Arjan El Fassed bij de NVJ Grote Zelfstandigen dag / Sebastiaan ter Burg
早いもので、フリーライターとして独立してから、3年が経過しました。出足こそグズグズでしたが、いまではなんとか食べていけるようになりました。これもひとえに皆さまのおかげです。ありがとうございます。
さて、フリーライターになりたいと思っている人は、意外に多いようです。書店にいくと、フリーライター関連の本がちらほら。最近では、ちょっとした副業として検討している方も増えているようです(マイナンバーには注意してくださいね)。
そこで今回は、ボクがフリーライターとしてやってきたこと・やっていることを、すべて公開したいと思います。ボク自身、まったくの“コネ無し・カネ無し・スキル無し”からスタートしています。これからフリーライターを目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
フリーライターとはまったく無縁だったボク(山中勇樹)の経歴
ボクの経歴の中に、「フリーライター」と直結する部分はほとんどありません。1浪を経て、都内の三流私立大学(経営学部)に入学。卒業後、中堅マンションデベロッパーに就職。会社が傾き、2年と経たずに退職。ブラックベンチャーに転職後、法律家をめざしながら職を転々。そんな20代でした。
独立したのは29歳のとき。法律家の道をあきらめかけていたとき、WBSでココナラを知ったのです。ココナラとは、個人のスキルをワンコイン(500円)で販売できるサービスです。そのココナラで、「まさか仕事なんかこないよね」なんて思いながら、出品したのがきっかけです。
もともと文章を書くのは好きでした。大学生の頃、ちょうどmixiが流行しはじめていて、毎日のように日記を書いていました。友人・知人のコメントがつくと、それはもう嬉しくて。読書も大好きで、村上春樹をはじめ、小説のたぐいはかなり読み込んでいたと思います。
ココナラがきっかけとなり、クラウドソーシングに興味をもつ
ココナラではじめて売れたのが、4年ほど前のこと。その後、いくつかサービスを買ってもらえるようになり、「文章の需要はたしかにある!」と確信したボクは、 ランサーズや【クラウドワークス】にも登録しました。そこで、さらに受注していったのです。
出版業界などからは「100円ライター」などと揶揄されていますが、まさに、ボクのスタートはそんな100円ライターだったのですね。ただし、重要なのは金額ではありません。「自分のスキルが売れる」という実感です。それが、はじめの一歩でした。
また、出版業界での経験がなかったために、あらゆる工夫もしました。営業、マーケティング、Web。おかげさまで、いまではブログやソーシャルメディアからも受注でき、一眼レフで写真まで撮影しています。背景がなかったからこそ、試行錯誤できたのかと思います。
安定した稼ぎから、より高収入をめざして
クラウドソーシングからの受注だけで月20万円ほど稼げるようになるまで、それほど時間はかかりませんでした。単純に計算して、1記事500円でも400記事。体力と根性さえあれば、実現できる数字です。そうした見込みと感触を得て、なかば(かなり)見切り発車的に独立したのが3年前でした。
ただし、同じ単価のまま仕事をしていては、いずれジリ貧です。そこで考えたのが「ブランディング」と「差別化」です。経営や戦略に疎い方はピンとこないかもしれませんが、つまりは「弱者でも稼げるような戦略と戦術を構築した」ということ。特別なことをしたわけではありません。
たとえば、ブログやソーシャルメディアの運営。そしてポートフォリオの充実。あとは、キャリアを棚卸しして、自分にしかできないことを見つけ、売り込んでいく。それだけです。ボクの場合で言うと、営業ができて、Webにも明るくて、書籍を山のように読んでいて、インタビュー・取材ができ、写真が撮れるライターです。
すべてはマーケティングの観点から
結局のところ、自分をマーケティングしたおかげで、なんとか食べられているのかと思います。マーケティングとは、市場を知り、自分を知り、最適化すること。「市場にはどんなニーズがあるのか」「自分はどんな価値を提供できるのか」。その2つを、ただ愚直に、近づけていくだけです。
