「もっと文字数を増やしたい」「文字量が多い文章を書きたい」。そう思っているのにも関わらず、どのように文章を増やせばいいかがわからない。そんな経験はないでしょうか。
たとえば、小論文やレポートの試験では、「◯文字以内で書きなさい」という出題も多いでしょう。ただ、指定された文字数よりあまりに短ければ、減点の対象となり兼ねません。
そのようなときには、「どうすれば論理的に文章を増やすことができるのか」、ひいては「そもそも論理的な文章ってどんな構成なんだっけ」ということを思い出してみてください。
そこに、文章を論理的なまま増やすコツが隠されています。
論理的な文章の構成
そもそも、論理的な文章はどのような構成で成り立っているのでしょうか。大きく分類すると、「①結論(主張)」「②根拠の提示」「③再結論」の3つです。
これら3つの要素をどのくらいの文字数で記載するのかによって、文章全体の文字数も決まってきます。つまり、これらのうちいずれかを増やせばいいわけです。
増やすべきは「根拠の提示」
ただし、これら3つのうち、最初と最後の「結論」に関しては、そう増やせるものではありません。なぜなら、ひとつの文章に結論はひとつしかないためです。
この結論を複数書いてしまえば、その文章は論理性を失います。言い換えれば、主張がブレてしまうということです。それでは、本末転倒でしょう。
では、どうすればいいのか。簡単です。根拠の主張を増やせばいいのです。そして根拠の主張において、より丁寧に、結論が導かれるまでの理由を説明するようにしましょう。
結論(主張)の形を変える
もっとも、同じことを何度も記載するだけではダメです。それでは、ただのしつこい文章になってしまいます。丁寧にとはつまり、誰にでもわかるように記載するということです。
読者は、一定の人物だけとは限りません。年齢、性別、住まい、価値観、知識量など、それぞれに異なっています。その点をふまえて、結論(主張)の形を変えてみてください。
たとえば、次のような異なる形が想定されます。
具体例
具体例とは、結論(主張)を表す具体的な事例のことです。たとえば、「雨降って地固まる」という現象の正しさを主張したいのであれば、「雨が降ると、土の中にある空気の空間が密着し、空間が埋まるため、地面は固まる」という表現になるかと思います。
体験
体験とは、結論(主張)について自ら(あるいは他人)が体験した内容について説明することです。上記と同じ主張でいうと、「事実、私が祖父の畑仕事を手伝っていたとき、雨の翌日になると、決まって地面が固まっていたものだ」などとなります。
引用
引用とは、結論(主張)に関連する専門家や有識者の話、あるいは文章を引用することによって、主張の正しさを裏付けることです。たとえば、「農林水産省の「土づくり専門家」で◯◯大学教授の◯◯氏の著書にも、……ということが記載されている」などとなります。
比喩
比喩とは、結論(主張)を何らかの言い換えによって表現することです。たとえば、「濡れた手で紙に触れると、紙がくっつくことがある。手と紙の間に水分が入り、隙間がなくなってひひっつくためだ。雨で土が固まるのも似たような原理である」などとなります。
具体例・体験・引用・比喩を活用して
このように、具体例・体験・引用・比喩を活用すれば、文章の論理性を補完しつつ、文章を増やすことができます。
どうしても文章が短くなってしまう人は、結論(主張)の形を変え、論理性を維持したまま文章を増やしていきましょう。
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