会社員と比較したとき、フリーランスは、どうしたって「職業訓練」の機会が限られています。とくに、OJTが主流の日本社会では、その傾向が強いです。そのためフリーランサーは、何らかの方法で、自ら職業訓練を行っていく必要があります。
では、キャリアアップをめざすフリーランサーは、どのようにして学習していけばいいのでしょうか。その方法について考えていきましょう。
フリーランスの職業訓練とキャリア形成
「キャリア形成」という観点から、職業訓練は非常に重要です。フリーランスにおける最大の悩みは、仕事の量と、それに伴う収入が安定しないこと。そしてその問題は、キャリア形成と密接に関連しています。
ここでいうキャリアとは、どのような(企業の)業務に従事し、どのような職務を行い、どのような成果をあげ、どのようなスキルを身につけてきたか、といった事柄の総称です。そしてそれらは、フリーランサーの活動に大きく影響します。
フリーランサーはキャリアによって判断される
たとえば、フリーのライターの場合。企業から執筆の依頼を受ける際には、過去に「どのような記事(質)」を「どのくらい(量)」「どのような納期(期間)」で書いてきたかが問われるでしょう。
同様にフリーのプログラマーであれば、「どのようなプログラム(質)」を「どのくらい(量)」「どのような納期(期間)」で提供してきたかが問われる。そこで、実力が値踏みされるためです。
一般ユーザーに商品やサービスを提供している場合も、事情は同じです。誰しも、経験と実績が豊富な人から商品・サービスを購入したいと考えるはず。やはりそこでも、過去のキャリアが問われるわけです。
キャリアが継続性を担保する
活躍しているフリーランスというのは、すべからく、短期ではなく長期で活動しています。それは、あらゆるビジネスが「ゴーイング・コンサーン」を前提としているように、継続することで、成長・繁栄していけることと同義です。
そして、継続して顧客を得るためには、それに見合うだけのキャリアが必要です。年齢とともに気力や体力の低下が避けられない以上、対外的に魅力的なキャリアを形成していかなければ、ジリ貧になってしまうでしょう。
そこで必要なのが職業訓練です。では、スキルアップやキャリアアップにつながる職業訓練には、どのようなものがあるのでしょうか。
学習をキャリア形成につなげよう
厚生労働省が主催している「雇用類似の働き方に関する検討会」の資料を見てみましょう。ここでは、いわゆる「独立自営業者(フリーランス)」が、どのような方法で仕事に必要なスキルを身につけているのかが紹介されています。
たとえば、「独立自営業の仕事に必要なスキルや能力をどこで身につけたか(複数回答)」という設問では、以下のような結果となりました。
一方で、「独立自営業の仕事を行う上で、最も役立っているスキルや能力をどこで身につけたか(複数回答)」という設問でも、似たような結果となっています。
このような結果から、「会社での経験」や「学校での教育」などを除くと、キャリア形成につながるフリーランサーの職業訓練は、次の5つに集約されます。
1.関連書籍等を使った自主学習
2.業界団体・職業団体(協会等)の研修
3.通信教育やインターネット上の講習(eラーニング)
4.取引先や同業者との勉強会・セミナーなど
5.クラウドソーシング企業などが提供する勉強会・講習会・セミナーなど
これらをさらにまとめると
①内学習(書籍・eラーニングなど)
②外学習(勉強会・講習・セミナーなど)
の2つに分類できます。
これらのうち、使える費用や時間に加え、自分が何によって多くを学べるのかをふまえつつ、最適な学習方法を組み合わせていくのが最良な方法と言えそうです。
個別の具体的なツールに関しては、別記事で考察したいと思います。
まとめ
キャリア形成につながるフリーランスの学習方法には、次の5つがある。
1.関連書籍等を使った自主学習
2.業界団体・職業団体(協会等)の研修
3.通信教育やインターネット上の講習(eラーニング)
4.取引先や同業者との勉強会・セミナーなど
5.クラウドソーシング企業などが提供する勉強会・講習会・セミナーなど
これらをさらにまとめると、次の2つに集約される。
①内学習(書籍・eラーニングなど)
②外学習(勉強会・講習・セミナーなど)
†
合わせて読みたい
フリーランスにおける4つのキャリアステージと、それぞれのステージで求められるスキル
これからの時代に活躍するフリーランスとは|「変革型フリーランス」の考察
†