優れたビジネス書とは読者の頭を痛打するハンマーだった『知的生産力を鍛える!「読む・考える・書く」技術 』午堂登紀雄

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知的生産力を鍛える!「読む・考える・書く」技術―あなたのアウトプット力を飛躍させる50の方法

知的生産力を鍛える!「読む・考える・書く」技術―あなたのアウトプット力を飛躍させる50の方法

本を出版するメリットは大きい。

とくに起業家や個人事業主にとっては知名度をあげるだけでなく、サービスの宣伝、ブランド化、権威の獲得など、得られるものは計り知れない。もちろん売れれば印税が入る。

「文章を書くのが苦手」などと言っている場合ではない。さっそく書きはじめよう。きっとライバルはもう書き始めている。出版には時間がかかるのだ。着手は早ければ早いほど良い。

何を書けば良いかわからない?問題ない。以下に書き方をまとめてある。


テーマに沿って書く

起業家や個人事業主が本を出版する場合は、「自分のビジネスに関連すること」を書くと良い。それがそのまま物やサービスの購入・受注につながるからだ。どうせなら宣伝した方がメリットは大きい。

なにより、専門外の人が書いた書籍なんてだれも読まない。実績があるから価値があるのだ。本書『知的生産力を鍛える!「読む・考える・書く」技術―あなたのアウトプット力を飛躍させる50の方法』も、実績のある人が書いているから売れている。

優れたビジネス書の書き方

それでは、具体的な書き方をみていこう。

1.自分が必死になって取り組んだこと

最初にするべきなのが「テーマ」の設定である。テーマを決める際には

  • 普遍的か
  • 時代に沿っているか
  • ニーズがあるか
  • 読者層が厚いか
  • 伝えたい想いがあるか
  • 自分が読みたいか

を意識すると良い。

上記のポイントを意識しつつ「自分が必死になって取り組んだこと」をテーマに据えよう。自分が真剣に取り組んだことのなかには、ノウハウがたっぷり詰まっている。

2.「濃い文章」と「インパクトのあるメッセージ」

テーマが決まったら「まえがき」を書き、次に「目次」「章立て」を決めていく。

まえがきは「その本で伝えたいこと」を簡潔に宣言すれば良い。読者に危機感抱かせるなどの多少のあおりも必要だ。読者の頭を痛打するような刺激的な言葉を盛り込みたい。

目次と章立ては、とにかくネタを書き出すところから始める。マインドマップを活用するのも良いだろう。目次と章立てをさらに分解し、見出しを構成する。その見出しに沿ってひとつひとつの文章を書き上げていく。

見出しが「50個」あれば、それぞれの見出しで「2,000文字」書くだけでつごう「10万文字」になる。新書が8万文字〜12万文字程度であることを考えると、ゴールは遠くない。

3.読者の思考を変え、行動を駆り立てる

最後に心構え。

「読者の思想を変え、行動を駆り立てる」つもりで書いてほしい。だれの考え方にも影響を与えず、だれもが読み流すだけの本に価値はない。そんな本ならダンボールの原料として生まれ変わったほうが良い。

読書は知的な冒険である。思想の探検である。ときに母となり父となり、優秀な指揮官や師匠、船頭となる。読者の考えを揺さぶり、すぐにでも行動に移したくなるような高揚感、充実感、ワクワク。それを意識してほしい。

最良の書物とは「読者のモチベーションをあげて、やる気を取り戻す」ものだ。経営者が会社を成長させたくなり、営業マンが営業をしたくなり、ライターが文章を書きたくなる。それがビジネス書の唯一無二の役割である。

ヒトコトまとめ

優れたビジネス書を執筆するコツは

自分の経験をもとに、過激なメッセージをつくり、読者の頭を痛打する、こと。

お付き合いありがとうございました。多謝。

<目次>

はじめに


プロローグ 知的生産力を鍛えよう!

1 知的生産力は現代の錬金術
■ 文章を書く力=情報を編集する力
■ 知的生産力とは、情報を換金するということ
■ アメリカ大統領選挙に何を見たか?
■ 人を動かす文章がお金をいただける


第1章  コンテンツを生み出す5つの技術
発想の方程式・情報編集術・発想術・観察力・読書術

1 自分なりの発想の方程式をつくる
■ 【発想の方程式1】物事を抽象化する能力を鍛える
■ 【発想の方程式2】抽象と具体の行き来をする
■ 【発想の方程式3】説得力はエピソード力
■ 【発想の方程式4】問題提起+処方箋をセットで提示する

2 コンテンツを生み出す「情報編集術」
■ 【情報編集術1】「メタファ力(比喩力)」を鍛える
■ 【情報編集術2】「アナロジー(類推)力」を鍛える
■ 【情報編集術3】雑誌を魔法のおもちゃ箱に変える
■ 【情報編集術4】ネタ収集として優れたポータルサイトを利用する
■ 【情報編集術5】You Tubeがチェックすべきメディアになる!
■ 【情報編集術6】テーマを設定し、仮説検証し、書く
■ 【情報編集術7】「ムー」の仮説力に学ぶ 

3 コンテンツを生み出す「発想術」
■ 【発想術1】自分の体験を「一般原則化」「教訓化」する
■ 【発想術2】ゼロベースで考える
■ 【発想術3】寓話や昔話から、違う解釈、違う教訓を引き出す
■ 【発想術4】そもそも論を考えてみる
■ 【発想術5】常識をひっくり返す理論を考える
■ 【発想術6】桶屋理論の発想法
■ 【発想術7】日常のニュースから連想ゲームをしてみる
■ 【発想術8】発想は5つ目からが面白い〜オプション発想
■ 【発想術9】ビニール傘から発想するビジネスコンテンツ

