コンビニ店員に外国人が多い理由|コンビニ外国人

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 「コンビニの店員、やたら外国人が増えたよな」。そう感じている人であれば、本書『コンビニ外国人』はおもしろく読めることと思う。

 事実、都内近郊のコンビニに行くと、かなりの確立で外国人スタッフに出くわす。実は、その多くが、外国人留学生なのだそうだ。

 ただ、留学生と言っても、彼らの多くは大学生や大学院生ではない。専門学校や大学への入学を控え、日本人学校に通っている留学生とのこと。

 では、なぜ日本語学校に通う彼らは、コンビニで働いているのだろうか。その背景を紐解き、問題点や今後の課題について解説しているのが本書である。

 前提として、在留外国人の多くは、中国人、韓国人、ベトナム人、さらにはフィリピン人やネパール人などの“アジア人”である。

 政府統計のホームページに掲載されている「在留外国人統計」によると、2017年12月時点の在留外国人数は約256万人。そのうちアジア人が213万人と、実に8割を超えている。

 そうしたアジア人のうち、とくに留学生たちは、日本語の習得や日本での就業、あるいは日本の大学で学ぶことを目的として、日本に来ているいるわけだ。

 そして、日本語学校に通う彼らにとって、コンビニでのアルバイトは日本語の練習にもなる。複雑な日本語を必要としないため、まさにうってつけというわけだ。

 現状、都内のコンビニはどこも人手不足だ。コンビニにおける外国人留学生の実態はまさに、需要と供給がマッチしている結果と言える。

 ちなみに、外国人留学生であっても、大学や専門学校に進学してしまうと、あまりコンビニでは働きたがらないそうだ。割の良いアルバイトが他にもたくさんあるからだろう。

 今や、コンビニのアルバイトは、日本の学生から外国人留学生へと主戦力が移りつつある。そしてその背景には、日本とアジアにおける“需要と供給”がある。

 さらに今後、外国人労働者に関する議論が高まるにつれ、そこに潜むひずみが浮き彫りになるであろう。本書を読み、その端緒にふれてみてはいかがだろうか。

コンビニ外国人 (新潮新書)

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コメント

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