志望する大学院(MBA)が絞り込めたら、次は、「研究計画書の作成」「筆記試験対策」「必要書類の作成」など、具体的な準備を進めていきましょう。
こちらの記事では、大学院入試の準備について解説しています。
・大学院入試で問われるもの
・研究計画書の作成
・研究計画書の提出がない場合(エッセイ、志望理由書など)
・筆記試験対策(小論文、英語、専門科目)
・面接対策
・提出書類の準備
・その他(オープンキャンパスへの参加、先輩面談など)
大学院入試で問われるもの
大学院入試で問われるものは3つあります。
1つ目は、“専門領域に特化した学力”です。幅広い知識をもっていることもそうですが、志望する専門領域に関する知識についてしっかりと押さえておくことは必須です。専門知識については、「筆記試験」が対応しています。
2つ目は、“論を立てる能力”です。そもそも大学院は研究をするところ。研究結果を発表するには論文を書く必要があります。つまり論を立てる能力(論述能力)が求められます。論述能力については、「小論文」が対応しています。
3つ目は、“テーマ設定のセンス”です。研究のテーマは何でもいいというわけではありません。高い問題意識から生じるより意義のあるテーマを選定することが大切です。テーマ設定のセンス(研究立案能力)は、「研究計画書」が対応しています。
研究計画書の作成
とくに社会人の大学院入試において重要なのが「研究計画書」です。
そもそも研究計画書とは、「その大学院に入学してどのような研究をどのように行うのか?」を示す計画書のことです。大学院は大学と異なり、研究を行うことが主な目的となります。その点からも、研究計画書の作成がいかに大事かお分かりいただけるでしょう。
研究計画書は次のような流れで作成します。
①取り組みたい研究内容の整理(社会経験との関連性、オリジナリティ)
②先行論文のチェック
③研究の意義およびアウトラインの決定
④文書構成
⑤見直し・第三者チェック
研究計画書の提出がない場合(エッセイ、志望理由書)
研究計画書の代わりとして、主に社会人を対象に、「エッセイ」や「志望理由書」の提出を求める大学院もあります。
エッセイは、「志望動機や仕事の経験をふまえ、どのような研究をしたいのか?」など、複数の課題に応える形式が基本です。1テーマA4用紙一枚(1,000文字ほど)で論じます。学習や研究への意欲、経験、文章作成能力が問われます。
志望理由書についても、「志望理由」や「修了後の展望」などのテーマに関して、論理的に記述する必要があります。とくに「なぜその大学院を志望するのか?」についての理由を明確に説明しなければなりません。
筆記試験対策(英語、専門科目)
英語(長文読解)や専門科目など、筆記試験を実施している大学院も多いです。とくにMBAに関して言えば、「経営学」を中心に時事ネタをからめて論じるパターンが主流となります。経学の中心テーマには次のようなものがあります。
・経営戦略
・組織経営学
・マーケティング
・会計
・人的資源論
・経営史
・金融工学
対策の中心は過去問です。過去5年ほどの過去問を入手し、それをもとに対策を講じましょう。時事ネタが中心であれば、日頃からニュースをチェックしておくことはもちろん、経済紙の社説など、論理的な文章に増えておくと勉強になります。
面接対策
多くの面接は、研究計画書の内容をもとに行われます。そのため、研究計画書の内容を熟知しておくことは必須です。とくに、「研究テーマの背景」「過去の経験」「仕事との関連性」などをからめて説明できるようにしておきましょう。
想定される質問は次のとおりです。
・なぜこの大学院を志望しているのか?
・入学して何を研究したいのか?
・社会人経験と研究テーマとの関係
・研究計画書に関すること(研究内容、調査方法など)
・研究の実現性
・研究に必要とされる知識
・修了後のキャリアプラン
・大学院進学に対する周囲の理解(家族など)
・筆記試験の結果について
・大学院通学に関すること(学費、仕事との両立など)
提出書類の準備
対策というほどの準備は必要ありませんが、ケアレスミスにつながりやすいのが「提出書類」です。たとえ研究計画書や試験で高い評価を得ても、提出書類に不備があると、入学することはできません。
とくに、「卒業証明書」や「成績証明書」などは、卒業した大学に取り寄せなければならないため、早めに手続きを済ませておきましょう。大学院入学時に必要とされている書類には次のようなものがあります。
・入学願書
・卒業証明書
・成績証明書
・推薦書
・健康診断書
・外国語成績証明書(英文の成績証明書)
・卒論または研究論文(文学研究科などの場合)
その他(オープンキャンパスへの参加、先輩面談など)
試験を実施する年の春ごろから、各大学院でオープンキャンパスや説明会が実施されます。カリキュラムや教授、履修スタイルの最終確認だけでなく、実際に入学した際のシミュレーションとしても、参加しておいたほうがいいでしょう。
大学に足を運ぶことで、学びたい教授に出会えることもあります。時間があれば話を聞くことができますし、アドバイスをいただいたいり、場合によっては研究計画書を見てくれるかもしれません。あわせて、卒業生や現役大学院生にも話を聞いてみましょう。
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