フリーランスにとって、仕事がないという状態は、恐怖でしかありません。会社員ならいざしらず、仕事がないフリーランスとは、言うなれば無職状態と変わりません。
だからこそ、必死になって仕事を獲得しようと努力する。ただ、努力する方向性として、どうしれも受け身になってしまうため、割にあわない仕事もつい受けてしまう。悪循環です。
では、そのような事態にならないために、フリーランスはどのような戦略をもって活動するべきなのか。やるべきことはたった1つ。「業務の先鋭化」です。
弱者の戦略「ランチェスター」
すべてのフリーランスは、こと“対企業”を考えた場合、弱者であると言えます。弱者である以上、量や価格で勝負しようと思っても、いずれはジリ貧になってしまいます。
そこで、弱者の戦略として有名な「ランチェスター戦略」を活用します。ランチェスター戦略とは、いずれかの競合局面でナンバーワンをめざすこと。とても単純な方針です。
競合局面とは、ライバルと競い合っている市場における、「地域」「顧客」「商品」「流通」などの各要素のことです。このいずれかで、ナンバーワンをめざします。
ナンバーワンになるだけが獲得できるもの
ある局面においてナンバーワンになることが、なぜ生き残りにつながるのか。その理由は、ナンバーワンだけがもつイメージや、独占性にあります。
よくあるたとえとして、「日本でいちばん高い山は富士山ですが、2番目に高い山を知っていますか?」というものがあります。つまり、わたしたちはつねに1番を意識しているのです。
それはあらゆるビジネスでも同様です。いちばんが多くのものを独占し、2番以下は大きく水をあけられている。事実、さまざまな業界の実態はそのようになっています。
決めるのは「やらないこと」
では、フリーランスがランチェスター戦略を実践するには、どうすればいいのか。わたしは「やらないことを決める」に尽きると思います。決めるのは、行動ではなく非行動。
つまりは、徹底的な取捨選択です。それも中途半端なものではいけません。どの分野でナンバーワンになるのか、なれるのかを考えたら、とにかくそのためだけに努力をすること。
ただでさえ、使えるリソースが限られているフリーランスは、そのように業務を先鋭化する以外に方法はありません。リスクをとって“やらないこと”を決める。それだけです。
まとめ
「言うは易く行うは難し」という言葉があります。言うだけなればだれでもできる、というものですね。しかし、フリーランスにとってのランチェスター戦略は、行うも易しです。
なぜなら、自分で自分のことに責任をもって、どの分野に先鋭化するのかを決め、あとは曲げなければいいだけ。決断できないのであれば、自分には向いていないとあきらめましょう。
結局のところ、わたしたちが使える武器は限られています。資源も時間もわずかです。全員を倒すのは不可能です。だからこそ、いきなり大将を倒す以外に、方法はないのです。