佐村河内守氏の事件によって注目された「ゴーストライター」。
もともと語感がよろしくないうえに、さらに事件によって、“後ろ暗いもの”として社会的に認識されてしまった感があります。
同名のドラマも放送されましたが、よもや作家のゴーストライターとは……。詐欺師と言われても仕方ありません。
もっとも、『ゴーストライター論』 に書かれているのは、いわゆる「影の存在」としてのゴーストライターではなく、「インタビューや取材を経て、忙しい著者になり変わって書籍を書き上げるスペシャリスト」のような存在です。
本書で「チームライティング」と読んでいるように、個人とも限りません。
私もブックライターの端くれとしていくつかの書籍の制作に携わっていることもあり、現在のような「間違ったイメージが先行している社会の風潮を変える活動」、つまり啓蒙活動は、大変ありがたく思います。
これから著書を出してみたいと思っておられる方々にとっても、プラスにはたらくはずです。
いくつかの書籍を担当させていただき、私が感じているブックライターのイメージは、「本の職人」です。
編集者がディレクター、出版社がプロデューサーといった感じでしょうか。もちろん、著者は役者です。
そのように、プロフェッショナルが集ってはじめて成り立つのがゴーストライティングだと思います。
「書籍という媒体を使って、社会に伝えたいメッセージがある」。そのように考えている方は多いかと思います。
しかし、みなさん自分の仕事が忙しいことでしょう。活躍されている方ほど、書籍を書く時間を確保できないものです。
そこでブックライターを使ってもらう。ゴーストライティングによって世の中に書籍を出す。
その結果、だれかに何らかの好影響を与えられるのであれば、職人冥利につきるというものです。
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