理科系の読書術 – インプットからアウトプットまでの28のヒント
「本を読みたいけど読書が苦手」。近年、若い人のあいだで進む“読書離れ”を背景に、そのような読書への苦手意識をもっている人が増えているようです。
それでも、本から得られることは多く、できることなら無理なく読書できるようになりたいと考えている人も多いのではないでしょうか。たしかに、読書は有益です。
そんな人のためにあるのが、本書『理科系の読書術』です。著者の鎌田浩毅氏は、京大教授という立場から、読書をラクにする方法について言及しています。
『理科系の読書術』のポイント
本書、『理科系の読書術』のポイントは次の通りです。
途中で読むのをやめてもいい
大事なことは、読みはじめても最後まで読まなくてよい、と決めておくことである。
読書が苦手な人ほど、つい「最初から最後まで読まなくては」と意気込んでしまうものです。その結果、読書へのハードルがあがってしまいます。
そこで、あらかじめ「最後まで読まなくていい」と決めておくのです。そうすれば、より気楽に読書を楽しむことができるようになります。
目的を定めて読書する
一体何を目的として本を読みはじめるのか、自分に対して問いかけるのだ。
読書には、純粋に楽しむための読書もあれば、必要な情報を得るためにする読書もあります。大切なのは、読書の目的を定めてから取り組むことです。
目的が明確でないままに読書をしていると、途中、嫌になってしまうかもしれません。その点、目的が明確であれば、読書の必要性をつねに感じることが可能です。
本は「文房具」である
本を崇め奉ってしまっては、価値を十分に引き出すことができない。「本は思考の文房具」なのである。
著者の鎌田氏は、ただ本を読むのではなく、メモや書き込みを積極的に行うよう提唱しています。なぜなら、本は芸術品ではなく、「文房具」であるととらえているためです。
意見がわかれるところではありますが、本に対する向き合い方を変えるために、一度、書き込みをしてみてはいかがでしょうか。意識が変わるかもしれません。
まとめ
読書のハードルをあげてしまっているのは、固定観念にとらわれている自分自身です。そのため、読書をラクにするのもまた、自分自身の考え方にかかっています。
有益な読書をもっともっと楽しむために。これまでとらわれていた固定観念を捨て、より素直に、書籍と向き合ってみてはいかがでしょうか。
目次
第1部 苦手な人のための読書術
- 本と苦労なく向きあう方法
- 難解な本の読み方
- 多読、速読、遅読の技術 他
第2部 仕事を効率よく進めるための読書術
- アウトプット優先の読書術
- 本の集め方、整理の仕方
- 読書メモの取り方
- 読まずに済ませる読書術 他
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