個人メディアが台頭している。
席巻していると言っても良い。これは、自己のメディアから世の中に影響を与えることが可能になっている証拠だ。それもインターネットを介して世界規模に。驚くべき進化である。
反面、ルールやマナー、あるいは倫理面を考慮しないで発信した「主張と言えない」悪ふざけが、多大な被害をもたらすこともある。とかく、そういった下劣な情報の方がより拡散されるのだ。残念でならないことだが。
そんな時代だからこそ、ジャーナリストから学べる記事の書き方があるのではないだろうか。
今すぐジャーナリストになる
個人が自分のメディアをもつことによって、いつでもどこからでも、記事を配信できるようになった。極端な話、決意したその瞬間からジャーナリストになることも可能である。
世間に問いかけたいこと、解明したいこと。強い志と行動力さえあれば、社会に多大な影響を与えることができるかもしれない。それによって生き甲斐を感じることもあるだろう。
良質な記事の書き方
記事の中身に入る前に、書き方についてあらかじめ学んでおくと良いだろう。伝えたいことも、伝わらなくては意味がない。真実に立ち向かう前に、壁にぶつかってしまうのも不本意なはずだ。
『実践ジャーナリスト養成講座』にはジャーナリストになるための基本が網羅されている。一読しておいて損はないはずだ。書き方についてのポイントを以下にまとめたので参考にしてほしい。
1.正確な記事を書くこと
ジャーナリストには正確な記事が要求される。
ここで言う“正確な記事”とは、「客観性」があり「単語の使い方」が正しく「情報の質」に問題が無いということだ。また「取材源の明示」「中立公正」「簡潔かつ明瞭」といった点にも注意を払いたい。
つまりは情報を「ねじ曲げない」ということだ。
2.見出し・リード・本文
記事の書き方は「見出し・リード・本文」が基本である。
見出しには記事のキーワード入れ、リードには記事の要約を盛り込む。そして本文で詳細を記載する。重要度は順番のとおりだ。見出しとリードが完成すれば、記事作成の8割を終えていると言える。
本文に力を入れすぎているひとは、改める必要があるだろう。
3.「簡潔に」「正しく」「はっきりと」
記事を書き終えたら、最後に必ず推敲しよう。
その際に意識すべきなのが「3C(Compuct,Correct,Clear)」だ。簡潔に、正しく、はっきりと主張がなされているかどうか。助長となる部分はどんどん削ろう。
見直すことで、記事はどんどん洗練される。
ヒトコトまとめ
ジャーナリストが意識している良質な記事の書き方とは
見出し・リード・本文という型を基本としつつ、簡潔に・正しく・はっきりと、正確な記事を書くこと。
お付き合いありがとうございました。多謝。
<目次>
第1章 ジャーナリズムへの誘い
第2章 基礎編
2ー1 記者の要件
2ー2 ニュースとは何か
2ー3 記者の形態
2ー4 記者の書き方
2ー5 よい記事
2ー6 取材法
2ー7 インタビュー法
2ー8ー1 伝統的な情報検索・収集法
2ー8ー2 コンピュータ検索法
2ー8ー3 社会調査法・発想法
2ー8ー4 数字の見方・考え方
2ー8ー5 情報公開制度の活用
第3章 実践各論編
3ー1 政治
3ー2 社会
3ー3 経済
3ー4 スポーツ報道
3ー5 学芸・家庭・くらし
3ー6 科学・医療・環境
3ー7 地方支局
3ー8 海外支局
3ー9 写真
3ー10 整理・レイアウト
3ー11 世論調査
3ー12 調査報道
3ー13 パブリック・ジャーナリズム
3ー14 オンライン・ジャーナリズム
第4章 倫理と法
4ー1 記者の権利と義務
4ー2 現代ジャーナリズムの問題と課題
4ー3 ジャーナリストの倫理
<著者>
花田達朗
1947年、長崎県生まれ。早稲田大学政経学部政治学科卒。ミュンヘン大学大学院修了。専門分野はメディア研究、ジャーナリズム研究、社会学。92年東京大学社会情報研究所(旧新聞研究所)助教授、95年教授、2003年から所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
<類書>