく、毎日が緊張の連続の中で生きていたとしたら、たまたま飲み過ぎちゃったなんてことあるのでしょうか。

言い訳をするのは簡単ですし、そうやって自分を納得させるのはもっと簡単です。また、挑戦して失敗した人や、不幸になった成功者の末路をみて溜飲を下げるのも、手っ取り早いエンターテイメントとなる。ただ、過去の失敗や辛い体験を思い返すことなく、ただただ夢の中で楽しむというのも、それはそれで楽しいものです。だって、現実の世界では毎日が新しい挑戦にあふれているのですから。究極的には、自分の人生を自分自身で決定する、それが最大の幸福なのかもしれません。そのときに、周囲には自分と似たような人が集まっている。これまでの人生が成功だったのか、あるいは軌道修正が必要なのか、そうやって判断しながら生きていければ、後悔なんてありませんね。

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