論理的な文章とは、筋道がハッキリしている文章のことです。もし、あなたの文章が論理的でないと感じるなら、その文章には論理、すなわち物事の法則的なつながりが無いのです。
会話であれば、ある程度、論理性がなくても意味が通じる場合があります。単語と単語のあいだにある言葉を想像したり、言いたいことを推測したり。旧知の仲ならなおさらです。
しかし、こと文章となると、一方的にまとまった内容を伝えるものであるだけに、あとから言葉を補うことができません。だからこそ、文章には論理性が必要となるのです。
どうすれば論理的な文章になるのか
では、どうすれば論理的な文章が書けるのでしょうか。いくつかポイントがありますが、まずは、基本的なルールについて考えていきましょう。これは、短文でも長文でも応用できます。
そのルールとは、「前提」「根拠」「結論」の3つの要素を、もれることなく示すことです。これらの要素を意識して書くようにすれば、それだけで論理性が生まれます。
そもそも、論理(ロジック)とは、結論を支える理由や根拠を、ただしい順序で示すことです。そのために必要な要素となるのは、「前提」「根拠」「結論」の3つだけです。
基本は「前提」「根拠」「結論」
では、それぞれにどのようなことを書けばいいのでしょうか。「前提」「根拠」「結論」の3つについて、その内容を掘り下げてみましょう。
前提
前提とは、結論がただしいと考える理由、つまり根拠を提示するための条件のことです。前提がただしく、根拠もただしいものとなれば、必然的に結論もただしいと判断されます。
ex.)雨が降ると湿度が高くなる
根拠
根拠とは、前提をもとにした、結論をささえるための理由です。簡易的な文章であれば、たとえ前提がなくても、根拠だけで論理性を担保することも可能となります。
ex.)もうすぐ雨がふりそうだ
結論
結論とは、自分が伝えたいと思っている主張のことです。前提や根拠が内容の信ぴょう性をささえてくれていれば、あいてに対して説得力のある結論を提示することができます。
ex.)湿度が高くなるだろう
より論理的な順番を模索する
「前提」「根拠」「結論」の各要素は、それぞれどの順番で提示しても構いません。むしろ、どのような順番、筋道で提示するかによって、そのつど論理性は異なります。
ですので、あいて、とき、場所、その他さまざまな条件を考慮して、どの順番が最適なのかを考えてみてください。たとえば、ビジネスシーンでは先に結論を示したほうが無難です。
一方、論文やレポートを作成する場合には、言葉の定義や実験の方法など、前提を先に示すことが多いでしょう。その理由は、とくに読み手を意識してのことだと思います。
まとめ
より簡易的な会話などの場合、「主張」「理由」「根拠」の3つで考えてみると、よりわかりやすいかもしれません。それぞれ、主張は結論、理由は前提の役割を担います。
自分が言いたいこと、つまり主張を提示し、その主張を提示する理由を述べ、さらにその理由を補強する根拠を示す。会話であれば、前提をそれほど意識する必要はありません。
「前提」「根拠」「結論」、あるいは「主張」「理由」「根拠」。論理的な文章を書きたい場合や、説得力のある話をしたいときには、この3つの要素を提示するようにしましょう。