飽きずに最後まで読み通す!一冊の本を読了するためのテクニックとは

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 何らかの学びを得るために、本を読んでいる人は多いかと思います。本を読むことは、特定のテーマに対してひとりで向き合いながら、知識や思考力を高められる最高の訓練です。しかも書籍には、さまざまなジャンルのものがあります。

 たとえば、仕事に関することを学びたいのなら、先人が書いた「仕事論」や「仕事観」に関する本を読んでもいいですし、学問レベルにまで掘り下げて「経営学」や「経済学」、さらに「心理学」や「社会学」に関する本を読んでもいいでしょう。

 最初に参考文献がついている書籍を選べば、それを「レファレンスブック」として次から次へと読むべき本を見つけることができ、それらを数珠つなぎに読んでいけば、学びはどんどん深まっていきます。まさに、知識の輪が広がっていくのです。

 もちろん、読書の恩恵は知識の獲得だけにとどまりません。あらゆる道具が所有しているだけでなく使うことによって本領を発揮するように、知識もまた使われなければなりません。そしてそのための意欲を駆り立ててくれる書籍もあります。

 知識を習得し、それを行動に活かし、新たな疑問が発生し、さらに学びを深めていく。そのような学習と行動のループを構築できれば、読書に対する欲求は自然と高まっていくはずです。そのようにして人は「独習者」になっていくのかもしれません。

 ただ、中には、意気揚々と本を読みはじめてみたものの、徐々に飽きてしまい、途中で断念してしまうという人もいるでしょう。中途半端になっている本を見ては、読書の嫌な感覚を思い出し、やがて読書そのものから遠ざかってしまう人もいます。

 しかしそれでは、自ら学ぶことを放棄してしまうことになりかねません。せっかくの学ぶきっかけも、読書に対するマイナスイメージによって失ってしまうと、後の人生の大きな損失になります。やはり読書は、続けてこそ意味があるのです。

 では、なぜ読書を続けるのはむずかしいのでしょうか。また、途中で飽きてしまったり、投げ出してしまったりする理由はどこにあるのでしょう。本稿では、飽きずに最後まで本を読む「読了」のテクニックについて考えていきましょう。

■なぜ読書は続かないのか?

 そもそも読書は、他人から強制されていないものであれば、自発的に行われるものです。そこには一定の「動機」があり、その動機を形成する「目的」があるからこそ、人は本を読もうと考えます。そこが読書のスタート地点となります。

 たとえば、「もっと仕事ができるようになりたい」「うまくチームをまとめたい」などの欲求があり、そのためのヒントを得るために本を読む。とくに社会人の場合は、何らかの問題があり、それを解決するために本を読むことが多いです。

 他方で、問題解決のための読書ではなく、純粋な楽しみにとしての読書もあります。小説などの広義のエンターテイメントに属する書籍を読む場合ですが、それがおもしろければ、途中で投げ出してしまうことはないでしょう。また、無理に読む必要もありません。

 つまり、「読書が続かない」という悩みを抱えている人の大半は、「読まなければならないけれど、途中で断念してしまう」という状態であるとわかります。しかも、自発的な学びの必要性を感じているのに、続かないケースです。

 このようなとき、人は自分を責めてしまいます。「なぜ飽きてしまうのか」「なぜ途中で読めなくなってしまうのか」と考え、読めない自分を責め、そのために嫌な記憶がより募っていくわけです。それで読書嫌いになる人も多いのではないでしょうか。

 人は、嫌な記憶がある対象を意識的・無意識的に避けようとするものです。子どもであれば好奇心の赴くまま、どんなもの・ことにも果敢に挑戦できますが、経験と知識のある大人は、自分が嫌な(嫌であろう)ものをあらかじめ避けます。

 それがリスクを回避することになるのですが、しかし、リスクを回避してばかりいては新しい学びが得られません。大人になって好奇心が薄れ、特定の分野やジャンルのものにばかり傾倒してしまうと、それだけで世界は狭まってしまいます。

 過去の経験や知識はあるにしても、それをふまえて、物事をゼロベースでとらえてみること。とくに読書については、「途中でやめてしまった」「読みきれなかった」という過去の記憶に流されることなく、気持ちをリセットすることが大事です。