そして、何でもやり、どこにでも行くこと。打算的に考えるのではなく、「なんでもやります!」「すぐにやります!」「それ承ります!」を徹底する。それだけで、「山中さんは他のライターとは違いますね」なんて、お世辞にしてはちょっと生々しいお言葉をいただけるのです。
あとは、日々、勉強をし続けることでしょうか。もちろん、新しいことにもどんどん挑戦すること。やっぱり、稼いでいる方って、感度が高いですよね。嗅覚と言ってもいいかと思います。つまり、過去の成功にしがみついていない。次から次へとチャレンジしていく。PDCAサイクルがスムーズです。
うまくいった施策まとめ
ただ、これからフリーライターとして独立しようと思っている方は、ボクのようにわざわざ遠回りする必要はありません。むしろ、成功しやすい施策だけを、効率的にやることで、早く稼げるフリーライターになってほしいと思います。
そこで、ボクが実践して、うまくいった施策をご紹介します。
1.Facebookでの情報発信
Facebookは、「人脈形成」「仕事の受注」「ブランディング」など、さまざまな施策に活用できます。シェアによってブログ記事が大きく拡散することも。必須ツールです。
2.Twitterでの情報発信
Facebookと同様、Twitterからのつながりも重要です。「こんな仕事にニーズがありそう」などとつぶやいていれば、関係者の方とつながれることもあります。まさに出会いの場。
3.クラウドソーシングの活用
最初のうちは、クラウドソーシングで実績を積むのがオススメです。文章作成の技術、スピード、納期への対応など、独立するにあたって必要なことが学べます。以下、一例です。
日本最大級のクラウドソーシングサイト。会員数は50万人を突破し、案件の豊富さが魅力。2014年にはマザーズ市場に上場し、さらに規模を拡大しているサービス。
クラウドワークスに匹敵する会員数・案件数を誇るのがこちら。クラウドソーシングで本格的に稼ぎたいのなら、【クラウドワークス】とランサーズへの登録は必須です。
上記と比較すると、単価が低めで、初心者向けのライティング案件がたくさんあるサイト。これからフリーライターとしてデビューするなら、登録しておきたいサービス。
・ココナラ
文章作成、イラスト作成、Webサポート、占いなど、ワンコイン(500円)から自分の好きなサービスを販売できるサイト。1,000円~5,000円まで、価格を変更することも可能。
4.WordPressでのブログ運営
プログラミングがニガテでも、WordPressならカンタンです。独自ドメインでサイトをもっておくことによって、信用にもつながります。広告を掲載して、副収入としても活用できます。
5.ライター関連のイベント参加
インフォバーンさんなどが主催しているイベントやセミナーは、そのまま仕事の受注につながることがあります。ボクも人見知りなのでニガテではありますが、得られるものも大きいです。
6.他のフリーランサーからの紹介
他のフリーランサーの方とつながっておけば、企業や案件を紹介していただけることもあります。取引先のことも聞き出せますし、確実に仕事につながるので大切にしたいところです。
7.文章に関する学校
経歴に載せるという意味では、文章に関する学校をでていると、印象が良くなるようです。ボクはここを卒業していますが、出版社の方から指摘されることが多いですね。
ダメだった施策まとめ
次に、あまり効果がなかった施策についてです。もちろん、行ったことは経験として意味があったとは思いますが、フリーライターとしての実績や稼ぎにはつながらなかった施策たち。やり方やタイミングにもよりますが、あくまでも実感値としてダメだったものをご紹介します。
1.友人・知人からの紹介
独立後、友人・知人から取引先を紹介してもらったこともありました。ただ、まったく仕事につながりません。そりゃそうですよね。だって、無理やり紹介してもらっているわけですから。
2.異業種交流会
異業種の方と出会っても、あまり実りはありませんでした。もっとも、相手が経営者の場合には、そのまま仕事につながることもあります。「どんな人が参加しているのか」が大事ですね。
3.身内の手伝い
身内がカフェを経営しており、はじめのうちは集客の支援をしていました。ただ、活用できる実績にはなっていません。身内の手伝いは、あくまでも手伝いの範囲にとどまってしまいます。
4.地域密着型の営業
地域密着で、営業をしていたこともありました。ただ、フリーライターの場合、地域に密着するメリットはなさそうです。都内にでてからは、営業の効率も格段にあがっています。