4 コンテンツを生み出す「観察力」
■ 【観察力1】日常生活における観察力
■ 【観察力2】「なんで? なんで? なんで?」
■ 【観察力3】電車で座る技術
■ 【観察力4】ひとり問題解決
■ 【観察力5】マニュアル化を意識する
■ 【観察力6】ネコの瞳孔観察から自分プレゼン術にする
■ 【観察力7】クラブに行って営業術を学ぶ

5 コンテンツを生み出す「読書術」
■ 【読書術1】読みやすい文章表現、豊富な語彙は、読書で養われる
■ 【読書術2】本は記憶の糸を探るフックとしての役割を持つ
■ 【読書術3】売れている本から学べること
■ 【読書術4】同じテーマの本を自分で書くことを想像してみる

6 同じ情報に触れながら、人と異なる切り口を生み出す
■ 常にものごとのウラを読む習慣を身につける
■ 絵本でネタ出しトレーニング


第2章 アウトプット力を高める方法

1 アウトプット力を高める技術
■ インプットはアウトプットが決める
■ 考えるとはアウトプットすること

2 誰でもオリジナリティを出すことができる
■ 文章を書くのは、主観と客観を往復する作業
■ 客観的な視点を自分の中に育てる
■ 文章を書くことは、自分の人格をみがくこと
■ 読者の視点を手に入れる方法
■ 寝かせて読み直す
■ 価値ある文章を書く作業は、常識を外す作業
■ 文章技術よりも、おもしろいかどうか〜「そうそう、へえー」の法則
■ ありきたりのメッセージに、インパクトとオリジナリティを出す
■ 思い浮かぶもっとも過激な表現を使ってみる
■ 「高齢者をいたわってはいけない」

3 文面に人間性がにじみ出る
■ 読みやすさ、わかりやすさは読者への思いやりの裏返し
■ 執筆していないときに原稿が進む
■ 筋肉質の文章を作るには、削ぎ落としていくこと

4 読みやすく書く工夫
■ 専門用語を減らしていこう
■ 当たり前のことを、当たり前じゃないように表現する
■ パクリとは、「構成要素のリストラクチャー」のこと
■ ピラミッド・ストラクチャーで論理構成を考える
■ 自分で読んで感動する文章を書く


第3章 書く環境を整備する

1 オンオフィス×ノマドスタイル
■ 週末はフリーランスのように働く

2 快適に書くツールを用意しておく
■ モバイルパソコンはとにかく軽量がおすすめ
■ スタンバイモードは意外に便利
■ 充電できる場所を調べておくと便利
■ データ通信カードは諸刃の剣
■ そのほかの小物
■ ワードの見出しマップが便利

3 書く時間を天引きして生活を組み立てる
■ いつでもどこでも書くトレーニングをしてみる
■ 忙しければ忙しいほど朝早く起きる
■ 金曜日は飲みに行かない
■ お酒好きなあなたのための、朝が2度来る週末の過ごし方


第4章 出版があなたの世界を変える!

1 本を出版すると住む世界が変わる!

2 ワンランク上の世界を手に入れる最強最速の手段
■ 今がダメな人は、ものすごいチャンスがある!
■ 出版はチャレンジしがいのあるテーマ

3 本を出すメリットはこんなにある
■ ビジネスチャンスが増える
■ 人脈が広がる
■ 自分のスキルの棚卸、価値観の再確認になる
■ 自分の能力開発を意識できる
■ ビジネススキルを高めるターボチャージャーとなる
■ 感謝される
■ 世の中に影響を与えられる
■ 印税が入る
■ 生活の密度が濃くなる
■ さらに成長が加速する、加速成長効果

4 デメリットは、嫉妬攻撃を受けること
■ 批判されることに価値がある
■ 世の中に影響を与える本を出したいなら、「いい子」をやめよう

5 ビジネス書を書くということ
■ 良いビジネス書とは何か?

6 テーマを設定する
■ テーマは意外に身近にある
■ 自分の得意分野にぶつかるまで分解する
■ その本を読んで、読者にどういうメリットがあるか?

7 ターゲットを決める

8 世界観を創り出すためのタイトルの方程式
■ ベストセラービジネス書のタイトルの方程式20

9 企画への落とし込み方
■ 1 書店で書きたいテーマの類書を買う
■ 2 まえがきを自分の内容にアレンジする
■ 3 章立てはそのままパクる

10 目次を立てる
■ ネタを思いつく限り全部書き出す
■ 似たような項目をグルーピングし、章立てを考える
■ キャッチコピーを意識する
■ 10万字への道は見出しの数から
■ 書きたいところ、書けるところから書く
■ なかなか筆が進まない場合は、口述筆記してみる

11 経験値がなくても本を書く方法
■ 取材で情報を集め、自分なりの切り口で分析する
■ エッセンス集
■ 名言集
■ 自分の専門分野の解説書や入門書
■ 物語調は「妄想力」で書ける
■ 良質なコンテンツは必死に取り組んだものからしか生まれない

12 本業に打ち込んでこそ、ビジネス書のコンテンツになる
■ 成功体験がなければ作ればいいだけ


おわりに──つらいことも苦しいこともすべてネタになる

<著者>

午堂 登紀雄
1971年、岡山県生まれ。中央大学経済学部卒。米国公認会計士。大学卒業後、東京都内の会計事務所にて企業の税務・会計支援業務に従事。大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍する。IT・情報通信・流通・金融をはじめとした国内外の大手企業に対する経営課題の解決や事業戦略の提案、M&A、企業再生支援など数多くの案件を手がける。2006年、株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。

<類書>

知的生産力を鍛える!「読む・考える・書く」技術―あなたのアウトプット力を飛躍させる50の方法

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