「『お水とり』とやらで本当に開運できるのか?」企画の後編です。2日目は、残りの5箇所をまわります。
③遠見岬神社 千葉県勝浦市浜勝浦11
④出世観音 千葉県市原市戸面401
⑤久留里神社 千葉県君津市浦田14-1
⑥姉崎神社 千葉県市原市姉崎2278
⑦大宮神社 千葉県市原市五井1597番地
(前編はコチラ)
まずは朝食
翌朝。天気はあいにくの曇り空。波打ち際ぎりっぷちに建てられた鳥居が気になる。
朝一の温泉に浸かった後、朝食を食べに大広間に移動。(7時半~と聞いていたが、準備が早くできるとの案内をいただく)
そもそも今回の宿プランは、素泊まりを考えていたが、“地のものを食べることが開運につながる”というので、朝食を追加したのだった。地元のアジの干物(写真下)と、
カジキの刺身(写真下)。
③遠見岬神社
腹ごしらえも済み、宿代9,330円を支払って、部屋から見えた鳥居まで砂浜を歩いていく。容赦ない極寒の海風にさらされ、全身凍えるような寒さだ。カメラのシャッターを切る指の感覚がない。
少し見えづらいが、鳥居奥にもさらに鳥居があるのがおわかりいただけるだろうか。
車内の激臭温風エアコン全開にして、ルート「③遠見岬神社」へ出発。
現場にたどり着いたものの、駐車場が近くにあるのだろうがわかりにくい。神社目の前の銀行駐車場に行員が車撤去札をさげて立っていたので、駐車できる場所を訊くも「わからない」とのこと。
仕方なく近くのお店「朝一新鮮広場うおすい」店主さんのご厚意で5分程止めさせていただくお許しをいただくことができた。
ところが……。まだ午前9時前だが、この行列!!! 思わず目を疑う。
駐車させていただいてるお店のおばさんには「5分ほど」とお約束しているわけだが、これでは到底5分で帰ることは不可能。水の出が遅いのか、汲むのに時間がかかるのか、列はほとんど進まない。
中にはポリタンクひっさげて来ているのもチラホラ見え、とたんに、激しくテンションが萎える。
「お水とり」というものが、まさか、テーマパークレベルに並ばなければならないほどの人気イベントだったとは想像もつかず、もっとひっそり、人目に触れないようにするという先入観があったのだが、見事に打ち壊され、調査員は別の場所で汲めればいいと判断、その場を後にした。
「カジキステーキ」に胸アツ
戦意喪失、おばさんの待つお店に戻る。駐車させてもらったお礼に、なにか購入させてもらえないか尋ねたところ、「活きのいいカジキステーキ」をお勧めされたので、それをお願いする。
「お水とり」をするため前日から泊まりで来ていたが、汲むのはあきらめたことを話し、おつりは駐車場代に受け取っていただいて帰ろうとしたが、せっかくここまで来て徒労に終わるのも悔しく、ダメ元でお水を少し分けていただけないか勇気を出して訊いてみた。
すると、お忙しいのに快諾。お水とりには色々細かいルールがあるようだが、見ず知らずの人間の、めんどくさい申し出にもかかわらず、こんなに親切にして頂き、調査員にとってはなによりの開運お水となった。
「また必ずおいで!」というおばさんの言葉に、胸アツ涙目の調査員だった。
④出世観音
次の目的地は、養老渓谷にある「④出世観音」。日本昔ばなしに出てくるような懐かしい風景が広がる道を走っていると、「足湯」という文字が目に飛び込んできた。
駐車料金500円を備え付けの封筒に入れ、インターホンを押すと、お店の人が、すぐ来てくれるという。
色鮮やかなリアル吊るし干し柿!!
ベンチに座る感覚で腰かけ、木のふたを開けられ、足を入れるとほんのりあたたかい。温泉の源泉は非常にぬるいため、沸かす必要があるのだが、このあたりの土地では天然ガスが出るそうで、光熱費もかなり抑えられているそうだ。
足湯であたたまり、その駐車場から徒歩5分ほどで、出世観音入り口に到着。特徴的な赤い橋を渡って、さらに5分ほど登りが続く。
心に刺さる啓蒙を読みながら、ひたすら登り続け……
トンネルをくぐると
ついに到着!8分咲きの梅の花に思わず見とれてしまう。
光り輝く出世観音像。
本殿に向かおうとすると、住職様がいらっしゃったので、ここでもダメ元で「お水とり」をさせて頂けないか(厚かましくも)尋ねたところ、「お水とりの場所は無いが、お寺のお水でよければ」と、快く分けてくださった。
住職様、本当にありがとうございます!
お支払いしたい旨を申し出ると、笑いながら「お気持ちでいいです、お賽銭にいれておいてください」とのこと。献香もあわせて手を合わさせていただく。
ふと「出世祈祷30,000円」という張り紙が目に付いた。その場で申込をしたい衝動に駆られたが、今年は「お水とり」効果の検証。来年、もう一度来る時に申込をさせていただこうと心に決めた。
最後にお礼のご挨拶をしようとすると、住職様から「ちょうど仏様のお供えを下げていたから、よかったら」と、かもめのたまごまで頂き、恐縮しながらお寺を後にした。
本日2度目の胸アツ涙目。
絶対いい仕事を積み重ね成長し、来年もう一度御挨拶に来たい開運スポットとなった。
⑤久留里神社
⑤番目の目的地は水が豊かな土地、「久留里神社」。鳥居をくぐると、水流の音が聞こえてくる。
手を清め、
感謝の気持ちを述べる。森に囲まれ、水が豊かに湧き出る、静謐な空間。
御神水場所発見。
ラベルは紅茶花伝だが、中身は久留里神社御神水。
ここまでで、ひとまず「お水とり」は終了。ただ、せっかくなので、近隣の神社を2つほどまわってみることにした。
⑥姉崎神社
クルマで移動すること1時間ほど。「⑥姉崎神社」到着。
立派な本殿(まだくぐり方は不明なので直進)。姉崎神社の敷地内には「浅間神社」というのが別に祭られている。
なんでも、富士山頂で手を合わせるのと同じ御利益があるとのこと。
⑦大宮神社
こちらは最後の目的地、「⑦大宮神社」。
住宅街の敷地の中にあって、ひと際目をひく。
ここでようやく正しい萱のくぐり方を知る。疫病と災難を除くことができるそうだ。
帰路について
今回、初めて「お水とり」をしてみたわけだが、気づいたことがひとつある。
「お水とり」の「水」は、人間が、そこまでしてでも成し遂げたい、道を開きたいという自分との対話と、意志再確認のツールということだ。
「窮すれば通ず」という言葉があるように、前に進んでいれば、きっと窮地も打開できる……。そんな言葉がどこからともなく聞こえてきたように思った旅だった。
(前編はコチラ)