一億総活躍社会という言葉における「活躍」の本質は、「多様性」にあると考えなければならない。また多様性こそ、次世代の働き方を象徴する言葉である。
そもそも、誰でもできることを、誰でもできる水準で行っていれば、活躍などあり得ない。それは、資本主義社会が生み出した格差をみれば一目瞭然だ。
これからの社会において、本来の意味で活躍したいのであれば、自分だけの“なにか”に特化する必要がある。その先に、個々人の活躍があるはずだ。
すでに、単純労働を中心に、ロボットやAIが仕事を担いつつある。こうした流れは、シンギュラリティまで加速していくだけだ。
そこで考えなければならないのが、どの分野に特化するべきか、ということである。特化する分野が見つからなければ、いつまで立っても探求することができない。
特定の分野を深化させ、極めていくには、探求が欠かせない。その先に、他人が価値を感じる専門性への道がある。
では、どのようにして専門分野を見極めればいいのだろうか。ひとつのヒントとして、一般常識では答えがでない「なんでそんなことを?」が挙げられる。
専門家として活躍している人の多くは、その功績は認められていても、多くの人は追随しようとしない。場合によっては、理解されないこともあるだろう。
だが、その理解されない探究心、それもごく個人的なこだわりから生じる探究心こそ、個性であり、多様性につながる要素たり得るのではないだろうか。
そこに、論理的でわかりやすい理由はない。あるいは、説得力のある説明ができないかもしれない。しかし、そもそも、こだわりに論理など不要なのだ。
ジャンルは問わない。常識も関係ない。そんな、自分だけの探究心を見つけることに時間を費やせるかどうかが、未来を決めることになる。