文章の校正・推敲をおろそかにしている人は多い。
それは、”書くこと自体”に多大なエネルギーを消費してしまうか、持ち時間の大半を使ってしまうことが原因だ。 しかし、その代償は計り知れない。完成させることがすべてだと思い、文章の校正・推敲を忘れてしまえば、竜頭蛇尾どころの話ではない。
実際問題、その文章がマイナスの効果を生んでしまうこともある。例えば、広告で言うと「その広告を見ていない人のほうが、見た人よりも買っている」という結果になりかねない。本末転倒とは、まさにこのことである。
反対に、文章の校正・推敲を行えば、結果は何倍にもなってはね返ってくる。これは、誰にでもカンタンに、今すぐできる、結果を倍増させる方法だ。以下のチェックリストにしたがって、実際に行なってみてほしい。
文章の校正・推敲チェックリスト
校正とは、誤字脱字等の間違いを正すこと。推敲とは、文章の内容を練り直すこと。
これらの違いをふまえて、チェック項目を1つずつ見ていこう。
校正
1.誤入力は無いか
手書きの場合は、書き損じである。 長時間のワープロ操作や疲労、寝不足で、起こりがちなミスだ。見なおせば、すぐに発見できる。
2.漢字の変換ミスは無いか
抗議、講義、広義、公儀、厚誼、交誼…。 これらはすべて「こうぎ」だ。前後の文脈を把握しながら、ミスを無くそう。
3.地名や人名に誤りは無いか
人間の記憶はあてにならない。 なるべく、地名や人名等の固有名詞は、確認するようにしよう。特に人名の場合、相手に不快な印象を与えてしまうので、注意が必要だ。
4.改稿ミスは無いか
これは、「コピー&ペースト」する場合に、起こりやすいミスだ。ソフトによっては、改稿の場所がズレる場合がある。ホームページやブログ、SNSへの投稿、あるいは、Wordやpdf等の印刷時には、必ずプレビューで確認しよう。また、引用する場合には、一字一句正確に引用する配慮も必要だ。 引用元を掲載することは、言うまでもない。
5.数字や漢字の表記は一定か
数字の場合は全角と半角に気をつけたい。基本的には、半角で入力するのが一般的だ。また、漢字の表記は、一定にしたい。あるところで「思う」とし、別のところでは「おもう」とするのは、稚拙な印象を与えるのでいただけない。ただし、例外もあるので、使い分けが必要だ。
6.漢字とかなのバランスは適切か
漢字は使い過ぎないほうが無難だ。とくに、接続詞には、なるべくひらがなを使うようにしよう。 漢字が多いと、文章が読みにくくなる。
7.句読点の位置は的確か
文章とはリズムである。句読点には
- 意味を通じやすくするための補助
- 文章のリズムを整える
という、2つの役割があることを意識しよう。かといって、必ずしもルールを厳守する必要はない。句読点が個性になる場合もある。
推敲
1.【大前提】全ては「読み手の立場」から
まず、大前提となるのは、「読み手の立場」からチェックすることだ。書き手のあなたの立場からチェックするのではない。そのためには、
- 誰に向けての文章か(ターゲット)
- どんな効果を期待しているか(アクション)
- 最終的な目的(ゴール)
を明確にしておく必要がある。ターゲットが、どんなアクションを起こして、最終的にゴールまでたどり着いてくれるか。読み手の立場からチェックすることが大前提だ。
2.読み手にとって価値があるか
読み手にとっての価値とは
- 真新しい情報
- 得になる情報
- ためになる情報
- 好奇心をそそる内容
- 誰かに話したくなる内容
などだ。ターゲットに合わせて、最低でも一つ以上は盛り込みたい。
3.問題提起とその答えがあるか
読み手は、あなたの文章に何かを求めている。 タイトルで訴求したのなら、それに応える必要がある。そのためには、文章内で「問題提起」と「答え」を用意するのが理想的だ。すべての人が賛成してくれるとは限らないが、文章自体に意味を与えることができる。それが「読み手に応える」ということだ。
4.言葉の定義をしているか
文章のキーワードともなる言葉には、定義をしておくと良いだろう。しかも、難しい言葉だけでなく、誰もが知っている簡単な言葉でも定義することで、読み手の理解は深まる。とくに、書くべき主題にたいして、文章の広がりがほしいときには、有効なテクニックだ。必須ではないが、使い慣れてくるとその良さに気付くだろう。
5.論旨が明確か
文章によっては、必ずしも論理性は求められない。例えばフィクションや物語は、論理性が評価されるとは限らない。しかし、一般的に書かれる文章の大半には、論理性が必要だ。そこに主張があれば、なおさらである。論理的な文章に必要な要素は
- 結論
- 目的・必要性
- 根拠
- 方法
- データ
である。
6.13歳でも理解できる内容か
理想的な文章は、読み手が13歳だとしても、理解できる文章だ。納得出できればさらによい。そのためには、
- 不必要なカタカナ語を使わない
- 指示語を多用しない
- 形容詞ではなく、数字で表現する
- 要点を強調するなど、抑揚をつける
- 具体的な表現を心がける
- 内容をつめこみすぎない
ことが大切だ。
7.書き出しと締めが関連しているか
書き出し(問題提起)と締め(結論)が、関連していない文章を見かけることがある。まるで、脱線した話が、そのまま終了したようなものだ。あなたが書こうとしている文章が、主婦どうしの世間話や、雑学の多い教員の授業を、お手本としていない限り、書き出しと締めは関連させよう。読み手はとても忙しく、そしてシビアだ。
8.文法をチェックする
文法のチェックは
- 主語・述語の関係
- 敬語の使い方
- 重複表現
を確認しよう。重複表現とは、「今の現状」「あとで後悔」などだ。
9.文体をチェックする
文体のチェックは、よみづらさに着目して行いたい。
- 一文の長さ
- 同じ表現の多用
- 言葉遣いの間違い
- 事実誤認
やればやるほど、文章力が向上する項目だ。
まとめ
<校正>
- 誤入力は無いか
- 漢字の変換ミスは無いか
- 地名や人名に誤りは無いか
- 改稿ミスは無いか
- 数字や漢字の表記は一定か
- 漢字とかなのバランスは適切か
- 句読点の位置は的確か
<推敲>
- 【大前提】全ては「読み手の立場」から
- 読み手にとって価値があるか
- 問題提起とその答えがあるか
- 言葉の定義をしているか
- 論旨が明確か
- 13歳でも理解できる内容か
- 書き出しと締めが関連しているか
- 文法をチェックする
- 文体をチェックする
いかがだろうか。文章には、完璧さが必要だ、と言っているのではない。文章には校正・推敲が必要なのだ。
コジゲン一言メモ
緊急の場合以外は、一晩寝かせてから確認するといいよ! とくに、夜書いた文章は、朝方しっかり確認しよう!
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