USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門
単月ではあるものの、ついにディズニーランドの入場者数を上回った「USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)」。CMOを務める森岡毅氏は、いま、注目されているマーケターのひとりです。
本書は、USJでの実践例をふまえて、初心者にもわかりやすくマーケティングのエッセンスを解説した書籍です。こちらの記事では、その中でもとくに重要だと思われるポイントについてまとめました。
『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』
たった1つの考え方とはつまり、マーケティング思考のことです。具体的なポイントについて見ていきましょう。
消費者視点(Consumer Driven)
USJが消費者視点の会社に変わったということが、V字回復の最大の原動力だと思います。
業績がふるわない企業に、「消費者視点(Consumer Driven)」を植え付けるのが、マーケターの仕事です。
ビジネスの基本は顧客満足。だからこそ、あらためて消費者の視点から自社のサービスをとらえなおす必要があるのです。
売れる仕組みを作る
コントロールするべき消費者との接点は主に3つあります。
(1)消費者の頭の中を制する
(2)店頭(買う場所)を制する
(3)商品の使用体験を制する
マーケティングの本質は売れる仕組みを作ることにあります。具体的には、上記のような「消費者との接点」をコントロールすることで、商品やサービスを売れるようにするのです。
それぞれの項目について意識するべきポイントは次のとおりです。
(1)消費者の頭の中を制する
認知率(Awareness)、ブランド・エクイティ(Brand Equity)
(2)店頭(買う場所)を制する
配荷率(Distribution)、山積(Display)、価格(Pricing)
(3)商品の使用体験を制する
購入率(Trial)、再購入率(Repeat)、購入頻度(Purchases Frequency)
戦略(Strategy)
戦略(Strategy)とは、目的を達成するための資源配分の選択のこと。
どの企業においても、使用できる経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報・時間・知的財産)には限りがあります。だからこそ、目的を達成するための資源配分が欠かせません。
具体的には、「目的→目標→戦略→戦術」のように落とし込んでいきます。
- 目的:Objective
- 目標:Who(ターゲットは誰か?)
- 戦略:What(何を売るのか?)
- 戦術:How(どうやって売るのか?)
まとめ
上記の内容をふまえて、本書では活用するべきフレームワークなども紹介されています。
すでに激しい競争環境にある日本市場においては、マーケティング思考が欠かせません。ぜひ本書を読んで、マーケティング思考を学んでみてはいかがでしょうか。
目次
プロローグ USJがTDLを超えた日
第1章 USJの成功の秘密はマーケティングにあり
第2章 日本のほとんどの企業はマーケティングができていない
第3章 マーケティングの本質とは何か?
第4章 「戦略」を学ぼう
第5章 マーケティング・フレームワークを学ぼう
第6章 マーケティングが日本を救う!
第7章 私はどうやってマーケターになったのか?
第8章 マーケターに向いている人、いない人
第9章 キャリアはどうやって作るのか?
エピローグ 未来のマーケターの皆さんへ
著者
森岡 毅
1972年、福岡県生まれ。神戸大学経営学部卒。96年、P&G入社。日本ヴィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネージャー、ウエラジャパン副代表などを経て、2010年にユー・エス・ジェイ入社。革新的なアイデアを次々投入し、窮地にあったユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させる。12年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、マーケティング本部長。
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