 具体的には、「過去は過去、今は今」という発想を土台にしつつ、「読めない本もあれば、読める本もある」と割り切ってしまいましょう。過去の読めなかった記憶は、限定された状態でのことであり、次の読書とは関係ないのです。

 そのうえで、無理に過去に読んだ書籍に挑戦することなく、別の本を読んでみてください。それも、前に読んだものとは違った方向性の本を読むことをオススメします。ちなみにその場合の方向性については、後ほど解説します。

■途中で飽きてしまう3つの理由

 その前に、読んでいた本を途中で投げ出してしまう理由について考えてみましょう。それは、「読書が続かない理由」でもあるのですが、正確には「“その本”を読めなかった理由」です。つまり、すべての読書にあてはまることではない点を押さえておきましょう。

 たとえば、読書を途中で飽きてしまう理由は次の3つです。

1.内容が理解できない
2.興味が喚起されない
3.読むペースが明確でない

 1つ目の「内容が理解できない」というのは、自らの読解力や知識のベース、あるいは経験値にそぐわない本を選んでしまっている場合です。そのような本を読んでも、書いてあることがわからず、途中で断念してしまうのも無理はありません。

 内容が理解できなければ、その読書は単に「文字を追っている」だけの行為になります。それは極端な話、知らない外国語の文字列をただ眺めているのと同じです。日本語で書かれていても、理解できないなら途中で断念してしまうのも当然でしょう。

 このときに「読めない自分が悪いんだ」と考えてしまうと、自分を否定することとなり、読書が嫌いになってしまいます。そのため、自分を責めるのではなく、「読めない本もあれば、読める本もある」と割り切ってしまうことが大切です。

 中には「あらゆる本が読めなければダメだ」と言う人もいるかもしれませんが、それは「すべての人と仲良くしなければダメだ」と言っているのと同じです。しかし、気が合う人もいれば、そうでない人もいる。それは本も同じなのです。

 2つ目の「興味が喚起されない」というのは、内容は理解できていても、「その対象をもっと知りたい」「さらに深く学びたい」などの欲求が出てこない場合です。その理由は、とくに大人の読書であれば、自らの課題解決に結びついていないためと考えられます。

 そもそも大人の学習というのは、子どものように一定のカリキュラムのものと、与えられた学習をそのまま遂行していく方針ではうまくいきません。なぜなら、土台となる経験や知識に加えて、一定の思考的蓄積があるためです。

 子どもの頭脳はよくスポンジに例えられますが、それは経験や知識が蓄積されておらず、何でも素直に吸い込めるからでしょう。しかし大人の頭脳は、経験や知識などの思考的蓄積、いわば「バイアス」があるため、素直に学ぶことはできません。

 最初のうちは素直に学んでいたとしても、「これが何の役に立つのだろう?」「このまま学んでいて本当にいいのだろうか?」などと思いはじめ、やる気がなくなり、どこかの段階でフェイドアウトしてしまうのがオチです。

 読書も同様で、自分が抱えている問題や課題に向かっているという実感がなければ、読書を続けるのは難しくなります。そのために、自分自身の問題意識や課題をきちんと把握し、必要に応じて読書に取り組む姿勢が大切です。

 3つ目の「読むペースが明確でない」というのは、いつ読みはじめて、いつ終わるのかをあらかじめ決めていないことを指します。言い換えれば、スタートとゴールを事前に設定していないため、途中で息切れしてしまう状態です。

 たとえばマラソンをするのでも、最初から42.195キロに挑戦しようとする人はいないでしょう。あるいは、どのくらい走るのか決めないまま走りはじめると、目標がなく、疲れたところで適当にやめてしまい、達成感が得られません。

 そこでまずは、5キロぐらいからはじめて、10キロ、15キロと距離を伸ばしていくのが継続のための基本となります。あるいは時間を決めて、その時間だけは一定のペースで走るという方法もあるでしょう。いずれにしても、事前に目標を設定するのが普通です。

 しかし、なぜか読書になると、そのような目標を設定している人が少ないようです。とりあえず本を入手し、とくに時間も決めずに読み進めてみる。事前の時間設定も計測もしていないため、いつまで続けるべきなのか、どのくらい読んだのかもわかりません。

