インタビュー取材を終えた後、今度はそれをインタビュー記事にしていきましょう。
インタビュー記事は、話の内容をテープ起こしして、会話内容すべてをそのまま記事にするわけではありません。話の中には、取材にあまり関係ないような雑談などが含まれることも多いものです。記事を書くときには、テープ起こしした原稿を見ながら、どの話を記事に盛り込むかを考えていく必要があります。
そこで今回は、インタビュー記事を書く際に気をつけるポイントをご紹介したいと思います。
インタビュー記事の作成手順
インタビュー取材が終わったら、以下のような手順でインタビュー記事を作成します。
1.取材音源のテープ起こしをする
取材中はICレコーダーでインタビュー内容を録音しておきます。音源はあとで聞き、テキスト化します。テープ起こしは作業にとても時間がかかるので、外注をする人もいます。
取材内容を録音しておくと、あとで取材中には拾えなかった相手の言葉も見返すことができます。インタビュー中はメモをとる程度で、あとは相手の話を聞くことに集中した方がいいでしょう。
2.テープ起こしの原稿を読み込む
テープ起こしが終われば、今度はその原稿を読み込みましょう。そのうえで、どんな構成にするのか。どの言葉を記事にするのかを考えていきます。
3.記事の構成を考える
インタビュー記事の形式には3種類あります。①対談形式、②1人称形式、③3人称形式です。どの形式にもメリット、デメリットがあり、「読者に伝えたいことは何か」を考えたうえで形式を決めていくといいと思います。
また、読者が読みやすい記事をつくるように心がけること。内容が長文になるのであれば、ところどころに小見出しをつけるなど、記事の構成にも配慮しましょう。
4.情報の取捨選択をする
インタビュー記事は、会話の内容すべてが記事になるわけではありません。むしろ、そのほとんどはインタビュアーの記憶の中にしか残らない言葉です。
書き手はその中で、どの言葉を記事にするのかを考えなければいけません。情報は、「取材対象者の思いや熱を伝えられるのはどの言葉なのか」という基準で選んでみましょう。
5.書いた記事を読み返す
記事が一通り書けたら、書いた記事を読み返してみること。本当にこの構成で、取材対象者の思いは伝わっているのかを、客観的な視点に立って読んでいきましょう。
あとで読み返してみると、その時はいいと思った文章の改善点がみえてきます。記事を書き終えたあとよりも、少し時間を置いて(できれば一晩)読み返す方が効果的です。
気をつけたいポイント
次に、インタビュー記事を作成する際の注意点についてご紹介しましょう。次のとおりです。
1.読者はだれなのかを考える
記事を作成するうえで、最初に考えたいのが「読者はだれなのか」という点。記事が掲載される媒体は、どのようなターゲット層を意識しているのか。これをしっかりと理解して書いていかないと、読者が求めている情報を提供できません。
書き手は、取材対象者の言葉を文字にして伝えていく役目があります。その思いをいかに文字に乗せられるかを考えて、記事の構成や言葉のチョイスを考えていきましょう。
2.取材時のことを思い出しながら書く
前項でもいいましたが、書き手の役割は取材対象者の思いを読者に届けることです。そのためには、テープ起こしに書き起こされた原稿の文字だけを見ていてはいけません。
取材をした時に、取材対象者はどんな表情やしぐさで話をしていたかを思い出してみてください。そこには原稿の文字だけでは伝わらない、取材対象者の思いが隠れているはずです。書き手はそこまで汲みとりながら、記事作成をしていく必要があります。
3.分かりやすい文章を心がける
どんな記事を書くときにもいえることですが、文章は「シンプルに、分かりやすく」が鉄則です。特にビジネス関連の記事になると、専門用語が飛び交い、つい堅苦しい言葉がつらなってしまいがち。
そんな文章を書き上げて、自分の語彙力や文章力にうっとりしてしまう人もいますが、「読者はだれか」という視点を忘れてはいけません。どんな難しい文章でも、シンプルな言葉で分かりやすい文章を心がけましょう。
まとめ
インタビュー記事は、取材対象者の存在があって成立する記事です。自分で情報をリサーチして、その内容をまとめる記事とは違います。書き手は、取材対象者の魅力をいかに引き出し、それを伝えるための記事を書きます。
たとえそれが、ほとんど取材対象者とインタビュアーの会話という対談形式の記事であったとしても、書き手がテープ起こし原稿から抜き出す言葉ひとつで印象は少しずつ変わってきます。
「読者に何を伝えたいのか」という点を頭の片隅においておきながら、記事を書くように心がけましょう。