習慣によって最高の自分をつくる方法

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自分が何によって作られているのか、ということを考えてみる。すると、それが食事や吸収する知識、接する人、その言葉、日々の運動、休息、睡眠、あるいは娯楽など、ということが分かります。これは何を意味しているのでしょうか。

つまり自分という人間は、習慣によって自己を形成しているということです。これはもちろん、僕に限ったことではないでしょう。すべての人間は、いや、生きとし生けるものはすべて、日々の習慣によって自己を形成しているという、至極当然な結論にいたります。


これをただ「あたり前」と言ってしまうのは、あまりにも軽薄でしょう。自分という人間がこれからどのような人生を歩むのかは分かりませんが、少なくとも、その主体である我が肉体や魂、あるいは思考や精神なんてものが、日々の習慣によって形成されているのですから。これは、じっくりと考えなければならない。そして、どのような習慣を身につけるのか、もちろんそれはサスティナブル(持続可能)なものでなければなりませんが、強い意志力とともに(本当にそんなものが存在すれば)決断しなければなりません。

明日とか、あるいは10分後の自分なんてものを考えた時に、この決断はひじょうに重大なものだということがお分かりいただけることでしょう。何より自分のことですから。「逃げることもできる」だなんて、とんだ誇大妄想なわけです。事実、生きている限りは逃げられない。もしかしたら、死んでも逃げられないかもしれません。そうであるなら、日々の習慣という身の振りようを確固たるものとして、自分のなかに持っておかなければならない。手帳に記したり、カレンダーのすみに書きなぐるのも良いですが、あくまでも毎日のことなので、本当の意味で腹落ちさせておく必要があるのです。

もっとも、自分の頭で考えた、もっともらしい習慣だなんてたかが知れています。やれ健康的な食事とか、やれ規則正しい生活とか、良質な睡眠、日々の読書、適度な運動、定期的な休息。どれもこれもステレオタイプで、続いたためしがない。そんな方も多いことでしょう。まあ、無理もないことです。これからの習慣は、どこかの誰かが、あるいはそれは“偉人”と呼ばれる方かもしれませんが、成功した結果としてあげている「後付けの習慣術」でしかないのですから。あなたはお肉が好きかもしれない。しかし私はお肉を食べられない。私はサラダが好きかもしれない。しかしあなたはサラダを食べられない。それなのになぜ、誰にでも早起きができると思うんです?

どんなに優れた習慣も、継続できなければ意味がありません。綿密なスケジュールは、厳格で優秀な秘書によってうながされ、さらには事実上の行動によってはじめて意味のあるものとなる。つまり、ステレオタイプの優れた習慣に意味はないのです。自分の生活、自分の性格、自分の信条、自分の思想。そういったものに合わせてカスタマイズしたものでなければ、具体的に実りを得られる習慣ではないわけです。それは、髪の毛や爪のように、自分にぴったりと貼り付いているものでなければならない。まるで、さも自分の一部かのように。

しかし、そうは言っても、他人の習慣を学ぶことに意味がないわけではありません。成功の秘訣がその人の習慣にあることもまた事実なのですから、たとえば自分が憧れている人や尊敬している人の習慣を真似してみるというのは、大いに有意義なことでしょう。実践によって、向き不向きが判明し、必要なカスタマイズも加えられるかもしれない。なんにも指標がないよりは、よっぽどマシだということです。ベクトルとかコンパスのようなものがあれば、とりあえず進む方向は分かるのですから。

具体的には、やはり、自分の仕事に関連している人がお手本になりやすいはずです。いくつになっても夢を追うというのは、ある意味で素晴らしいことだと思いますが、まさか30を越えてサッカー選手を目指すわけにもいきません。実行可能性も考えて、お手本を探すべきでしょう。場合によっては、成功者に共通した習慣、なんてものが見つかるかもしれませんね。ただ、少なくとも、単純に平均値をとるということだけはしないように。ナポレオンのように3時間のショートスリーパーと、アインシュタインのように8時間のロングスリーパーのあいだをとって、自分は5~6時間だけ眠るようにする。たとえ一日中ボーっとすることになっても? くり返しますがポイントは継続です。

さらに付け加えるとすれば、必要なのは「余裕」でしょうね。時間的、肉体的、精神的な余裕。かつて会社員をしていたときは、ただただ週末に逃げ込んでいただけなので、習慣などを省みる余裕などありませんでした。やはり、人間余裕がなければ良いものを取り入れようという気になりにくいのでしょう。いくら良い習慣であっても、義務感を感じてしまったり、他人から強制させられれば、その恩恵などたかが知れてしまうのですから。

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