 学校の授業に時間が設定されているように、本来は読書にも、時間の設定と計測が欠かせません。加えて、読書習慣や読書力には個人差があるため、自分の力量をふまえたうえで、目標設定と計測を行っていくことが、継続のためのポイントとなります。

■一冊の本を読了するには

 これら3つの要素をベースにしつつ、一冊の本を読了するためのヒントを探っていきましょう。それぞれの問題点をクリアできれば、自ずと読了に至る道は近づいてくるはずです。まずは、ひとつずつ対処してみてください。

1.内容が理解できない場合の対処法

 内容が理解できない場合は、「①本が難解過ぎる」「②知識が不足している」のいずれかを疑ってみてください。前者は著者の問題であり、後者は読者の問題です。いずれも関係しているケースも少なくありません。

 とくに「①本が難解過ぎる」場合は、同じジャンルの本のうち、よりやさしく書かれたものにあらためてチャレンジしてみましょう。文字だけでなく、図解やイラストなどが入ったものを選べば、ビジュアル的にも理解が進みます。

 また、「②知識が不足している」場合には、土台となる基礎知識を身につけることからはじめてください。入門書や中学校の教科書などを読んでから、あらためてチャレンジしてみると、案外スラスラと読めてしまうことがあります。

2.興味が喚起されない場合の対処法

 興味が喚起されない場合には、まず、自分がなぜその本を読まなければならないのか(目的)を確認してみましょう。そのうえで、抱えている問題・課題に対し、その本が解決策を提示しているのかどうかを俯瞰してみてください。

 もし、問題解決に向かないのであれば、無理にその本を読む必要はありません。途中で読むのをやめて、より問題解決に直結する本を読んでみましょう。そのようにして、読書そのものをやめないことが大切です。

 読書そのもののハードルは、どんどん下げてしまって構いません。極端な話、本を購入してタイトルを見るだけでも「読書」です。そのため、最後まで読み通せなくても、次の読書をはじめていれば、それで読書は継続できます。

3.読むペースが明確でない場合の対処法

 読むペースを一定に保つために、まずは、自分がどのくらいの速さで本を読めるのかを計測してみましょう。ただし、本によって速度は異なるため、めんどうかもしれませんが、新しい本を手に取る度にストップウォッチなどで計測してみてください。

 実際に計測してみると、「思ったより遅い」と思うことが多いかと思います。ただ、スピードは問題ではありません。自分のペースから逆算し、少し野心的な目標を立て、読み進めていきましょう。ちなみに1回あたりの時間は、短いほうが望ましいです。

 たとえば「ポモドーロ・テクニック」では、1回あたりの作業時間が25分です。これを基準に、最初は10分から15分ほどでスタートしてみましょう。もちろん1分でも構いません。時間がきたら休憩し、休憩後にまた読書を再開していきます。

■「読み終えた」の基準をグッと下げてしまおう

 最後に、どうしても読み通したい本を読み終えるためのコツについて紹介しておきましょう。そのコツとは、ズバリ「見るだけ」というものです。つまり読書を「最初から最後まで内容を把握する」ところから「目視する」というところまで、基準を下げてしまうのです。

 どれほど集中力がない人でも、最初から最後まで本をパラパラとめくることはできるかと思います。そのとき、必ずしも文字を読む必要はありません。見るだけでいいのです。どうしても読みきれない本は、それで「読み終えたつもり」にしてしまいましょう。

 事実、最初から最後まで「読んだ」としても、その内容を100%覚えていられる人はいません。私たちの脳は、1回だけ読んだことの大半を忘れてしまいます。そうであるなら、読めない本はめくるだけにして、読める本に着手したほうが、よっぽど生産的なのです。

■まとめ

・読書は自己学習の王道である
・本を読まない人はそれだけで損をする
・読書が続かない理由は次の3つ
 1.内容が理解できない
 2.興味が喚起されない
 3.読むペースが明確でない
・あらかじめ読むペースを決めて、粛々と読んでいくこと
・どうしても読めない本は「めくるだけ」でいい

 本を読む習慣を身につければ、それだけで世界は広がります。さまざまな工夫によって読書を習慣化していきましょう!

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