自衛官の試験には小論文(論文・作文)が含まれています。つまり、小論文をきちんと書けなければ、自衛官になることはできません。
そこで、本書『自衛官試験のための論作文術』から、自衛官試験の小論文対策に使えるポイントについて学んでいきましょう。
要点を押さえておけば、合格できる小論文を書くことは難しくありませんよ。
小論文試験の傾向と対策
本書によると、自衛官の小論文試験のテーマは、大きく3つに分類されるとされています。具体的には次のとおりです。
1.個人的な事柄
個人的な事柄とは、「あなたの○○について」「受験した動機」などの題材です。こうしたテーマの対策は、自己分析を重ね、あらかじめ自分について知っておくことが大切です。
2.時事的な事柄
時事的な事柄とは、「社会的な出来事」「○○の問題について」などの題材です。こうしたテーマの対策は、頻出の社会問題についての基礎知識を得ておくことが大切です。
3.専門的な事柄
専門的な事柄とは、「国防」や「自衛隊」などに関する題材です。こうしたテーマの対策は、あらかじめ国防や自衛隊に関する専門知識を身につけておくことが大切です。
小論文の構成と書き方
次に、小論文の構成と書き方について見ていきましょう。ポイントは次の3点です。この順番をひな型とし、どのようなテーマでも対応できるようにしてください。
1.背景知識についてまとめる(ブレインストーミング)
2.自分の意見とその根拠についてまとめる
3.上記1.2を「序論→本論→結論」で並べる
1.背景知識についてまとめる(ブレインストーミング)
まずは、背景知識についてまとめることからはじめます。テーマをもとに、「○○とはどういうことか」からはじまり、「そのうえで、○○について考えてみたい」と結びます。
2.自分の意見とその根拠についてまとめる
次に、「○○に関する私の意見は△△である」というように、自分の意見を述べます。さらに「なぜな~~だからである」と、その意見を構成する根拠について提示します。
3.上記1.2を「序論→本論→結論」で並べる
それぞれの材料が揃ったら、1を「序論」、2を「本論」として並べ、最後に「結論」として「だから私は△△と考える」をあらためて述べましょう。これで小論文の完成です。
まとめ
あらためて、自衛官試験対策としての、小論文の構成と書き方についてまとめておきましょう。次のとおりです。
1.背景知識についてまとめる(ブレインストーミング)
2.自分の意見とその根拠についてまとめる
3.上記1.2を「序論→本論→結論」で並べる
小論文は、書くべき材料を集め、それらを適切な順番に並べることによって完成します。大切なのは、それらの基本動作を身につけておくことです。
まずは、本稿で紹介したポイントについて理解し、いろいろな題材で小論文を書いてみましょう。練習を重ねれば、どんなテーマでも書けるようになります。
その他にも本書には、自衛官向け小論文対策用の例題がたくさん紹介されています。ぜひ、試験対策として、手にとってみてください。
目次
第1章 自衛官試験の概要
第2章 過去問分析
第3章 できる小論文とは?
第4章 小論文を書くためのプロセス
第5章 例題
第6章 実践問題