今回のミスターXシリーズは「潜在意識を活用したビジネス方法の具体的内容」の調査です。しかし、出だし早々、ミスターXはどうも御立腹の様子。
いったい、どうなってしまうのでしょうか。
(取材担当のミスターXは男女混合の取材チームです。)
生活感に溢れ返ったセミナー会場
会場は江戸川橋。
ビル集合ポストのインターホンで呼び出すと、講師が迎えにいくとのこと、しばらく待機していると、講師登場。マンションの一室が会場になるようだが、裏口にまわり、らせん階段を上がり、案内される。
なぜ、正規の入り口から案内されないのだろうか?
出だし早々から不信感でいっぱいになる。階段を上り、玄関には、水晶と賞状のようなものが飾られている。部屋に入った第一印象は、
「汚い」
8畳ほどの空間に、物がゴチャゴチャ雑然とあふれかえり、野暮ったい空間、家庭臭がむき出しなのだ。思わず「こんなところで…?」という言葉が込み上がってくる。
奥の部屋に進むと、机はなく、イスが6つ。(これは、知人のセミナー講師から聞いた話だが、
相手との距離感を縮めるための作戦なんだそうだ)控えめに流れるヒーリング曲(?)に、部屋に漂う芳香剤のニオイ。この状況下で、これから3時間も拘束されることとなる。
すでに参加者の50代と思われる男性・女性、30代前半女性が座っていた。今回の参加者は、調査員含め5人。(内2人はセミナー会員)投資系セミナーでよく見られる、金に飢えたギラギラがっついた人はおらず、どの人も真面目すぎて生きにくそうな、宗教にのめりこみそうな、そんな雰囲気が全体に漂っている。
止まらない「年の差婚」自慢
開始時刻を10分ほど過ぎて、セミナースタート。
60代とおもわれる講師。声が小さく、時々聞き取れない。講師の横に座っている40代前半の女性は、後妻とのこと。延々と続く「年の差婚」自慢に、周囲も失笑を抑えきれない。権威づけをしているつもりなんだろうが、さすがに40分も続くと苦痛。要約すると、
- 人生は結婚相手によって変わる、よって、再婚は人生の失敗ではない、悪くない。
- 幸せな結婚は瞑想して引きつけろ。
- 結婚力がアップすれば独身者は理想の相手とめぐりあい、既婚者はより幸せになる(といって「結婚力UPセミナー」というものも別に案内しはじめる)
- 夫婦間がうまくいっていない家庭の子供は、肉体・精神的になんらかの障害を持って生まれてくる。
- 子供を作る時、遺伝子レベルから、教育は始まっている
- 仲の良い夫婦の子供は、IQ・EQも高い
- サイモントン療法はイメージだけで末期のガン細胞も治る
潜在意識を活用したビジネスの方法が知りたくて来たわけだが、「再婚は悪くない」だの「子作り方法」だのを聞かされる理由がわからない。「再婚者は劣等ではない」と、なぜここまでくどく強調される必要があるんだろうか?
これ以上、本来の目的と関係ないことを聞くのは、時間の無駄にしかならないと調査員は判断。途中退席しようとした矢先、ようやく本題の「瞑想・催眠」について説明が始まった。
できるビジネスマンは皆、瞑想をしている
「催眠・瞑想」と聞くと、ほとんどの人が「アヤシイ」と感じるのではないだろうか。しかし、瞑想を真剣に続ければ、2年程で悟りの境地に立てるとのこと。
そこで、その不安を取り去るために、誘導に従い<ガイド>を使ってメッセージを受け取るというワーク行う、ということで、講師自慢の後妻さんが、白紙の紙を配りだした。
<ガイド>とは、自分のイメージする神様みたいなものでもあり、誘導によっては、自身の父母になったりもしたりと、かなり雑な説明だが「自分の味方になってくれる人」をイメージしてもらえらればいい。
瞑想で得られる効果には、
・心身をリラックスさせる
・イメージ・集中力がアップする
・気持ちが安静する
など。瞑想の仕方は
①背筋をのばす
②背骨のS字の上に頭蓋骨を置く
③一定間隔のリズムを保ちながら、深呼吸(眠くならないように気をつける)
④上手にしよう、完璧にしようとおもわない
⑤雑念が浮かんだら流す
雑念を流すイメージは、“首の後ろ側に、観音開きの扉があるとイメージし、その扉から雑念を流す”、<ガイド>は“光の玉”としてイメージするといいそうだ。
瞑想は、自らが積極的に探ろうとすることによって大きく結果が変わるとのこと。よくTVなどである催眠ショー、あれはウソで、タネも仕掛けもある。そもそも人間が、他人の心をコントロールすることはできず、受け手が「催眠にかかろう」という主体的な努力をすることでかかるのだとか。
でかい声、出せるじゃないですか
さて、講師の誘導がはじまった。20分ほどのワークとのこと、目をつぶって、呼吸だけに意識を向けるよう指示がある。
「んーーーーーーーーーーーーーーーーーーンン……」
いきなり室内中に響き渡る発声に、椅子からコケそうになる調査員。
「次はのどが自由になります。
あーーーーーーーーーーーーーーーーーーあぁ……」
小声で聴きとりづらかった、これまでのストレスはなんだったのだろうか?
「おーーーーーーーーーーーーーーーーーーォお……
背骨の後ろをとおって悪いものが全て出ていきます」
誘導というのは、もっと静かに語りかけるようにされるもんだという
先入観があったのだが、これは想定外だった。
「頭にうかんだものは否定しないでください
いーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイぃ……」
薄眼をあけてみると、皆真剣にやっている。さすがに、ここはしっかりやらねばなるまい。
講師の誘導にも少しずつ慣れてくる。このガイドと対話は、何度も訓練することで、日常で起きる問題を、より解決しやすく導くそうだ。
<催眠>は過去を受け入れ、
<瞑想>は未来にエネルギーを送る
自己肯定力の低い人は、
瞑想訓練することで、人生がプラスに変わり始める。
これらを会得することで、自分がなんのために生まれてきたのかがわかり、今という現実と向き合い、しっかり生きることができる、というのだ。
催眠・瞑想に対する誤った先入観の払拭
実際に瞑想を受けてみた感想としては、身体全体の力が抜け、数分ではあるが、諸々の精神的圧力・拘束から解放されるような感覚が、非常に心地よく感じられた。
最後は、お決まりの講義コースへの勧誘。ちなみに、受講料金とコースだが、
<月2日間標準コース>
151,200円(全3回 6日間分 税 教材費込み)
<月1回濃縮コース>
119,880円(税 教材費込み)
支払いは、銀行振込またはクレジット払いが選択可能。
「2日間で行うコースの方がしっかりと身につきますのでお勧めです」
だそうだ。
瞑想・催眠技術は仕事面でメリットがあることがわかり、さらにツッこんで勉強してみようという気になった。しかし、講師の人柄が調査員とは合わないと総合的に判断し、申し込むには至らなかった。
極めてみたいと思う人は、導入窓口として自己責任で体験してみるのもいいかもしれない。
講師印象…★☆☆☆☆
セミナー内容…★★★☆☆
行ってみてよかった度…★★☆☆☆