商業出版においては、まず、売れなければなりません。売れるという見込みがあってこそ、商品化できるのです。その点、他のビジネスと変わりありません。書籍もまた商品なのです。
そのときに、大事なのが「企画」です。企画の段階から売れるイメージができていないと、いくらがんばって営業活動を行っても、売上は伸びないものです。だから企画が大事なのです。
では、どうすれば売れる企画を生み出せるのでしょうか。必要なのは、かならずしも「センス」だけではありません。すぐれた企画に共通する、いくつかのポイントをご紹介します。
すぐれた企画とはなにか
そもそも、すぐれた企画とはなんでしょうか。ひとつは、冒頭で述べたとおり、売れる可能性のある企画ということです。売れるとはつまり、顧客と店舗に好まれるということです。
とくに書籍の場合には、書店においてもらい、さらに顧客に買ってもらわなければなりません。だからこそ、顧客と店舗(店員)の視点から、売れるかどうかを検討するのです。
そして売れるとは、「お金をだしてくれる」ということ。あらゆるメディアが台頭している現代、無料で手に入るものも多く、どうしたらお金を払ってもらえるかという視点は重要です。
売れる企画に共通する3つの要素
さて、そんな売れる企画に共通する点はなんでしょうか。ポイントとなるのは、次の3点です。
1.独自性
2.話題性
3.実現性
1.独自性
すでにあるものに対し、あらためてお金を払うひとはいません。売るためには、何らかの“独自性”が必要です。著者、内容、書き方。独自性のあるものは、すぐれた企画の基本です。
2.話題性
また、まだ見ぬ顧客が反応しやすいという意味では、“話題性”も重要です。いま旬なもの、話題になりやすいものというのは、企画として化ける可能性があります。トレンドも同様です。
3.実現性
いくら独自性と話題性があったとしても、実現できなければ意味がありません。企画は机上の空論ではいけないのです。だからこそ、企画には、確実に制作できる実現性が必要なのです。
その他の重要ポイント
その他にも、企画を考案する際に、意識しておきたいポイントがあります。たとえば、“顧客ターゲットの絞り込み”です。ついやってしまうのが、大きなパイに向けてつくってしまうこと。
しかし、あまりにターゲットが広い場合には、だれにも刺さらない作品になりがちです。特定の顧客ターゲットを絞り込むことによってはじめて、熱狂的なファンを獲得できるのです。
また、著者、タイトル、タイミング、販売戦略なども重要です。企画とは、そのように複合的な要素がからみあって、すぐれたものとなります。複眼的な思考を意識することが大切です。
まとめ
机でウンウンうなっているだけでは、良い企画はつくれません。書籍を読んだり、インターネットで検索したり、街に出て観察してみること。自らヒントを探す努力が必要です。
あるいは、自分なりの強みを考え、独自性を高めてみるのもいいでしょう。有力なコネがあるのなら、話題性を打ち出して企画をつくることもできます。使える武器はなんでも使うこと。
いずれにしても、最高の企画をひとつだけつくろうとしても、むずかしいものです。10個なり20個なり、あるいは100個つくるなどして、ブラッシュアップすることが求められます。
参考文献
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