北朝鮮にて水爆実験がなされたとの報道がありました。
そこでこちらでは、原爆よりも威力が大きいとされる「水爆(水素爆弾)」について、簡単にご紹介します。有名な水爆実験の被害である「第五福竜丸事件」は、被ばくとも関係しています。
原爆のしくみは「核分裂」水爆のしくみは「核融合」
原子爆弾のしくみは、核分裂による熱エネルギーの発生でした。一方で水素爆弾のしくみは、核分裂ではなく「核融合」です。水素の核が融合する際に発生するエネルギーを利用します。
具体的には太陽の原理と同じです。そもそも太陽は、燃えているのではなく、中心部で水素の融合が起きているためエネルギーが発生しているとされています。そのしくみを活用したのが水爆です。
水素が核融合する条件とは
もともと水素には中性子がなく、それぞれ1つの陽子と電子からできています。そのため核同士が融合しやすいのが特徴です。(つまり核力が小さいということです)
ただ、水素が核融合するには条件が必要。その条件とは、「1億度以上の熱」か「大気圧の1千億倍の圧力」があること。それらが満たされないために、地球上の水素は融合していないのです。
そのような条件を満たすにはどうすればいいのでしょうか。石油を燃やしてもわずか1千度ほどにしかなりません。そこで活用されるのが原爆です。
水爆の詳しいしくみ
水爆のしくみは、ウラン238でできた爆弾容器のなかに「水素」を入れ、その水素を核融合させる起爆剤として原子爆弾も入れている、というもの。原爆(ウラン235)の爆発、水素爆弾の爆発、ウラン238の核爆発という3つの爆発によって強大なエネルギーを発します。
水爆は、原爆とは異なり、核の分裂片(放射性物質)をだしません。にも関わらず、なぜ水爆実験によって、第五福竜丸は被ばくしたのでしょうか。
もうおわかりですね。そう、水爆の起爆装置に原爆を使用していたためです。つまり第五福竜丸は、水爆の起爆装置である原爆によって被ばくした、ということなのです。
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