可否も含め、1つ1つの案件に対し真摯に向き合うということ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「貧すれば鈍する」というのは、フリーランスの世界でも同じです。目先のお金だけを考えてしまえば、その仕事が良いものなのか、悪いものなのかの区別がつきにくくなってしまいます。良い・悪いとは、つまり、「自分がその仕事をやるべきかどうか」という観点からの、冷静な判断力のことです。

もし、目先のお金ばかりに気をとられていると、「お金」以外の部分に気を使うことができにくくなります。たとえば、フリーランスを含めたビジネスパーソンにとって重要な「時間」「労力」「実績」。そういったものを度外視して、金額だけで、仕事を選ばざるを得なくなる。

本来であれば、仕事は「やる価値があるから」こそやるべきです。だれかに与えられる(受動)ものではなく、自ら取りにいく(能動)。その姿勢こそが、実力の発揮という観点からも、精神衛生上も好ましい。とくにフリーランスは、それをするために独立しているはずです。

しかし、お金がなければ、そうも言っていられません。どんなに悪条件でも、どんなに胡散臭い案件でも、取りにいかざるを得なくなる。そのような苦しいとき、未来を見すえて踏ん張れるかどうか。業界そのものの健全化を期待して、毅然とした態度をとれるかどうか。真価が問われるところです。

条件が合わなければ、素直にNoでいい。仕事がないのであれば、現状を見直すチャンスととらえて改革する。いずれにしても、「これまでのようなやり方」にすがりついているようでは、時代の変化に取り残されてしまうだけです。

取引先との関係性についても、つねに、見なおすべきだと思います。「このクライアントに嫌われたら終わりだ」などとビクビクし、接待と媚売りをくり返すぐらいなら、好きなことをして慎ましい暮らしをする。そのほうが、いくぶん人間らしいと思うのです。

フリーランスの教科書 (星海社新書)
見田村 元宣 内海 正人
講談社
売り上げランキング: 89,898
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です