「良い文章を書きたい」。そう思うのは、すべてのライターに共通することです。しかし、ときに良い文章を書きたいという思いが、顧客の満足度を下げてしまうことも事実。だからこそ、プロのライターは、いつでも「顧客思考」をもっておくべきなのです。
誰にとっての良い文章か?
そもそも“良い文章”とはなんでしょうか。それが顧客にとっての“良い文章”であるならば、プロが提供するサービスとして問題ありません。しかし、もしそれが、いわゆる「文章の専門家が判断する“良い文章”」であった場合、顧客の満足度を下げてしまう可能性があるのです。
プロとして、つまりビジネスとして提供する文章においてもっとも大切なのは、顧客が満足すること。顧客の満足を度外視し、いわゆる「文章へのこだわり」や「文学的な素養」などの職人的な“良い文章”を提供してしまえば、次の仕事はもらえません。
「ビジネスとして文章を書く」ということ
ビジネスとして文章を書くとは、一定の収益を得て、反復継続的に仕事を受注し、できることなら少しずつ単価をあげつつ、あくまで顧客を満足させるために記事を書くことです。そこに、文章のこだわりなど不要です。
ただ、いかんせんライターはクセのある人種だから、それともクセのある人間だからライターになったのかはわかりませんが、顧客思考という発想が貧弱な気がします。ついでに言えば、マーケティングに関する知識も乏しい。
インタビュアーがカウンセラーであるべき理由
極論を言えば、顧客が満足するのであれえば文章の質などどうでもいい。それぐらい割り切ってビジネスとしての文章を作成しなければ、厳しい競争のなかで勝ち残っていくことはできないのではないでしょうか。
もし顧客がインタビュイーだった場合、まるでカウンセリングのように、思いを吐き出させてあげる。顧客をスッキリさせる、あるいは欲望を活性化させてあげれば、「あの人はインタビューがうまい」「次もまたインタビューしてほしい」となるのは必然です。
顧客満足の先にある理想的なサイクル
顧客が満足することによって、継続的に仕事が得られるだけでなく、顧客獲得のコストも下がり、評価も上がり、単価の上昇につながり、さらには口コミによって広めてもらえる可能性がある。これが、顧客満足の先にある理想的なサイクルです。
新規客から仕事を獲得するコストは、リピーターから仕事を獲得するコストの実に5倍と言われています。このことからも、顧客満足からリピーターを獲得する重要性がおわかりいただけるでしょう。それでもまだあなたは、ライター視点の“良い文章”にこだわりますか?