5.出版社へのメール営業
出版社のリストを活用して、送れるだけメールを送ったこともあります(100件ほど。あいさつとポートフォリオの送付)。しかし、アポイントにつながったのはたったの1件だけでした。
「営業なんてできない!」と思っている方へ
ここまでの話のなかで、「自分には営業なんてムリだよ!」と思った方もいると思います。とくに、文章を書くひとって、営業がニガテなんですよね(文化系だからでしょうか)。でも、フリーライターの営業って、いわゆるあなたがイメージしている営業とは、かなり違うと思いますよ。
まさか、出版社を1件1件訪問して、「フリーライターの◯◯です! 仕事ください!」のように行うと思っていませんか? そんなことをしても、意味はありません。むしろ迷惑だと思います。ではどうするか。編集者に特徴である「自分から見つけたい」欲求に応えてあげればいいんです。
つまり、
- 見つけてもらえる工夫をする
- 価値のある人材ということをアピールする
これがフリーライターの営業となります。人脈形成、企画書の送付、ブログの運営、SNSでの情報発信、クラウドソーシングでの受注……etc。これらもすべて、上記を満たすための施策です。新しいメディアやツールが登場すれば、その都度、アプローチしていく。そのくり返しです。
その中から、とくに自分が得意だと思うことをやればいいのです。文章が得意ならブログを書く。カメラが得意ならInstagramで写真を配信する。顔が広いならFacebookで交流の模様を掲載する。そのうえで、見つけられたときに「おっ」と思ってもらえれば、仕事につながる可能性があります。(連絡先の記載を忘れずに)
ボクが心がけていること
次に、僭越ながら、ボクが普段の仕事のなかで心がけていることをご紹介します。それぞれ効果のほどは未知数ですが、ちょっとした工夫によって、心象形成に影響を与えることもあるようです。
・どこに行くにも100%スーツ&ネクタイ
仕事に関係する案件では、どこに行く場合でも、100%スーツ&ネクタイです。諸事情があって丸刈りにしているので、少しでも印象を良くしようと行っている取り組みです。おかげさまで、企業の担当者からは好評(?)を得ています。(ベンチャーでは変な顔をされますが)
・レスポンスはとにかく早く
寝ているときを除き、レスポンスは“とにかく迅速に”を心がけています。少しでも返信が遅れてしまえば、それだけ印象が悪くなってしまう可能性があると、自分に言い聞かせています。やっぱり、安心して仕事をしてもらいたいですしね。
・アスリートを参考にした健康管理
食事、睡眠、運動。カラダやココロの健康管理に関しては、アスリートの手法を参考にしています。毎日のリズムはもちろんのこと、タバコや酒もやめ、いつでも最高のパフォーマンスを発揮できるように整えています。これでダメなら、いつでも「努力不足」と納得できますから。
・人に会うのに打算は不要
むかしは、「この人に会うことでどんなメリットがあるだろう?」などと考えていました。そのせいで、逃してしまったチャンスも多々あったかと思います。現在では、「人に会うのに理由はいらない」をモットーに、さまざまな人と会うことを楽しみにしています。
・書店&図書館網の整備
ボクが言うまでもありませんが、フリーライターたるもの、あらゆる書籍を入手できる環境を構築しておかなければなりません。行きつけの書店はもちろん、各ジャンルに強い書店から図書館まで、把握しておくべきだと思います。ちなみに、都内の図書館網はこちらにまとめています。
こんな仕事をしています
現在では、書籍のブックライティングやインタビュー、専門的な内容をわかりやすく解説する記事などをメインに仕事を受注しています。また、さまざまな企業から依頼をいただき、オウンドメディアの企画から運営、執筆にも携わっています。
仕事のことで、フリーライターのことでも、「個別に相談してみたい!」という方は、ぜひご連絡ください。基本的には、どこにでも参上させていただきます。講演やセミナー、共催イベントなども大歓迎です。新しいビジネスモデルのご相談なども承ります。
これからは、自分が著者になる書籍の執筆にチカラを入れつつ、新しいことにも挑戦していくつもりです。引き続き、みなさまからのお声を大切にし、真摯に耳を傾けつつ、成長してまいります。ありがとうございました。