読んだ本を、自らの血肉とするために。
アウトプットを前提として、本を読むことが求められます。インプットだけでなく、アウトプットを通じて、読書体験をさらに掘り下げていくのです。
自分の中で読書体験が深まれば、本の内容をより理解することにつながり、やがてその本から学んだことが血肉化されていきます。それこそまさに、読書の恩恵です。
では、どのようにして読んだ本をアウトプットすればいいのでしょうか。本書『7日間で成果に変わる アウトプット読書術』より、必要な思考法について紹介しましょう。
読書のアウトプットにも活用できる哲学
本書の著者である哲学者の小川仁志さんは、哲学をより身近に感じられるよう、著書の執筆をはじめとしてさまざまな活動をされています。
本書もまた、その一環と言えるかもしれません。事実、本書では、「インプットとアウトプットに生きる哲学思考」が紹介されています。
普段、何気なく本を読んでいるだけでは得られないような視点、とくに哲学的な視点を得るために。ぜひ、アウトプットにつながる5つの思考法を参考にしてみてください。
これらの思考法をベースに本を読み進めることで、より深く本が読めるようになり、アウトプットしやすい環境が整うことでしょう。
アウトプットにつながる5つの思考法
本書で紹介されている、「インプットとアウトプットに生きる哲学思考」とは、次の5項目から構成されています。
1.直感
2.構造主義
3.批判
4.脱構築
5.弁証法
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
1.直感
直感とは、思考する前に感じるもののこと。本を選ぶ際、あるいは本を読みはじめた後も、直感を頼りにすることで、漠然とした読書体験から一歩先へ進むことができます。
2.構造主義
本の全体像をつかむために役立つのが構造主義です。その本が取り上げているテーマの構造を意識し、全体像をつかみながら読み進めれば、「木を見て森を見ず」を防げます。
3.批判
本の内容、あるいは本の読み方に批判を取り入れることで、内容を鵜呑みにするのではなく、深く思考できるようになります。クリティカルに考えることが大切です。
4.脱構築
読書によって入手した情報を自分なりに咀嚼し、新たな視点で提示するのが脱構築です。脱構築によって、自分自身の視点を取り入れたアウトプットができるようになります。
5.弁証法
弁証法とは、対立する意見のいずれかを切り捨ててしまうのではなく、両者を統合し、より良い解決策を見出すこと。矛盾や問題の克服から、新しいアイデアが生まれます。
まとめ
あらためて、本書で紹介されている「インプットとアウトプットに生きる哲学思考」を確認しておきましょう。次の5項目です。
1.直感
2.構造主義
3.批判
4.脱構築
5.弁証法
いずれも哲学的な考え方となりますが、読書はもちろんのこと、普段の生活でも応用できるものばかりです。とくに、より深い思考を得るためのきっかけとなるでしょう。
インターネットの普及により、私たちのまわりには情報があふれています。膨大な情報に踊らされることなく、自分のアタマで考えるためにも、哲学思考を身につけましょう。
その他にも本書では、読書体験をアウトプットにつなげるヒントが盛り込まれています。興味がある方は、ぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。
目次
第1章 アウトプットするための読書準備(プレアウトプット)
第2章 すぐに情報が取り出せる読書法(インプット)
第3章 はかどる読書環境の作り方(サラウンディングス)
第4章 読書を自分のものにする思考法(アナリシス)
第5章 1週間で本番! 話すためのシーン別戦略読書術(アウトプットI)
第6章 1週間でプロ級! 文章にまとめるシーン別戦略読書術(アウトプットII)
第7章 アウトプットを効率的にする文章術(アウトプットIII)