狭義の◯◯・広義の◯◯で誤解!? 論理的な文章に欠かせない言葉の定義とは【初心者におすすめ】

「言葉の定義」の重要性を説明する日本語のインフォグラフィック。生活という語の「広義」と「狭義」の例を示し、誤解を防ぐために定義の明示が必要であることを伝えている。シンプルな図解とともに、論理的文章における定義の役割を視覚的に解説している。 ライティング技術

「言葉の定義」の重要性を説明する日本語のインフォグラフィック。生活という語の「広義」と「狭義」の例を示し、誤解を防ぐために定義の明示が必要であることを伝えている。シンプルな図解とともに、論理的文章における定義の役割を視覚的に解説している。

言葉の定義、ちゃんと説明できますか?」

論理的な文章や議論をするとき、じつはもっとも大切なのが「言葉の定義」です。

同じ単語でも、人によって理解がまったく異なることがあります。「生活」「自由」「幸福」など、あいまいな言葉は特にそうです。

この記事では、「定義とは何か?」という基本から、例文・注意点・文章での活用法まで、初心者向けにわかりやすく解説します。

基本は前提・根拠・結論! 論理的な文章に必要な3つの要素

なぜあらかじめ「言葉の定義」をするのか

そもそも、なぜあらかじめ言葉の定義をしなければならないのでしょうか。冒頭でご説明したとおり、その理由は「受け手の誤解を防ぐため」と言えます。

たとえば「生活」という言葉。この言葉のただしい意味は、「生体として活動すること」ですが、なかには「日々の暮らしのこと」と考えるひともいるでしょう。

そのように、ひとによって理解が異なると考えられる単語は、あらかじめ定義することが必要となります。「生体としての活動」と「日々の暮らし」では、理解が大きく異なります

論理的に書くためのルールブック

カッコつきの単語について

論文などにありがちなのが、カッコつきの単語です。たとえば、「生活のなかに喜びを求めることは大切だが、健康な肉体あってこその『生活』である」という文章の場合。

最初の生活と、後の『生活』という言葉は、違う意味で使われていることがわかります。前者は「日々の暮らしのこと」、後者は「生体として活動すること」という意味ですね。

このように、あえて意味をわけて言葉を使うのも、論理的な文章を書く際のテクニックとなりますが、読み手によっては意味が伝わりにくい場合もあるので、注意が必要です。

※論理的な文章を書くコツはこちらの記事にまとめています。

「狭義」と「広義」の誤解

言葉の定義をしていない場合、同じ言葉でも「狭義」と「広義」によって、誤解が生じる場合があります。狭義とは狭い意味、広義とは広い意味ということです。

先ほどの「生活」という言葉で言えば、狭義の意味では「日々の暮らし」、広義の意味では「生体としての活動全般」となります。言葉の範囲が違えば、意味も異なるのです。

「文学」という言葉はどうでしょう。広義(広い意味)では「詩、小説、戯曲など、言語による芸術作品」ですが、狭義(狭い意味)では「読者の感情や想像力に訴えかけ、共感や感動を生み出す小説作品」となるかもしれません。

狭義も広義も、どちらの意味でも活用したいと思うのなら、「狭義の意味での◯◯」「広義の意味での◯◯」など、文中でしっかりと明記することが大切です。

まとめ

言葉の定義をあらかじめ明確にすることで、文章の説得力は大きく変わります。

  • 同じ単語でも、人によって理解が異なる
  • 定義を示すことで、誤解を防げる
  • 特に論理的な文章では「定義」が必須

ちょっと手間をかけて、伝わる文章を書いていきましょう。

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参考文献

論理的に書くためのルールブック

ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル

非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?

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