どうすれば後悔のない人生をおくれるのか?
生きとし生けるものすべての課題であり、人生のテーマである。それを考えるのに「忙しいから」「時間がないから」と、先延ばしにすることはできない。
床の間で自分の人生はなんだったのかとなげく者は、傲慢にも、いつまでも生きられると勘違いしたあげく自分以外の人や物に人生を支配された結果である。それはもっとも情けないことだ。
人生を変える気が無いのであれば、この先は読まないことをおすすめする。
後悔しない人生をおくるための3つの質問
人生を後悔しないためには、後悔の本質を知り、それに対応すべく人生の舵取りをすればよろしい。具体的には、以下の3つの質問に答えることだ。
1.自分は正しいことをしているか?
後悔の正体は、自分への裏切りである。
自分が本当に正しいと思うことを時間の許す限り全力で行う人間に、そういった人生に、後悔などあるだろうか? あるとすれば、貪欲に「もっと頑張れた」と思うぐらいだろう。それは後悔とは言えないが。
つまり後悔は、自分の人生を生きていないから生じるのである。理由も分からず捨ててしまった夢、常識という誤った既成概念にとらわれて挑戦できなかった過去、自分に問いかけなかったばっかりに見失ってしまった大切なもの。
毎朝、鏡の前でこう訪ねてはどうだろうか? 「今日、人生最後の日だとしてもこれから自分が行うことをするだろうか?」と。もし答えがNoならば、何かが間違っているのだ。
現状を変えられるのは、他でもない自分だけである。
2.自然体で社会に貢献しているか?
人の成長は、社会への貢献によって成される。
単純に華やかな成功をつかみたいのであれば、貢献など忘れて成果だけをあげれば良い。もちろん、それはただの一過性のものでしかないが、自らのことだけを考えて行動してきたのだから文句は言えまい。
しかし、社会への貢献によって得られた社会からの恩恵は双方向のものだ。それは継続的なものであって、恒久的に収益をあげるから事業となる。
貢献とはなにもボランティアとは限らない。収益の目安が貨幣あるい現物である市場を鑑みても、それは社会への貢献に対する対価であるのだ。
稼ぎたい、人を集めたい、お金持になりたい。それならば、耳障りの良い言葉など無視して、原則どおり成果によって社会に貢献すれば良いのだ。
3.日々、人生が好転する発想をしているか?
「心の想いが人生を創る」
人間は思ったようにしか生きられない。がんじがらめのまま、ただただ時間だけが過ぎていき、起死回生の一手も打てず、酒を飲んで寝るだけ。それが毎日なら、それがあなたの人生、そのすべてだ。
路上で寝起きしている人は、立ち止まって、たった一度でも「どうすれば人生が好転するのか」を真剣に考えたことがない人々である。事情、境遇、病気、事故。下を見ればキリがないが、それは上を見ても同じである。
なぜ、成功者をひがむだけひがんで自らが光を放つ存在になろうとしないのか? なぜ、最初の一歩を踏み出して自分の人生を創りだそうとしないのか? なぜ、勇気よりも恐怖を優先してしまうのか?
「しかし……」 言い訳に価値はない。文句があるなら行動すれば良い。最低でも、布団に入って眠りにつくまでのあいだに、自分が成功するまでの過程を描いてみてはいかがか。それすらもできないのなら、もはや救いようがない。
ヒトコトまとめ
後悔しない人生とは
「日々是好日」であること。
お付き合いありがとうございました。多謝。
<目次>
- 第1章 実践—「変化対応能力」を養う
- 第2章 活力—「天然の生命力」を導く
- 第3章 自戒—プリンシプルを持つ人生をめざす
- 第4章 修行—心豊かな日々を志向
- 第5章 哲学—本質に遡る思考
- 第6章 悟り—理解し自覚する精神
<著者>
合田周平
電気通信大学学長顧問。システム工学専攻。昭和7年6月8日台北市生まれ。電気通信大学卒業。カリフォルニア大学(バークレー)大学院MS修了、工学博士(東大)。この間、TDK、東大生産技術研究所、アメリカ、イタリア、イギリスの研究所・大学や各種財団を経て、現在、宮本武蔵「小倉顕彰会」特別顧問、英国クランフィールド日本センター所長。(学)暁星国際学園理事、(社)未踏科学技術協会理事、(財)ウシオ育英文化財団理事などを兼務。叙勲イタリア共和国功労勲章。米国パターン認識学会賞、毎日出版文化賞などを受賞。