大学院(MBA)入試においては、専門領域の基礎的学力だけでなく、“研究者としての資質”も問われます。研究者としての資質とは、「論述能力」「研究立案能力」の2点で評価されます。このうち、小論文で評価されるのは「論述能力(+専門領域の学力)」です。
こちらの記事では、小論文の書き方(筆記試験対策)について解説しています。
小論文(論述)とは
そもそも論述とは、「自分の見解を述べ、それに客観的な根拠を提示すること」です。論述の基本をふまえ、一定の文字数で表現したものが小論文になります。
小論文を作成するポイントは、大きく2つです。ひとつは「構想を練る」こと。もうひとつは「アイデアを出す」こと。これだけです。
とくに小論文の場合は、基本的な構成が決まっています。具体的には、「背景・導入→問題提起→問題分析→解決策の提示」となります。
つまり小論文のテクニックとは、いかに優れたアイデアを生み出し、論理的な構成で文章化できるかに尽きるのです。その点をふまえて、小論文を作成しましょう。
基本的な文章ルール
論述に限らず、基本的な文章のルールはおさえておきましょう。次のとおりです。
- 漢字のひらきに注意する。
- 誤字脱字に注意する。
- 原稿用紙の基本的な使い方に配慮する。
- 主語と述語の対応に注意する。
- 接続詞の役割に注意する。
- 冗長な言い回しを避ける。
- 無理に疑問文にしない。
- 体言止めを避ける。
- 敬語を使わない。
- 話し言葉を使わない。
- 曖昧な表現を避ける。
- 「思う」「考える」という表現を多用しない。
- 比喩的表現を避ける。
- 一文は短くする。
その他、詳しい文章ルールについて下記記事を参考にしてください。
過去問で筆記試験の傾向をつかむ
基本的な文章の書き方をマスターしたら、志望する大学院の過去問を入手しましょう。できれば過去5年ほどあれば傾向がつかめます。
試験の傾向を把握したうえで、必要な学習を進めていきます。具体的には、専門書の読み込みや時事ネタの収集、文章作成の練習などです。
文章作成の練習にあたっては、実際に手で書いてみることが大切です。とくに専門用語の漢字は練習が必要になりますので、あらかじめ訓練を積んでおきましょう。
タイプ別・筆記試験対策
次に、問題のタイプごとに対策を紹介していきます。よく出題される問題には、「説明型」「問題提起型」「賛否両論型」の3つがあります。
「説明型」問題の対策
説明型の問題とは、「◯◯について説明せよ」というものです。用語に対する基礎的な定義とともに、背景、歴史的経緯もおさえておく必要があります。
論じる順番としては、「①用語の定義」「②背景分析」「③歴史的経緯」「④社会的影響(メリット・デメリット)」などを整理して説明する、とていねいな答案になります。
「問題提起型」問題の対策
問題提起型の問題とは、「◯◯の問題点を論じ、◯◯について記しなさい」のようなものです。このような問題の場合、あらかじめ知識を整理してから論じるといいでしょう。
論じる順番としては、「①背景」「②問題提起」「③問題分析」「④解決策の提示」となります。現状や問題の要因を掘り下げて論じるようにしてください。
「賛否表明型」問題の対策
賛否表明型の問題とは、「◯◯の是非について論ぜよ」のようなものです。このような問題の場合、論点をしっかりと整理したうえで、賛否を表明することが大切です。
具体的には、提示されている問題に対してどのような論点があるのか整理し、その説明をふまえて自分なりの意見を論理的に構成していくことが必要となります。
筆記試験当日に使える“メモ書き”テクニック
最後に、筆記試験当日に使えるメモ書きのテクニックを紹介しましょう。
問題をみて、いきなり文章を書きはじめてしまうと、論点が整理できておらず、中途半端な答案になってしまうことが少なくありません。
そこで、実際に文章を書く前に、まずはメモを書いてみましょう。具体的には、次のとおりです。
・何を聞かれているのか理解する(説明なのか、解決策なのか、賛否なのか)
・問題点を整理する
・問題点を掘り下げる
・解決策を挙げる
・解決策の根拠を挙げる
・アウトラインをつくる
・全体の論理構成をチェックする
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